週末にはジントニックを。
疲れきった1週間
最後はいつもここに辿り着く
平日ならば騒がしいが
時に 静かになる時もある
そんな誰も邪魔しない頃合いを狙う
バーテンダーに注文を
いつものやつを と手短に
心を癒す旋律を
彼は乱さず調合する
少し開けた舞台での
ピアノの演奏に耳を傾けながら
御老体 だがその歌声は大したもの
barの住人達はうっとりとして
瞼を閉じ ひっそりと酒を嗜んでいるようだ
多分 要らない歌詞を徹底して取り払ったのか
長い月日を掛けても まだ未完成な所が良い
然り気無く注がれたグラスを手に取り
微睡んでゆく ──……
白煙漂う一室で
仕事上がりには
ついぞ身に染みる ──……
ピアノマンにチップを弾もう
今宵の満月に 似たような