プロローグ
いつもと変わらぬ日常が過ぎていた。
ある日、突如として人間達は魔術が使えるようになった。
その日を境に人間達のそれまでの生活が変わってしまった。
魔術は家系でどんなものが使えるか決められていた。
それにより、人間達はランクをつけ始めた。
それは、その家系がどんな力を持つかによって決められるものだった。
その、力のランクは6つに分けられたのだ。
一つ目は、神と同等かそれ以上の力を持つもの達を指し示す神魔〔しんま〕。
二つ目は、一人で都市を破壊することの出来る力を持つものたちを指し示す鬼魔〔きま〕。
ここまでは力があれば魔術師学校を卒業していなくてもなれる。
三つ目は、魔導師学校を卒業した優秀な者達を指し示す天魔〔てんま〕。
四つ目は、魔術学校に在学している者達を指し示す龍魔〔りゅうま〕。
五つ目は、魔術学校に行けない者達を慌魔〔こうま〕。
六つ目は、使い物にならない魔術をもつの者達を指し示す無人〔むと〕。
これらに分けられたことにより人間の間で差別が起き始めた。
それは、ランクによって扱いがひどくなり社会的にも窮屈になるくらいだ。
無人に至っては人として扱われないくらいだ。
人々は無人を見えないものとして生活をしていた。
そんな世界の平穏は12人神魔によって保たれていた。
しかし、ある日境にしてそれが崩れ去ってしまった。
魔術師同士の戦いが起きてしまった。
そして、その戦いを終わらせるために動いた青年がいた。
その青年を後に人々は無雷魔神〔ぶらいまじん〕と呼んだ。