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人形蝶  作者: 結姫普慈子
プロローグ おしまい
1/15

1. 死して直

 ロックオペラのザ・フー四重人格の女子高生はある朝、目覚めるとヒトになっていた。四季は巡り続け、その死した少女もいつしか学園へと通うようになった。

 それはある世界の物語、死した学校「シンデレラ学園」。

「ねぇ、紫色って知ってる?」

「なにそれ?」

「人の死んだ色なんだってさ」

ふーん、それが死んだ人の色なんだ。なんだ、人形みたい。

私、人形いっぱい持ってるんだけど、あなたの分も欲しいわ。人形はそう喋ると蝶のように光と消え去った。跡に待つのは夏の陽炎。

ジッポーライターのように燃えていくその火柱はいつしか蝶の群れとなり動植物園と化けていく。


 でもさ、

ページ1

人形師である女子高生鈴原正子は人形の棚にある「目玉」を埋め込んだ。心臓とはチガウその目はいつも私を見つめていた瞳であった。

「誰の目だろう」それは人形師である私にもわからない。

「人の死んだ色なんだってさ」

「人の死んだ色なんだってさ」

「人の死んだ色なんだってさ」

 でもさ、

ステシャン、私の人形は?もうないよ。そう。

 アメスピの月のマークはいつまでも欠けていた。シガレットをそこから一本取り出すと、口にクワエル。甘い味がした。雨音が次第に溶け込み朝露に濡れるその底面に人形の肌をした油彩絵具を垂らし込んでいく。

 人通りは少なく、時折消えた影が通る。いつでも死神がいた。

 雨傘、はひとつ。

もうヒトツは人形の肩に。

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