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愛敵  作者: コモルー
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27話

 青い空もなくアスファルトの地面もなくただ何もない真っ白な空間に白髪で蒼い瞳の少年、西原和樹は立っていた。

 そう、ここは白いカラスの白が作り出した夢でありながらこの世界で受けたダメージは現実の体にも影響すると言う何でもアリな空間である。


「はぁ...いい加減飽きてきたなぁ...」


口では適当な事を言いながら、背後に突然姿を表した黒い炎を纏った大型犬を霊力で作った刀で一刀両断する。


「いつぬっころの次はミミズかぁ...」


和樹は後ろに跳躍すると目の前に茶色い大きな(ワーム)が地面から上空に伸びて行き失速した頭は和樹めがけて隕石のように落下してくる。


「クグクグアァーー!!!」


耳を塞ぎたくなる様な汚ない唸り声を上げて落ちてくるワームに和樹は右手をかざす。


「氷結の波動」


和樹の右手から青白い波紋が空気中に広がり、一瞬にして巨大なワームが凍りつき砕け散った。


「我ながら中二病気味のネーミングセンスかな?」


少し自嘲気味に言うと和樹は二本目の刀を霊力で作り振り返ると見渡す限り魔物、魔物、魔物、牛、魔物、で埋めつくされており所々無害そうな白黒のウーシー、が要るのはきっと気のせいか、みまちがいだと和樹は思うことにした。


「さて、準備運動を始めるか」


和樹は一歩で最速まで加速すると、最前列の犬型の魔物の首を切り飛ばし、次に黒い鬼の体を真っ二つに切ると、ようやく和樹の姿を捕らえたのか、唸り声を上げながら、地面を這うもの、空を飛ぶもの、道具を使うもの、全てが一斉に襲いかかる。

 

「グギャー!!」


「シャバー!!」


「プギー!!」


「グルルルル!!」


和樹は素早い立ち回りで魔物達の攻撃を交わし服に触れさせることなく切り捨てていく。


「ジャリー!!」


「アルゲー!!」


「ゴオオオオ!!」


・・・・


三十分もたたないうちに回には魔物の死体の山がいくつもでき、一番高い山の上に和樹は立ち回りを確認するが魔物の姿は一つもなかった。しかし、ところどころ白黒のウーシーがうろちょろし「モ~~~」と鳴いているがそれはウーシーが敵ではないと、間違えて切るとどこかのニワトリ見たいに群れとなって押し潰して来るからでもある。


「さて、こっからが本番だな」


和樹が死体の山から飛び降りると。まるで地面に染み込む水のように魔物の死体が白い地面に吸われ再び真っ白な世界とウーシーだけが残った。

 突如、和樹は殺気を感じ、しゃがみこむと頭スレスレを日本刀が通りすぎ、向きを変え和樹の体を切り裂こうと襲いかかり、和樹は前に前転し、回避すると霊力を右手に集め氷の弾丸を連射するが、そんなの関係ないと刀で切り裂き、白髪の爺さんは和樹に斬りかかる。

 和樹は両手に霊力で刀を作り、爺さんの刀を受け止めるが余りにも重すぎる一撃に耐えきれず後ろにぶっ飛び白い地面にすり鉢状の穴を空け土煙に包まれる。


「ゲホッ...ゲホッ...やっぱ重いなぁ~、さすが日本最強の陰陽師、西原一郎だな?!」


土煙でまだ視界が制限される中、和樹は光の刃が飛んでくるの察知し、後ろに跳躍した瞬間、顔の真横に白い足袋が写りこむ。


「しまっ...」


和樹の顔に一郎の蹴りが衝突し刀で飛ばされた以上にぶっ飛んで地面に穴を空けると一郎は追い討ちに白銀の雷を和樹に向けて撃つ。

 撃たれた雷は空気を切り裂き爆音を立てながら和樹の落ちた場所にピンポイントで命中し大爆発を起こし衝撃波が数秒経ってから一郎の元に帰ってくる。


「この程度で死ぬのならそれまでの器だったって事じゃ」


一郎は長く蓄えた白い髭を撫でると、目にも止まらぬスピードで背後に迫った刀を正面を向いたまま掴み、ため息をついた。


「その程度の式紙ではワシに絆一つ付けられはせん」


一郎は掴んだ刀を握り砕くと、和樹の姿をした式紙の頭を手刀で切り飛ばし、頭を失った式紙はただの紙切れに戻り地面に落ちる。

 本体の和樹は空も地面も真っ白な世界なのを利用し呪符で高さ二メートル横幅一メートル、厚さ三センチ程の真っ白な壁を作っ隠れ、傷だらけになり所々血がにじみ出る体を霊力を高めて傷の回復を待っていた。


「(あのジジイマジで殺すきか?!、力、速さ、霊力、全てが異常じゃねえか?!、あれで七十越えてるとか化け物すぎるだろ!!)」


「化け物で悪かったな」


気づいた時にはすでに遅く、作った壁の裏に一郎はおり、壁を拳で粉々に粉砕しその衝撃で和樹は吹っ飛ばされ地面を何回転か転がりなんとか体勢を立て直そうと地面に指を立て線を数メートル引きやっと止まった。


「その顔、何故バレたか分からないって顔だな?、て言うことは和樹、お前まだ心眼を開眼しておらんみたいだな」


一郎は壁を吹き飛ばした拳を広げたり閉じたりしながら和樹にたずねる。


「なら..ハァ、心眼を教えてハァ...くれるのか?ハァ...」


「だから教えてるではないか?、お前を追い詰めることでな」


「?」


「心眼は極限の精神と肉体の状況下に置かなければ開眼しない...死ねばそれまでの器だったって事じゃ」


「なら、さっさと体得して、あんたを倒す!!」


和樹は霊力を限界まで高め、辺りが氷の雪原に変わり、一郎はその光景に何か期待するような視線を和樹に向けて、両者の戦いが再び始まる。


和樹「(所で、どうして今さら心眼について教えてくれたんだろ?、前に一週間ボコられた時には一言もいわなかったのに?)」


一郎「(そっ...そへはなぁ...まぁ...あれだあれ...)」


和樹「(ん...なんかジジイの声が聞こえたような?)」


一郎「(もう開眼しはじめたか?)」


和樹「(多分気のせいだな)」


一郎「(ふぅ~~、危ない危ない)」


一郎は心の名かで冷や汗を拭くのであった。


















 


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