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愛敵  作者: コモルー
21/36

21話

「その仮面は!!」


神苛は目を見開いて驚き無意識に口元に手を添える。


「俺は一般人じゃない、この世の魔物や妖怪を刈るハンターだ。

 そしてこの白いカラスが相棒の白だ」


和樹は視線で白をさし紹介する。


「単刀直入に言う、俺に貴方を守らせて欲しい!!」


和樹は神苛を力強い目で見つめ、頭を下げる。

 神苛は少し戸惑ったが一息つき静かに口を開いた。


「なぜ私を守ってくれるのですか?」


和樹はゆっくり頭を上げ、少し難しい顔をしてから話し出した。


「今から十年ほど前の話だ、俺の両親はある特別な力を持っていたそうだ」


「特別な力?」


神苛が首をかしげながら聞き返す。


「そう、特別な力...詳しくは知らないけど怪我などを癒す類いの物だったそうだ」


和樹は目を青空に向けると真っ白な雲が無数に流れている。


「十年前、山奥の小川の近くで大怪我をした少女発見された、発見したの当時人守衆で弐の番号を背負った人物、西原次郎だった、発見当時少女は酷い怪我をしており、次郎は呪符と霊術を使って治療を試みたが、謎の術式により妨害されたそうだ。

 怪我をした少女を発見した以上見捨てる事の出来ない次郎は特別な力を持つ俺の両親なら治せると思い式紙を使って助けを求めた」


和樹は視線を神苛に戻す。


「そして事件は起こった...俺はまだ幼かったために両親と離れる事を嫌がり両親と共に少女の元へ向かった。

 両親は力を使って懸命に少女を助けようと治療し謎の術式に妨害されながらもどうにか治療し一命をとりとめる事に成功したその時だった。

 武装した吸血鬼の集団が小屋の中に雪崩混んできのだ、両親は治療に力を使い消耗していたため、不覚を取り致命症を...」


「もういい!!...もう...話さ無くていい!!」


神苛は涙をポロポロこぼし訴える。


「そのっっ...そのしょうじょはっ...まちがいなくわたし...だからっ!!」


神苛はハンカチでも拭ききれない涙を袖でぬぐい、嗚咽しながら話す。


「両親を失い...大怪我をしてっ...私自身も死ぬのだとおっ...思っていた時...優しい温もりを感じっ...手を握ってくれた優しい人...」


和樹は神苛を抱き寄せ頭をなでる。


「ゴメン...辛いことを思い出させてしまって...でも君を守る理由を話すにはどうしても十年前の事を話さないダメだと思ったんだ」


和樹がふと視線を屋上の出入り口に向けると携帯を持った野次馬(元気)がニヤニヤしながらこちらを見ており、シャッター音が数回聞こえる凄いいきよいでドアを閉めた。


「(あの野郎...後で締めてやる)」


和樹は心の中で強く思った。


「で!!二人はいつまで抱き合っているのだ?」


白がジト目で和樹を見ており、和樹は慌てて神苛から距離を取り両手を震る。  


「いやいや何を言っているのかな白...別にいやらし事何かしてないぞ!!」


「いやらしい発想が出てくる時点でアウトじゃ!!」


白は和樹の頭をくちばしでつつき和樹は白から逃げようと走るが当然、逃げきれる事は出来ず、頭に無数のたんこぶを作り床に伸びた。


「すみませんでした...」


「全くもう、所詮男はいつの時代でも十五を過ぎれば成人!!、発情期じゃ、吸血鬼の王女もこやつには気付けろよ!!」


「ぷっ...はははははぁ!!!」


神苛は何が可笑しかったのか唐突に笑いだした。


「ごめんなさい、ごめんなさい、何だか可笑しくて、まるで白さんが和樹君の彼女見たいで」


「こっ...こやつの事なんぞ好いてはおらんは!!」


今度は標的を神苛に変え頭をつつき神苛も息を切らして和樹の隣に座った。


「ねぇ白さん...神苛さんには攻撃優しいんだね...」


和樹は頭のこぶ押さえながら白をジト目で見た。


「当然、嫁入り前の少女に傷をつける者はおらんは!!」


白は胸を張り、堂々と宣言する。


「で、これからどうするのじゃ?、和樹は神苛を守る、神苛は和樹に守られる、これでいいのじゃな?」


白の鳥とは思えない迫力に押されるように二人は頷く、その時チャイムが鳴り白は屋上の出入り口を翼で指し首を傾げ、無言で教室に戻れと言った。


「「はい!!わかりました!!」」


二人はまるで熊に追われているかのように一目散で教室に向かった。


「所でアースとか言ったかのう...」


白は出入り口から目を反らさずに、屋上の隅にあるゴミ箱に向けて話しかけた。


「そんな所に隠れていないで出て来たらどうしゃ!!」


ゴミ箱のフタが外れ黒髪に赤い目をした青年が出てきた。


「始めから気づいていたのですか?」


「あんなに殺気を出していたらあたり前だ、いくらお主の主が男とイチャイチャしていてイラついても、守護者がこうではいざと言う時に致命的なミスとなるぞ!!」


「はぁ...私もまだまだですね」


アースはため息をつき頭をかく。


「話しは聞いていただろ和樹はお主の主を守る事になった仲良くしてくれ」


白はただ事のように淡々と言いはなった。


「はて...なんの事だかさっぱり分からないのですが?」


「なぬ?!」


「はい?!」


数秒カラスと吸血鬼は互いを見つめ合ったあと白はさっきあった話しを頭の中で簡潔にまとめてアースに同情の眼差しを送った。


「お互いに苦労するのう...」


「全くです...」


「「はあ...」」


カラスと吸血鬼はピッタリため息をついた。


「簡単に説明すると十年前吸血鬼の王は神苛と黒血の真珠をアルフォードから守ためにこの国に転移させたが神苛は大怪我をその時にしていて、偶然人守衆の西原次郎が見つけた、次郎は治療に当たるが黒血の真珠が治癒を妨害し上手くいかず和樹の両親の力を頼った。  

 治癒は成功するがアルフォードの追っ手を受け和樹の両親は亡くなり西原次郎も和樹を逃がして死んだ、和樹は自分の両親を殺したアルフォードに敵打ちをするためにも神苛の味方をした方が言いと思いアルフォードから狙われている神苛を守ると言ったのだ」


「なるほどそう言う事でしたか戦力が増えるのは私達に取っても良い事なのでよろしくお願いいたします」


「あと、次郎に追っ手がかかったのは抱えていた子供を神苛と間違えたからなんだろう誰かが意図的にそうなるようにして」


白はアースを強い疑いの眼差しで見つめ、アースは少し間をおいてから口を開いた。


「その通りです、私の力ではあの時どうしょうもなかったので、次郎殿を勝手におとりとしましたそのお陰で私は神苛様を連れて無事に逃げきる事が出来ました...」


アースのめには罪悪感があるのか、目を伏せ少し悲しい目をする。


「別に主を守る為に使える物は全て使うのは攻めたりはしない、私自身もお主と同じ立場ならそうしたからだ」


白は振り返ると自宅の方角に顔を向けた。


「和樹が見方に成って良かったな、もし敵なら私はお前を殺していただろう...」


白は翼を広げ柵から空へと飛び去った。














 


 







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