汚い大人
組織の本部にて、委員長は語る。
「いやぁよくやってくれたね。本当に助かったよ。最初は私のいいなりになってくれてたんだけど、途中から訳わかんないことやりだしたからね。」
「そうですね、我が国への攻撃は予想外でした。まさか以前に解決した問題を持ってくるとは思いませんでした。」
「日本はメディアがかの国を庇っているからね。政府に何でも反対しているんじゃ、まずいんじゃないの?」
「それをいうならですね、そちらだってなかなかにスリリングなことしてるじゃないですか。ああいうメッセージはとなりの国のシマでやってくれないと。」
「お互いさまってことだよ。とにかく、君には助けてもらった。我が国からもお礼を言わせてもらおう。」
「い、いえ、そ、そ、そんな、たまたまですって、い、い、いやほんとに。」
「どもり過ぎじゃない?君はいつもビッグマウスで基本がタメ口なのに、不思議だねぇ。」
「私にもそんな感じでいいんですよ?君と私の仲だ。ケツは持ってやる。」
「え、本当ですか?一国による暗殺組織への援助。今度そちらを国として認める声明を出すんですから、バレないようにしてくださいね。
知事も、いいですね?あなたが守るべきは情報であって、都民じゃない。」
「肝に命じておきます。」
(いや都民守れよ。首都だろ??)
「いやぁ、今だからいえますけどね、あんな老人たちを扶養するとか面倒でしかないんですよね。
それに合衆国の圧力もありますし。」
「ところで総理、今の話録音されているのですが、文春に送ればいいですか?あさひ新聞に送ればいいですか?」
「ハッハッハ、冗談は顔だけにしろよ?」
まあなんというか、民間人に化けた大統領をたまたま撃ち抜いて、それが某国と母国の取引材料で、その某国が自分たちのケツ持ちをしてくれる。
うん、僕には関係のない話なんだよね、きっと、うん。そうしよう。