じゃがバタ
即席で作りました。がさつな作品になってしまいました。
カキ氷はみぞれ味が好きだ。
私の友人はみな、ただの
砂糖だとあまり好んでいない。少し、心細い。
しかし、みぞれ味は屋台などにあまりなく、そこでは大抵、レモンを頼む。
カキ氷の嫌いなところは、すぐ溶けること。
口の中が着色されてしまうこと。
こぼれるとべたべたすること。
私はそのデメリットを受け入れて、毎回カキ氷を食べている。
だって、個人的にはソフトクリームのほうが好きだもの。
彼と始めてお祭りに行ったとき、カキ氷はなんの味が好き、と聞かれた。
みぞれ、と答えると、珍しいね、と微笑んだ。
彼は私にみぞれのカキ氷をくれた。
その屋台にはみぞれがおいてあったらしい。
「甘いの好きなの?」
「甘党なの。次はねぇ…」
私はまた目当てのものを探し出す。
綿あめ、りんご飴、チョコバナナ…。
「おいでよ」
彼に誘われる。
ハーメルンの笛吹き男のようだ。
私の体は、意識もせずに彼の元へいっていた。
「君の望む物をあげるよ」
彼は私の手を優しく握るのだ。
冷んやりとしているのに、温もりのある手。
「私はね、」
私はどうしても欲しかったんだ。
望んだんだ。
あなたが隣にいてくれることを。
「じゃがバタ食べよっか」