プロローグ
とある日の朝俺は普通に学校へ登校していた。
幼馴染に降りかかる災難も予測せずに。
キーンコーンカーンコーン
聞き慣れたチャイムが鳴り生徒が皆席に着く。
「なぁ、山下、お前課題やった?」
聞き慣れた声が横から聞こえる。
そう、幼馴染の緑だ、日本人離れした顔立ちと菊人形のようなまっすぐ伸びた黒髪、ほんのり茶色っぽい目、クラスでは結構人気のある女だ。俺は可愛いとは思わないが…。
こんな男勝りな喋り方をしてくるのは俺だからだろう。
他の生徒と喋るときはもっと女らしい、所謂猫かぶりだ。人気が出るのも仕方ない。
先生が来たため小声で答える。
「課題はやってねえよ。お前は?」
返答はない、聞こえてないのだろう。
そんな緑に苛立ちを覚えながら窓の外を見てみるとまぶしい太陽が眼球に突き刺さる。
晴れは嫌いだ。
キーンコーンカーンコーン
四限が終わったころ緑がなにやらモジモジし始めた。
「お前漏らすなよ?」
女の子に言うセリフとは思えない言葉を投げかけてみる。
緑は
「なんかケツのあたりと頭がむず痒いんだよ、つか漏らさねえよ!!!」
むず痒さが余ほどのものなのか小声で激怒してくる。
本当に恐ろしい女だ。
この後起こる事をきちんと把握していれば緑もまだ受け入れられたかもしれない。
まぁ予測しろというほうが無理だがな。