33話
「おや?、知らない顔ですねぇ~、貴方は誰ですか?」
アルフォードは目の前に立っている白髪で蒼い瞳の少年に問いかけた。
「何をした...」
和樹はボソッと呟く。
「はい?、何と言いましたか?」
「何をしたんだ」
「それより貴方は誰ですか?」
「藍花に何をしたって、キイてんだよォオオオオオ!!」
和樹から極寒の霊気が吹き出し、力なく項垂れる神苛を除き全ての物が凍りついた。
「はぁ...はぁ...はぁ...」
和樹は怒りに任せて霊気を放出したために肩で息をする。
「ひどいですねぇ~、貴方が誰だか聞いただけで私を殺そうとするとは...」
アルフォードは和樹の本気で放った霊気をまともに食らったのに、無傷でそこに立っている。
「化け物が...」
「よく言われます、では、お返しといたしましょう!!」
アルフォード自らの霊力を解放すると禍々しい霊気の暴風が吹き荒れて周りの景色を更地に変える。
「ゴホッ...ゴホッ、ゴホッ...
マジかよ、霊気を放出しただけでこの威力かぁ...やっぱアルフォードは化け物だな...」
和樹は立ち上がり服についた埃を一通り払い終わるとアルフォードに視線を向ける。
「言いたい事は山ほどあるが、一つだけ聞かせてくれアルフォード」
アルフォードは不適な笑みを浮かべたまま続きを言えと手で和樹を促した。
「お前は藍花の胸を見たな?」
「え?」
「さわったな?」
「はぁ?」
「お前は俺の愛す人を殺そうとしただけでなく、心情な藍花の聖域を汚ねぇ手で汚した、つってんだよこのエロフォード!!!!」
和樹はアルフォードを指差し大声で宣言する。
一方のアルフォードは予想していた質問と天と地程離れた内容に目をぱちくりさせ頭にいくつもの、?を浮かべている。
「許さねェ...絶対許さねェぞアルフォード!!」
怒り狂う和樹に対しアルフォードはまるで先生に質問する生徒のように自然と手を上げる。
「所で君に質問なんだが、君は私が倒した老人達の仲間なんだろ?
通常はそこかしこで転がっている人達を「倒したのはお前カァォァァアアア!!」とか、藍花?を「返してもらいに来た!!」とかじゃない?、それに...」
アルフォードはここまで話してふと気付く、さっきまで転がっていた人守衆の連中がいない事に、そして目の前の少年がさっきとは別人のように強くなっている事に。
「質問に答えよう、俺は人守衆の一員ではない、ただ昔お世話になっただけだ。
それと、お前が俺に意識を向けている間に藍花を含め、倒された人達は白に避難させてもらった、これからお前を倒すのに邪魔になるからな」
「ずいぶんと自分力に自身があるようだな少年、しかし分からない、
なぜ君は吸血鬼である彼女を助ける...いや
そもそも君は彼女が化け物だと知っているのかね?」
和樹は真剣な目でアルフォードを睨み付け静かに口を開いた。
「知ってたさ...吸血鬼だって、しかも俺の両親を殺すきっかけとなった事も...」
アルフォードは頭をフル回転させ今の発言から目の前の少年が何者か予想する。
「カミーラが両親を殺すきっかけ、日本、強い霊気...なるほど、君はあの怪物の息子かぁ...」
アルフォードは目付きを変えて引き締まった表情をする。
「なら、なぜ君は自分親の敵と同じ吸血鬼を守ろうとするんだい?
私の部下は丁度君と同じ格好をした者にカミーラ誘拐の邪魔をされた。
自分の口で言うのもなんだが、私の部下はそこそこ優秀だ君程の強さの者で同じ格好の者がそういるとは思えない。
だから私は君が邪魔したと考えている」
数秒の沈黙の後和樹はハッキリとした口調で答える。
「好きだからだ!!」
和樹の一言にアルフォードは目を見開き驚く。
「何故かは分からない...何時からなのかも分からない...
だが、ハッキリと今なら分かる、俺は藍花を愛している。
ただ俺の愛した人が敵と同じ種族だった、たったそれだけだ」
和樹は吸魂刀を鞘から抜き構える。
「これだから、人間は面白い...いや、人間の人格をもつ者は面白い...、では貴方を殺してカミーラを返して貰いましょうか...」
アルフォードの回りに漆黒の霊気が舞う。
「俺もお前を倒して、藍花を守る」
和樹の回りに青い霊気が集まり地面が凍って行く。
「「始めようか戦いを!!」」




