プロローグ
こんばんは。
犯罪者御用達の射撃場で、ほんの10mの距離からAWMをぶっ放しているバカがいた。
パジューン!
ドゴッ
ドカーン!!
プシュ
「お前、真面目にやってんの?」
「もちろんですよ、教官。なんでこんなに当たらないんですかね?」
「知るかそんなモン!お前、いい加減にスナイパー諦めろ!!」
「いやぁ、だってかっこいいじゃないですか?もう少しで化けますって。」
「はぁ、お前と言うやつは。それ何年前から言ってる?」
「えーっと、高校一年からなので、5年になりますね。」
「ーったく、狙撃銃はだめなくせに暗殺術だけはえげつないんだもんな。」
そう、これが彼ー山野 楓が、未だにスナイパー練習ができている理由だった。
相手の懐に忍び込む業。言葉巧みな誘導術、その全てをとっても一級品。その彼が狙撃までできれば、、上としても、他の組に負けない為の戦力のために、彼の練習を許可してるのだが、、。
流石に諦めたら?と、思いを隠せない教官だった。
◇ ◆ ◇
「楓!!!仕事だ!!次のオリンピックに来る朝鮮国のトップをやれ、とのことだ。」
「あー、最近支持率が落ちてる彼か。今度の帝京のオリンピックに来るのね。
じゃあさ、それ、狙撃でやっていい?」
「おまっ! ダメに決まっとるだろ!!
アホかぁ!!」
「なんで?」
「なんでじゃねーよ!狙撃銃で10メートルですら的外してるお前に、この組の歴史上最大の仕事を任せられるわけがねーだろ!」
「ふーん、分かった。」
いつもより、聞き分けのいい楓に、少し不審感を覚える教官だが、
「狙撃銃に関しては、自分でもわかってるんだろーな。」
と、納得して帰っていった。
まさか、本気で狙撃銃を使うとは思いもせずに。
◇ ◆ ◇
国立競技場、人々は、熱狂に包まれていた、チケットはすでに完売済み。政府高官や、小山都知事も、一安心していた。
「総理、もう少しで始まりますね。」
「そうだな。やっとここまでこれたが、気を緩めてはいけない。
要人たちを呼んでいる手前、ここでミスをするわけにはいかない。
わかってますよね?」
「もちろんですとも、阿部総理。暗殺者たちには指一本も触れさせません。」
「なら、安心だ。小山知事。我々の仕事も捗る、というものだわ、」
いかがでしたか?怒られそうな内容ではないと思います、よね?