表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

二人の恋人シリーズ

二人の恋人

作者: 尚文産商堂

高校生の俺は、何の変哲もない、文化研究部なる部活に所属していた。

なんでも、比較文化研究を行うだけの部活なのだが、それゆえだろうか、人気が全くなかった。

2年生に上がった俺は、どうにかして部活を存続させようと考え、引退間近の部長と共に、やっと2人の女子部員を入部させることに成功した。

そして、1ヶ月後、ひっそりと部長は引退した。


それからはかなりのんびりと部活をしていた。

といっても図書館から本を借りてきて、あーだこーだ話し合うだけの部活だから、それぞれが自然と仲良くなっていく。


部長引退から2ヶ月後、いつも通りに高校へきた俺は、下駄箱の俺のところに、封筒が入っているのを見つけた。

いわゆるラブレターというものらしい。

ゆっくりみようと思い、いったんポケットにしまって、教室へと上がる。

机の中を確認すると、そこにもラブレターがあった。


授業中、そのラブレターを二つとも開けてみた。

後輩たちから、今日の放課後に部室で待ってるという内容だった。

待ち合わせ時間も同じときた。

どうしようかと考えながら、のんびりと考えることにした。


時間はあっという間に過ぎ去って、もう放課後となった。

どうしようか考えながら部室へ向かうと、中から口論の声が聞こえる。

「来たぞ、二人とも」

ドアを開けて、中にはいると、後輩二人が部屋の真ん中で机を挟んで言い争っていた。

俺が入ってくるとすぐに喧嘩を中断し、俺を見つめて言った。

「先輩!あたし/私のどちらと付き合ってくれますか!?」

見事なハモりっぷり。

再びいがみ合う二人を見て、慌てて俺は言った。

「二人とも好きだから、ここで決めてっていうのは無茶だ。とりあえずは喧嘩をやめろ」

俺の言葉を聞いておとなしくなったが、すぐに一方的な宣言が後輩の片方からあった。

「じゃあ、勝負よ!先輩がどっちを好きになってくれるか、どっちとちゃんと付き合ってくれるか。この1年で決めてもらいましょ」

「のぞむとこよ!」

二人はキッと俺をにらみつけてきて、そう言い放った。

大波乱の予感しか、感じなかった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ