22話
キーンー・コーンー・カーンー・コーンー♪
終業のチャイムが鳴り、帰宅の準備を和樹が始めると物凄いいきよいでクラスメイトが取り囲んできた。
女子生徒A「西原君!!、神苛さんとはどうなったの?!」
男子生徒A「やっぱ付き合うことになったのか?」
女子生徒B「キスはしたの?!」
男子生徒B「神苛さんの手料理食べるとはゴミ野郎だな!!(羨ましい)」
男子生徒C「リア充爆破!!」
女子生徒C「これはいいネタになりそう!!」
和樹「ちょっと落ち着けよお前ら!!」
和樹は、押し寄せて来るクラスメイト達を両手を前に付き出して静止させると、突然後ろから殴られ紙の心地よい音がなった。
「いってえ!!誰だ教科書で殴った奴は!!」
いきよいよく振り返ると山田を始めとする、女子と会話=リア充予備軍、と判断する残念系男子がVの字に広がりそれぞれ教科書、ノート、問題集、週刊誌、アイドルの写真集、エロ本を丸めて持ち空いてる手にリズムよく打ち付けていた。
「(教科書や問題集は分かるけど写真集とエロ本はアウトじゃね?)」
和樹は心の中で明らかに校則違反になる本を持っている二人に強い疑問を感じた。
「和樹...俺達は仲間じゃなかったのか!!」
突如、山田が和樹に向かって吠える。
「仲間って俺とお前は小学生以来の仲間だろ!!」
和樹は訳の分からないという表情で山田に強く言い返す。
「ああ!!昨日間ではそうだった!!、だけどな...今日の昼の事でお前は変わった!!、変わっちまったんだ!!」
耳をふさぎたくなるような大声で山田はさらに吠えた。
「一体なんの事だ!!、説明しろよ!!」
和樹は山田の大声で耳が痛くなり、耳を塞ぎながら大きな声で更に言い返した。
「お前が屋上で神苛さんと向かい合い真剣に見つめ合って泣かせた事は分かっているだよ!!しかもお前は両手を神苛さんの肩に乗せていたよな!!」
和樹は先程の屋上でのやり取りを思いだし確認すると、確かに山田の言う通り、神苛は泣いているし、神苛さんの肩に両手を乗せていたのも事実だと思い相槌を打った。
「やっぱりな!!こいつ確信犯だ!!お前らこいつを捕らえろ!!」
「「「「「おおおぉぉぉ!!」」」」」
山田達は和樹を取り囲み担ぎ上げ、ワッショイ!!ワッショイ!!と言いながら二年生のクラスがある南校舎へ向かった。
・・・・
和樹は途中何度も逃げ出そうと身をよじったり、避難通路の電光掲示板にしがみついたり、窓枠に跳び移り雨樋を伝って上の階ににげたりしたがこういう時だけいつも仲の悪い奴らが協力しついに逃げ出す事は出来ず二年二組の教室に投げ込まれた。
「お前らいい加減にしろ!!俺はコントのボケ役でもなければツッコミ役でもねぇぞ!!」
和樹は床に打ち付けた腰をさすりながら自分を放り込んだ山田一味にガンを飛ばしたが、山田はニヤニヤしながら親指を立て、いきよいよくドアを閉めると窓ガラスからこちらを他の生徒と一緒に覗きみていた。
「あん二ャロー!!後で絶対締めてやる!!」
和樹は制服に着いた埃を払い立ち上がると静かな割には多くの視線が自分に集まっている気がし恐る恐る振り返るとスマホを持って何故かスタンバイしている先輩方々が息を潜めて何かが始まるのを待機していた。
「えっ...と...お疲れ様です?」
和樹は無言の圧力をかけて来る先輩達に引き気味になりながら無言はまずいと思い取り敢えず挨拶してみた。
「えっ...と...お疲れ様です?!」
少し裏返った声で神苛さんが挨拶を返してきた。
「えっ...と...今日は何だか暑いですねぇ?!」
和樹は冷や汗を額からだらだら流し、思わず袖でぬぐった。
「あつ...えっと...ハンカチどうですか?」
「ありがとうございます」
和樹はハンカチを受け取り額をぬぐった。
「ありがとう...?!ってこのハンカチは...」
「その~...さっき貸してもらった和樹君のハンカチです...さっきは貸していただきありがとうございました!!」
「こちらこそありがとうございます!!」
神苛は和樹に頭を深くさげ和樹もつられて頭をさげる。
「あのさあ~いい加減結果を見せてくんない?!」
突如いきよいよく開いたドアの向こうに山田が椅子に座って何処かの映画監督?風にグラサンをし台本出はなくアイドル雑誌を丸めたメガホン
を持ちいちゃもんをつけてきた。
「こちっちは授業後家で七海ちゃんのライブ放送我慢して学校に残って
いるんだからさぁ~」
山田はグラサンを外し和樹を睨み付ける。
「もっと恋人らしくいちゃつけよ!!」
「「「「「....」」」」」
数秒に渡る無音の時間が過ぎ和樹は山田を軽蔑の視線で見た後、山田の前まで歩きアイドル雑誌を奪って頭を雑誌で殴った。
「お前は俺に何をしてほしいんだ?!」
「なに?...ってリア充爆破だろ!!」
山田は叩かれた頭を押さえながら堂々と言った。
「余計なお世話だ!!」
和樹は山田の頭を四、五回雑誌で殴ったら後ろからクスクスと笑う声が聞こえてきた。
「あははははは!!、ごめんなさい、ごめんなさい、何だか可笑しくて」
神苛は腹を抱えて笑い、その笑い声につられて一人、また一人笑い出して教室全体が笑い声に包まれた。




