14/15
第6話 官能
「あら、丁度良いわ」と私は言って下駄箱からノートを取り出す。それはラヴレターの寄せ書き帳でいつも私の靴下の横に置いてある。
その時、くちびるにロザリオを巻いた女が現れた。よく学校でピアノを演奏している女子生徒であった。よく太宰治のクソゴミ小説を読んでいるゴミみたいな女にケンカを売る女で私の親友であった。唐突にガラストルージュの雨が降り注いだ時私は天空に喧嘩を売った。
人形蝶が舞い降りたのはその瞬間の出来事であった。その蝶々はなぜか人の姿を持った官能世界を内に持ち、同時にエロティシズムの究極の互換形態であった。ここで話はまトリックする。
数学的行列を併せ持ったこの作品に最後に記すのは神のしもべとその使いのみである。