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愛敵  作者: コモルー
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17話

武道館の入り口に着くと柔道部の生徒が立って待ち構えており、和樹の

姿を認識すると、それぞれ左右に別れて、奥にある引き戸を開けた。

 すると上級生らしき人達が左右に別れて並んでおり、奥の国旗前に黒帯の柔道着を着た短い黒髪で大柄の男子生徒が腕を組、仁王立ちしていた。


「良く逃げずに来たな!!、まずはお前を敵として認めよう」


「あんたが、柔道部主将、橋本健太か?」


「そうだ、改めて西原和樹に神苛藍花をかけて決闘を申し込む!!」


和樹に指差しし、高らかに宣言した声が武道館じゅうに響く。


「始めに言っておくが、会長は物じゃね...人だ!!、それに本人以外があれこれ勝手に決めていい事じゃない、しかし先日とったお前の行動が原因で会長は死にかけた、だから一個人として...」


まだ和樹が言い終わらない内に、橋本は和樹との間合いを詰めて右手でえりをつかもうと手を伸ばすが、和樹はカウンターで橋本の顎を狙って右のストレートをだす。

 しかしえりをつかもうとしていた橋本の手は軌道を変えて和樹の顎めがけてのパンチ変わり、和樹は左手の掌底(しょうてい)でパンチの軌道を変えるが右の頬に拳が(かす)り髪が数本宙に舞った、

 和樹はパンチを後ろに流すように体を回転させて橋本から距離を取り

橋本に対峙する。


「まだ話終わってないんだが...(あっぶね!!、こいつ俺のパンチを読んだ!?)」


背中ごしに和樹の言葉を聞き、ゆっくりと橋本は体を返した。


「少々話が長かったのでね、様子見がてら手を出させてもらったよ」


橋本の雰囲気ががらりと変わって体から薄暗い霧が立ち上り不敵に微笑む。


「(こいつ人じゃない!!)」


和樹は最大級に警戒して身構えるが時すでに遅く、武道館にはさっきまでいたはずの部員達は姿を消し、橋本と和樹だけが存在している武道館の姿をした異空間となっていた。


「お前、本当に橋本健太本人なのか?」


和樹が、冷静に質問すると、橋本は不敵な笑みをさらに広げ高笑いした。


「ハハハハ...そうだ、橋本健太に間違いはない...体はな!」


次の瞬間、橋本の姿が消えて和樹の前に現れる、和樹はとっさに手刀で橋本の頭を狙って横一文字に払うが、橋本は避けもせず頬に手刀の直撃を受けるが、顔色一つ変える事無く、顔を和樹に近づけた。


「良いねぇ...この力...人間にしては強い、お前は神苛の血より劣るが、それなりに旨そうだッ!?」


和樹は橋本の股間に蹴りを入れ後ろに素早く下がり距離を取った。


「一様急所は存在するんだな、少し安心したよ」


「キッ...貴様...話の途中で股間を蹴るなど卑怯だぞ...」


橋本は股間を押さえうずくまりながらさっきまでと真逆な弱々し声で抗議した。


「すまないね、 少々話が長かったの(・・・・・・・・・)でね足を出させて(・・・・・・・・)もらったよ(・・・・・)


「貴様!!殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す...」


橋本は禍々しい霊気を漂わせ、獲物を刈るライオンのような目を和樹に向けた。


「さて、俺も少し本気をだすか...」


和樹の瞳が赤から蒼に変わるべく、少し光ったところで一部の空間がガラスの様に砕け何者かが侵入してきた。


「あら和樹...こんな空間で男同士でなにやってるのかな?」


飛び込んで来た少女は和樹達と同じ大里高校の制服を来ており、ツインテールに結んだ赤い髪を無造作になで、毛先が広がるのど同時に、少女の炎のような霊気で空間が崩壊し始めた。


「春夏キララか、その格好ってことは、総隊長に俺の()()でも言われたか?」


「自意識過剰ね、半分は正解だけど残りは違う、貴方には言いたい事が色々あるけどまず先にあの吸血鬼を倒さないとね」


和樹とキララは橋本に対峙すると橋本は不敵な笑みを浮かべていた。


「敵を前にして仲良くお喋りとずいぶん余裕ですね」


「ああ、お前を倒すのに二人係なんてもったいない、キララお前がやつを倒せ!!」


和樹は橋本を指差し、キララに命令した。


「はぁ?何でてめぇの言うこと聞かないかんのだ!!てめぇから殺すぞ!!」


キララは和樹の胸ぐらをつかみ前後に揺さぶった。

 その時、姿を一瞬で消した橋本がキララの背後に現れ、首を跳ねようと爪を伸ばし切りかかった。


「?!...」


橋本はキララから慌てて距離をとり、身構えてから痛みの走った右腕を見ると、皮膚は焼けただれ、所々焦げて煙が立ち上っていた。


「橋本、敵が隙だらけの時は罠を疑うのを知らないのか?」


和樹は今何が起こったの分からずに焼けた腕を眺めている橋本を馬鹿にする様に言った。


「そうだな、少し油断していたよ」


橋本は右腕に力を込めると、たちまち焼けただれていた腕が治り、感覚を確かめる様に手を握ったり放したりしている。


「遊びは終わりだ、次は殺して二人の血を1滴残さず飲み干してやろう」


橋本の姿が黒い霧に覆われ、黒い軍服姿に黒い帽子と手袋、そして目はまっかに染まり先の尖った牙が光る完全な吸血鬼に成り変わった。


「名を名乗ろう、私は原始序列五十三位、グレド・ジーザスと申します」














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