勇者パーティー
勇者の名前を変更いたしました。
アダム=シャゼルから須藤剣一へ変更。
王国から見て南西、帝国から見れば北西には六大聖湖の中でも最も大きい湖、オーヴェルン湖がある。
その底を知る者はおらず、深く暗い。また、龍や神鳥といった人知を超えた者たちの住まう場所であった。
今回の戦はオーヴェルン湖からユトピアの国境へと流れる川の流域の支配権を巡って起こされた。
この川の流域というのは、肥沃な大地が存在し、幅が広く、流れも急であることから冬でも凍らないという大きな利点があった。
確保できるなら、ユトピアへの足がかりとなることは間違いない。だからこそ、王国も必死になる必要があった。
そして、ソラたちが配置された場所は川の上流域。下流域にあるユトピア軍本陣と挟撃を狙っていた。また、奇襲部隊の本隊は別に、陸地側にあったが、その規模の大きさから川の方から攻めることは出来ない。
今作戦では本陣が囮となり、パラディオン本隊を引きつけ、ソラたちの奇襲を合図にユトピア奇襲部隊が攻撃を仕掛ける手筈となっていた。言うなれば、ソラたちも囮ということになるが、その情報を伏せられていた。あくまで表面上は戦術級の力を有するソラたちと本陣での二面作戦である。
もっともこの程度の策であれば、ソラも見抜く。もしもの時の逃走経路を急流の川に見出しているのが、その証拠だ。
準備の段階、息を潜めて、敵を探っていた。
(強そうなのが、中央部と東部に集中しているのか。確かに奇襲を仕掛けるとしても川の方からは来ないと考えるか)
それに加え、あえて本陣が横陣で展開することで、パラディオン本隊に密集隊形を取らせていた。
ゆえに、本陣は分断され、各個撃破の危険性があった。
戦闘が開始されれば、時間との勝負だ。
挑発行為をして、少なくない損害を出しながら、後退したおかげで、この密集隊形を引き出すことが出来たのだ。
もちろん、この陣形が弱いわけではない。その破壊力たるやこのままぶつかれば、鎧袖一触であろう。それに魔法と闘術により、その弱点となる側面からの攻撃、柔軟性をカバー出来ていた。つまり、堅く強い。
少しでも奇襲部隊が遅れれば、一気に殲滅されかねない。それでなくとも川を背後にしているのだ。逃げ場はなかった。
(背水の陣。賭けに出たものだ。余程追い詰められているらしいな。
しかし、士気は高い。それに勇者もいるようだしな。多少は持ち堪えられるか)
対する本陣は横に広がった陣に、強力な魔導士たちを幾人も要して、遠距離から叩こうとしている。さらには、勇者という未知なる強者。聞けば、その炎熱の剣の一振りで一隊を灰燼へと変えるだけの力は有していた。
ソラが見た限り、赤髪の少年であった。確かにその噂に違わぬ力を持っているようだが、その力を隠しきれていない。むしろ、見せびらかしているようにさえ見えた。
(せいぜい、勇者に頑張ってもらうとするか)
思い入れのない者に対しては特に気にかけるつもりはなかった。その勇者の正体がソラと同じだとしても。
それよりも、川から大量の水を引いて、壁にしてみせたという青い髪の青年の方が気になっていた。得物は二丁の拳銃。他にも仲間がいるようで、その誰もが侮れない力を有しているようだ。
(それに髪色は色鮮やかだったが、あの顔だちは)
赤、青、黄緑、水色、色彩豊かな面々であったが、その容姿は皇国人と同じ。それとも、あれが陰陽国の陽人という者たちなのか判断がつかなかった。
(何にせよ、俺は俺のやるべきことをするだけだ)
結論の出ない思考を隅に追いやると決意を込めた目で仲間たちを見た。各々が自分の得物を確認する最終準備を行っていた。
後は、開戦を待つだけであった。
その状況でソラは行動開始前にベルナールから掛けられた言葉を思い出した。
『正真正銘の戦争だ。
綺麗事が通じる世界じゃねえ。だから、容赦するな。甘さを捨てろ。迷ったら、何とかして生き残れ』
そう言って、恥ずかしげに頬をかく姿を思い出して、クスリと笑った。
「必ず生き残ってやる。敵は容赦なく斬り捨ててよう」
静かに呟き、『誰一人として欠けさせやしない』、と声にはせず、口を動かした。
◆ ◆ ◆
所変わって、ユトピア本陣。
精鋭達が集い、向かいに位置するパラディオン軍を睨みつけていた。
そんな殺気立った中で異質な存在があった。
どこか緊張感がないというか、切迫している様子がなく自然体で仲間同士でじゃれ合っている。
「大洋先輩、勇者としてやってやるっす!」
「おーおー、頑張れ頑張れー。
ま、怪我しない程度にな」
赤髪の少年が、青髪の青年に親しげに話しかける。元気で溌剌とした少年と比べると青年は眠たげに目をこすっている。この赤髪の少年こそが、勇者、須藤剣一である。腰にさす赤い宝石の付いた煌びやかな剣は神剣。鎧もまた、その頑丈さとは裏腹にその重さを感じさせない特殊な製法で作られたものでその髪色に合わせて赤を基調とした装飾が施されている。
「大洋、目やにがついてるよ。ちゃんと顔洗ったの?」
「洗ったっつーの。優希はいちいちうるさいな。俺のオカンかよ」
「む、人がせっかく気にかけてあげてるのに!」
頬を膨らませている姿は少女と見間違えそうな幼さが残っている。しかし、風をきるほどの拳を放つ女性に戦慄している。おかげで、大洋の眠気は吹き飛んだようだ。
「あっぶ。当たったらシャレになんねーよ!
ったく、全身凶器みたいなもんなんだから、気をつけろ」
「女の子に対して、その言い方はないんじゃない?
そんなんだからモテないんだよ!」
「うっせ、今はそんなん関係ないだろうが」
ばーか、ばーかと子供のように罵り合う二人。小森大洋と福原優希は幼馴染みであり、今更取り繕うこともなく気安い関係であった。
そんな二人に、眼鏡をかけた黄緑色の髪の青年は眉間を抑えて苛立っている。彼は尾上将司、大洋とは高校からの付き合いであり、互いに憎まれ口をたたきながらも、無駄に息が合うためこの世界においても行動を共にしていた。
「君たち、子供じゃないんだから言い争うのはやめたらどうだい?
戦争前だというのに全く緊張感がないな」
真面目な将司の態度に大洋は口を尖らせて文句を言い返した。
「うっせ、駄眼鏡。
お前は灰汁の強い姑かよ」
「な、なんだと!
この眼鏡は王国随一とも呼ばれる名工ジョエル氏に作ってもらった一品物だぞ!
断じて駄眼鏡ではない!」
「そういうことを言ってるんじゃねーんだよ。ったく、お前も十分うるせえじゃねえか」
「くっ、ああ言えばこう言う!
その減らず口叩けなくさせてあげようか?」
売り言葉に買い言葉とはこのことで、周りも巻き込み、喧騒が広がる。
「やれるもんなら、やってみろや!」
「佐久間君、私も手伝うよ!」
「じゃ、俺は先輩の味方っす!」
収まりがつかなくなり、魔法を使う直前に至る。それを止めるようと現れたのがニルスであった。
「元気が良すぎるのも考えものだな。
普段通りでいられるのは羨ましい限りだが、少しは周りの目も考えてくれたまえ。君たちは勇者であり、王国の顔なのだから」
ニルスはそのように苦笑交じりに注意した。だが、彼らの元気な様子を見て楽しそうにしている。
「すみません、ニルスさん。こいつらがあまりにも子供だったもんで」
両脇から将司と優希につま先を踏みつけられ、足を抑えてうずくまった。
「相変わらずだな」
以前と変わりない彼らのやりとりにニルスもまた安堵していた。
須藤剣一が教会で勇者認定を受けた時から、大洋たち四人の周囲を取り巻く環境は激変した。あれよあれよと言う間に祭り上げられ、そして、力を付けざるを得ない状況へと放り込まれたのだ。
その頃から変わらない彼らの様子は、その一因となり、ユトピア側の人間であるニルスの心労も少しは軽くなるというもの。
「では、そろそろ準備をしてくれ。頼りにしているよ」
「わっかりました」
敬礼して恰好だけは整えた大洋に口元をほころばせると、その場を後にした。
残された大洋たちはストレッチをしたり、得物を抜いてみたりと時間をつぶす。
周囲から聞こえるざわめきも少なくなり、開戦がもう間もなくであることを知らせていた。
大洋たちもまたその雰囲気に飲まれてか、口数が減る。その中ですでに意識を戦闘へと切り替えているのは大洋ただ一人。
この勇者パーティーと賞賛される一行で、まとめ役を務めているのは剣一ではなく、大洋その人である。
軽薄で、気怠げな態度とは裏腹に冷静さと周囲を気遣うだけの余裕を持ち合わせていた。
大洋には気がかりなことが一つあった。それは剣一のことである。先の戦では窮地に陥ったユトピア軍を救うために奮闘し、成果を上げた。しかし、それだけ敵兵を殺したことに他ならない。
大洋を含め、すでに成人済みの面々は各々折り合いをつけることができている。だが、剣一はまだまだ幼い。
明るく振る舞っているものの、以前ならばじゃれ合いでも気軽に勇者の力を使っていた。それこそ、こんなファンタジーの世界に来たのだ、喜々として見せつけていたのだろう。今はどうだろう。神剣を抜こうとすらしていない。この状態で戦えるのか? そんな不安を胸中に抱いていた。
「なあ、剣一。やっぱ、お前――」
その瞬間、ユトピア軍全体に緊張が走った。
開戦を告げるべく、パラディオンから一人の戦士が歩み寄ってきたのだ。
「パラディオンの左翼将軍アイザック=ヴォロノフが告げる!
これより罪深き貴様らに裁きを与える。しかし、我が王の慈悲深き御心により、武器を捨て今すぐ降るというのであれば、罪は許されるであろう。返答は如何に?」
ニルスが一歩前に出て応えた。
「汚れた獣風情を戯言を!
剣で以て応えよう!」
「よかろう。ならば、貴様らの肉を喰らってやろう」
その言葉を最後に背を向け、自陣へと帰っていく。
その様子を大洋は食い入るように見ていた。
「獄狼、アイザック……」
赤黒い毛皮に覆われた狼の戦士の姿は脳裏に焼き付いた記憶を呼び覚ます。あれは地獄だった。
パラディオ軍の特徴として、二本の足で立ち、武器を扱うものの外見は人よりも獣に近い。ゆえに、その肉体能力には目を見張るものがる。しかし、その一方で魔法のように魔力を使う行為が苦手であり、めったに使ってこないというのが特徴であった。だが、獄狼、アイザックだけは違った。
その名にあるように、地獄の業火を顕現させたのだ。
それは剣一の神剣が作り出した神炎を飲み込むと、全てを焼き尽くさんと迫ったのだ。恥も外聞も忘れ、背を向けて逃げた。逃げ遅れた兵士たちがその身を炎に包まれる。悲鳴を上げる暇さえ与えず、人であったものへと変えた光景は今でも瞼に焼き付いている。あの焦げる嫌な臭いも鼻に残っていた。機転を利かせた大洋が川を氾濫させ、辺り一帯を水で押し流さなければ、この命も、身体も、跡形も残らなかっただろう。
あの出来事により、自身の力が通用しなかったことと凄惨な光景を目にしたことは多大な影響を剣一に与えていた。大洋ですら、あれを完全に克服したとは言えないが、アイザックを見て、戦意が沸き立つ分だけまだ良かった。
トラウマの相手の出現を気遣って、肩を叩いて剣一を励ますが、それに笑って答えた。
「大丈夫っすよ。今度は俺が勝つっす!」
その笑顔は引きつり、誰が見ても大丈夫とは言えない。再び剣一が前を向いたのを見計らって、大洋たちは顔を見合わせ頷き合う。今回の戦いで危険なのは剣一だ。万が一のことがあれば、立場や誇り、全てを投げ捨ててでも、剣一を守り逃げると。
そして、両陣営から漏れる殺気も一段と刺々しくなり、睨まんだだけで人を殺せそうなほどだ。
極限まで緊張が高まったその時、大気を切り裂く号令が発せられた。
「撃てーッ!」
「突撃!」
ユトピア軍からは魔法が、パラディオン軍はただ愚直なまでに真っ直ぐ突き進む。
単純であるがために、速く、あらゆる小細工を物ともせずに歩を進めた。
大洋もまた、仲間に指示を出す。剣一の状態を鑑みる。一度アイザックが奥に引っ込んだことで落ち着きを取り戻している。ならば、今のうちに出来るだけ、ダメージを与え、将来的な危険を取り除くべく動いた。
「剣一、優希は周りを気にせず突っ込め! カバーは俺たちがする!」
「「了解!」」
大洋の指示に疑いを持たず、迷わず突っ込んだ。その姿に怯懦はみじんも感じられない。
「須藤、あいつらの道を切り開くぞ!」
「君に言われるまでもない!」
大洋に言い返すと詠唱の完了した魔法を放った。
それは天を衝く雷槍、全てを払う風の盾、力を与える炎の加護。一度に三つの上級魔法を平然と使ってみせた。
敵の最前線は大盾を構えた重歩兵部隊。その歩みは遅いが着実に距離を詰め、味方を守る。
その鋼鉄の分厚い盾に色とりどりの魔法が飛来する。魔法にも強い素材で作られたこの盾は並の魔法であれば、苦も無く弾き返す。その無敵の盾を突き破ったのは一本の雷槍。
だが、ユトピア軍の歓声とは異なり、驚くほど動揺が広まらない。犠牲は当然、破られることこそが前提の盾であった。壁の穴は穴であって、穴ではない。
皮の防具を着けた身軽な者たちがその穴から飛び出してきたのだ。
「チッ、須藤は変わらず、あいつらの援護! 俺は出てきた奴らを撃つ!」
両手に持つ二丁の銀色の拳銃に魔力を込める。すると、装飾部に青い線が入り、産声を上げる。
アルクトスとリウシンと名付けられたそれは剣一の持つ剣と同じく神器であった。そして、それらを持つ大洋だからこそ就くことができた唯一のクラス、双銃士の力は彼に真実を見抜く目を与えた。
【神授の瞳】はゲームの画面のように視界に入れた者の情報を映し出す。
(二番目に出てきた奴の攻撃力が高い、六番目はやたら頑丈だな。他に能力が高いのは、と)
その情報をもとに優先順位をつけて、敵を狙い撃った。
「レオラガン!」
青い光の球が獅子の姿を以て襲い掛かった。敵兵一人を容易く呑み込めるだけの影に隠れて次弾が放たれた。
「ハウンドファング!」
一つの青い魔法弾が、百を超える数に分かれ、軌跡を残した。それでいてただ直進するわけでもなく、大洋の意思に従い、敵を追い詰める。
「くっ、なんだこれは逃げきれない!」
逃げても逃げても追ってくる追尾弾の前に為す術もなく打ち抜かれていく兵士たち。
その技はどれも美しく戦場を彩る。
「これが蒼星の……」
味方からは感嘆、敵からは怨嗟の声が漏れた。
荒れ狂う青い獅子と、降り注ぐ雷槍に紛れて、ついに剣一と優希が敵の眼前へと躍り出た。
「勇者だ。殺せっ!」
盾の隙間から繰り出される槍に対処しようと剣一が神剣に手をかけたが、優希が片手を上げて下がらせた。
「剣一君は力を温存してて! ここは私がやるよ!」
「了解っす!」
短いやり取りで二人の場所が入れ替わる。
すでに眼前には槍が迫っていた。だが、それで冷静さを失う優希ではない。
青いオーラ、錬気を纏った優希にとってはその動きが止まって見えた。
すぅ、と息を吸うと、吐き出すのとともに、上段蹴りを放った。
槍をまとめて蹴り落とすと、その足を地面に叩き付けた。
「震脚!」
足が地面に触れた瞬間、隆起し立っていられないほどの揺れが襲った。短時間、狭い範囲ではあるが防御を蹴り崩したのだ。
そして、動けない敵の真っただ中に剣一が飛び降りた。跳躍することで震脚から逃れた剣一は着地と同時に神剣ロワールを解き放った。
神剣の纏う炎は高温であり、太陽の如き輝きを放つ。白い炎はまるで意思があるかのように敵の武器だけを狙い、溶かした。
一瞬で周囲の敵を無力化し、小爆発を起こすと弾き飛ばした。神剣を手に戦う剣一は眩い光を発し続ける。その姿は正しく勇者であり、ユトピアの希望である。
「いくぜっ! マルテリオット!」
両手でロワールを掲げると、その背に小さな太陽を創り出し、剣とともに堕ちた。
爆炎と爆風が巻き起こる。だが、不思議なことに味方には何の被害も及んでいない。剣一が味方と認識している者にはその猛威を振るわず、敵にのみ天災の如く暴威をふるった。
「どぉよ! 俺だってまだまだやれるっすよ!」
「うん、すごいすごい。だから、油断しないでね」
そうはしゃぐ姿を微笑ましく思うが、まだまだ戦闘中である。注意を怠ってはいけない。
後方から放たれた青い閃光と、雷が二人を狙う敵から身を守る。大洋と将司の二人がいるからこそ、安心して戦える。だが、それは狼の尾を踏む行為に等しく、その怒りを買った。
「貴様ら、許さんぞ。報いを受けるがよい!」
黒い炎を纏った双剣から、圧迫するような殺気の前に動きを止めた剣一を庇うために優希が前に出た。
拳を覆うように装着された籠手の上を黒い火花を散らしながら滑っていく。拳聖へと至った優希の技量を以てしてもその全てを受け流すことは出来ない。最高級の素材を使って作られた籠手には二つの深い線が刻まれ、その傷跡には黒炎が燻り、燃やし尽くさんと蠢いている。
「どうした! 臆したか、勇者ァッ!」
裂帛の気合とともに黒炎の勢いはますます激しくなった。
優希はじりじりと後ろに下がりながら、追い詰められていく。
「マズイな。そろそろ頃合か」
辺りを見れば、剣一が敵に与えた影響は大きく、アイザックの出現によるパラディオ軍の士気上昇を許したにもかかわらず、何とか拮抗していた。この状態を崩し、勝利を手繰り寄せるためには後一手必要だった。
銃口を上に向けると、光弾を打ち上げた。奇襲の合図だ。
そのすぐ後に、それに応える動きがあった。
「な、なんだ!?」
大洋は取り乱した。パラディオ軍のさらに奥から大きな魔力を感じたのだ。
大気を震わせ、この場にいる誰よりもその存在感を感じさせた。それどころか、魔力の解放だけで恐慌状態へと陥らせるだけの存在。竜でも目覚めさせてしまったかと思えるほどの圧力。
その圧力が弱まった時、世界が黒く染まった。
魔王が動く。