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退役軍人の大変な日々  作者: 田宮
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退役軍人は事務所を紹介する

「ここが私の所属しているテスラ探偵事務所です。階段を登る際は気をつけて下さい。何度か補強をしてあるのですが、たまに底が抜けることがあるので」とスピードは大きな問題を大したことではないように言った。


 テスラ探偵事務所は一階と二階の間に看板が掲げてあり、一階に駐車場になっており、大型のサイドカーが付いたバイクや見た目は古そうだが、車内はとても清潔そうな車が停められていた。


二階には事務所になっており、ブラインドがあるため、窓から事務所の様子を伺うことはできない。

 

 スピードが話していた階段は、かなり頑丈そうな見た目なのだが、何かとても重たいものを運んだためなのか、いくつか穴の空いた部分があり、そこを溶接して繋いだあとがあった。


『この階段は本当に安全なのか?アンバーが怪我をしたらどうする!』

 

バレットはアンバーの保護者の様に心配していたが、アンバーの「私はそこまで太ってはいません。」とちょっと怒っている様な声を聞いて、『すまないアンバー』と謝った後、『もし階段が崩れた時は、覚えていろよ!』とスピードに無機質だか恨みが篭っている様な声で言った。


「安心してください、ここの耐久重量は300kgなので、あなた達が多少暴れたぐらいでは穴が開くようなことはありませんよ。それに穴を開けてしまったのはこの事務所のメンバーですよ。修理したのも事務所のメンバーですし」

 

スピードは安心させる様に話したが、逆にアンバーには、頑丈な階段に何度も穴をあける様な危険な人にどんなふうに接すればいいのかと内心、恐怖を感じていた。


「階段の前でずっと喋っているのもアレですし、事務所の中に入りませんか、もし階段が崩れた際は私が抱えて逃げるので絶対に安全ですから。」と手を差し出しながら、スピードは言った。


「そ、そうですね。」アンバーは不安げにスピードの手を取り階段をのぼっていった。


『本当にこの探偵事務所で大丈夫だろうか?』バレットは心配そうに呟いた。


 事務所の中に入ってみると、ボロボロだった階段とは違い、毎日掃除をしている様でとても綺麗だった。しかし、奇妙な点もあった。


 依頼人と話をするための事務室にはソファーが2つ向かい合って置いてあったのだが、下座側のソファーは上座側と比べて、とても頑丈そうな作りになっていた。


 また、事務所のメンバーが過ごしていると思われる部屋には、椅子とテーブル、テレビやシャワールーム、キッチンなど生活に必要なものが揃えられており、その奥に仕切りがあり、仮眠用と思われるベットがあるのだが、どれもひとつだけとても頑丈そうな作りのものがあった。


 それらを見て、アンバーは不思議だと考えていたのだが、『この事務所にはとても大柄な男が住んでいるんだな』とバレットがアンバーが不思議に思っていた疑問の答えを聞いていた。


「いいえ。この事務所には、大柄な男性はいませんよ。ちょうどいい機会なので、他のメンバーを紹介しましょう」とスピードは笑顔で言った。






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