最強少女の冒険譚
<プロローグ>
「君に会えてよかった。これまでの日々その全てが楽しかった。でも、最後にヘマをしてしまった。これは私の力不足だ、それで死ぬなら杭はないよ」
多くの死体が散乱する戦場。幾多の戦場をかいくぐってきた戦士の命の灯火が消えようとしている。
「お前に杭がなくても俺の中にはたくさんの杭があるんだまだ…まだお前を死なせるわけには行かない!!」
そう仲間の黒い鎧を着た青年が言う。その言葉を皮切りに周囲にいた仲間からも口々に言葉が紡がれる。
「私嬉しいな。こんな大勢に最後を看取ってもらえるなんて。これまでに私が犯かしてきた罪に余りあるよ。」
戦士はそう清々しく言う。
「そんな…そんなこというなって.........」
倒れている戦士を支えている黒い鎧の戦士は俯き言う。その目尻には光るものがたまっている。
「君は泣いちゃいけない。これから君は国に帰って英雄として称えられる。そんな人がこんな顔してちゃいけないでしょ。」
戦士はそう笑いかけながら目尻に溜まった涙を動かすのもままならないはずの腕を持ち上げ掬いとる。
「君は笑ってるのが1番いい。」
その言葉を最後に戦士の目は閉じられ手からは力が抜けていく。
後に残ったのは仲間たちの静かな泣き声だけだった。
<第一章>
アリル・ルドセインはスラムで育った。母はアリルを産んでそうそうに死に、父親もロクにアリルの世話をしなかった。
アリルがスリや殺人に手を染めるのは必然的なことだった。
彼女が最初に人を殺したのは、7歳の時なけなしのお金で夕飯を買おうとした時に絡んできたチンピラをナイフで切り殺した。そのナイフはあまりに切れ味が悪くそのせいで血がそこらじゅうに飛び散らかる。それはさながらノコギリで人を殺したかのような惨状だった。
そこからは坂を転がり落ちるがごとくことが進んでいく。殺した男の仲間が差し向けてくる暗殺者たちとイタチごっこを続ける日々。そんななかでアリルについた通り名は白銀の暗殺者狩りだった。
いい加減こんな日々に飽き飽きしていたアリルは仲間を集めることにした。しかし、これまでの14年間の中で関わった人などほんの数人だけで頼れる人などごく一部だけっだあった。
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これからもよろしくお願いします。