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第2話 人形蝶
おっとその前に、私は一つとなった空杯でカンパイをした。
その乾杯は恋よりも甘くそして同時に末恐ろしかったのはなぜ?
今日もひぐらしのなく頃にが聞こえた。
その蝶々は貴婦人であったがヴェルディの演奏により蘇る。志方あきこのHarmoniaの音色が聞こえ始めた。これは「うみねこのなく頃に」である。
パイプ片手にそれを聴き込んでいるとやがて世界は閉じていき、なくなってしまった。
私の通う女学園はなんとハリーポッターの世界と通じていたのであった!!というわけでもなく、ただの日本の学校。まあ、どうでもいいわ。と言ってJuneは息を吐いた。魔法で出来た学校であったが私はそれを未だ知らないのである。
死体と恋した私はただの木偶の坊であるが、未だこの世界には私の知らない場所がある。その意味を解きほぐすために今日も深夜の散策に出た。