あたらしい朝らしい
朝に事件は起こった。
バコーン!!バキバキ!!!と謎の音で天仁は目が覚めた。音のした方を見るとミュレがぽかんとした顔でドアがあった場所に佇んでいた。
「ご、ご主人様。ドアが・・・飛んでいきました」
すると音で起きたのか天仁のベッドからカイセとムールがもぞもぞと出てくる。
「い、一体何事だ?」
「ねむ・・・い」
カイセとムールが正反対の反応を見せる。
「ど、どうしましょうご主人様、なにがあったのでしょう!?」
「とりあえず落ち着いてミュレ」
ミュレが落ち着くまで時間がかかった。ムールは二度寝していた。
リビングに集まる一同。
「それじゃなぜドアが飛んだかなんだけど、どう見てもミュレがふっ飛ばしたようにしか見えなかったんだよね」
「い、いえ!私はそのようなこと!」
「わかってるよ。とりあえずステータスカードを見てみよう?カイセとムールもね」
「わかりました」
「おう」
「あいー・・・」
天仁はある程度予測できていた。おそらく眷属とみなされステータスが強化されのだろうと。
”ミュレ” 女
筋力 4
強靭 4
法力 4
魔力 4
俊敏 3
属性
火、水、風、光、闇
固有能力
『万能』たいていのことはすぐにこなせるようになる。物覚えがすごく良くなる
”カイセ” 女
筋力 3
強靭 3
法力 5
魔力 4
俊敏 4
属性
火、土、風、光
固有能力
『天武』あらゆる武器を使いこなせる
”ムール” 女
筋力 5
強靭 4
法力 3
魔力 3
俊敏 4
属性
火、水、風、土、闇
固有能力
『古代の魔法図書館』好きな魔法を閲覧・発動できる。魔法の能力での検索等も可能
(すごい。固有能力まで引き継いでる)
事態を唯一把握している天仁は素直に感心していた。
一方眷属3人はあたふたしていた。
「い、いったいなにが起きたんです!?」
「わ、わたしものすごく強くなってる!?」
「・・・つよく・・・なった?」
ふと自分のステータスが気になったので天仁は自分のステータスを確認する。
”テンジン” 男
筋力 2
強靭 2
法力 2
魔力 2
俊敏 2
属性
火、水、風、土、光、闇
固有能力
『伝説の魔法図書館』好きな魔法を閲覧・発動できる。魔法の能力での検索等も可能。魔法を創造することができる。
『武神』あらゆる武器を使いこなせる。戦闘において多くの補正がかかる。
『究極の万能』たいていのことはすぐにこなせるようになる。物覚えがすごく良くなる。上達速度がかなり上がる
『上にたつもの』自分の眷属の能力を大幅に上昇させる。
(お、ちゃんと表示されるようになった・・・ん?なんか固有能力が進化してる。元が強すぎてあんまりピントこないけど)
眷属ができたことでバグって表示された部分が改善し、なぜか能力まで上がっていた。
眷属とみなさられる条件はいくつかあるが、前提条件として敬意・好意を持っていることがある。
そして別の条件を満たすと眷属とみなさられる。今回は肉体関係を結ぶ、だ。
前日の夜に少女たち3人が寝室に尋ねて来て
「ご主人様わたしたちは・・・」
「その・・・なんだ」
「慕って・・・る」
と言われ初夜が4人で、というなんとも贅沢な夜を過ごしていた。ベッドには3人分の破瓜の血で染みができている。
天仁はなんとなく結ばれたからだろうなぁ、と考えている。
それぞれの心情
――天仁――
眷属の能力大幅に上がりすぎだなぁ。予想以上でびっくり。
魔法を創造できるって・・・。それはもう図書館じゃないような。
武神ねぇ。これ以上戦闘能力上がってもあんまり意味が無い気がするよ。
とりあえず、みんなには手加減を覚えてもらわなきゃね。
――ミュレ――
ス、ステータスが大変ことになってます!?
これは大変なことでは無いでしょうか!
ご主人様を超えてしまっていては申し訳ございません。
いえ、私がご主人様をお守りするのです!
――カイセ――
どんなだけでたらめなステータスだい!?
もしかして私は神様の生まれ変わり・・・?
さすがにそれないか。それでもそう思いたくなるステータスだよなこれ。
ん?もしかして主より強いんじゃ?主に稽古をつける、それも悪くない。
――ムール――
強くなってる。ビックリ。
ご主人に・・・魔法を教えてあげよう。
それがいい。
そうしよう。
強くなっとはいえ天仁に対する敬愛はまったく失せていなかった。
信頼を勝ち得ていなかったら、慕われていなかったら同じ結果になっていなかっただろう。
「ご主人様!たとえこのようなステータスになってもお仕えいたします!」
「私が主を守ってやるよ」
「魔法、教えて・・・あげる」
自分たちはとても強くなってしまったけども気持ちは変わらない、という気持ちを伝える3人。
「あぁ、そういえば俺のステータスを見せてなかったね。ほら」
天仁は自分のステータスを見せる。ありえないステータスを。
「ご主人様は神様だったのでしょうか?」
「私もそんな気がしてきた」
コク、と頷いてムールも同意する。
神様を超えてるステータスを目の当たりにしたのだ。むしろよくここまで驚かずにいられると褒められるだろう。
「さぁ、とりあえず今日は手加減の修行をしよう」
手加減の修行など3人は聞いたことがなかったが必要だろうと納得する。
こっちに来てから驚かれてばかりだなぁと脳天気な天仁だった。