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僕らの革命 【改訂版】  作者: 片山 碧
9/45

6時




昨夜は一睡もできなかった。


精神が高ぶっていたのもあるがしなければならない事も沢山あったから。

…どちらにしても眠れなかっただろう。


僕の部屋にあった物は何日にも分けて少しづつスーパーやコンビニのゴミ箱に捨てて来たから大分ガランとしていたよ。



本も服も殆ど捨てた。


部屋を見渡してもう戻る事も無いんだなぁと思うと悲しくなった。


こんな事に何故なってしまったのだろう。

パソコンからメモリースティックに僕の画像やサイトのコピーを移して、ハードディスクの内容を全て消去してパソコン自体も初期化した。




ただでは済まさない。


絶対…



ユ ル サ ナ イ



5時半になったから予定通り友田に電話を入れて最終的な打ち合わせをする。


今日の打ち合わせを済ませた後で、友田が興奮して昨夜は眠れなかったと言った。


みんなそうだろうな。



時間が来て下に下りると母親は朝食の用意をしていた。


「あら、今日は早いのね」


いたって普通の対応に何だか胸が苦しくなった。


父親は今朝は僕が電話してる間に既に仕事に出たらしい。

なんだか残念な様な…それでいてホッとした様な変な感じがした。




欲しくは無いけどご飯を詰め込んだ。

出来るだけ感情を入れずに食べたよ。気持ちを入れたら泣いてしまいそうだったからね。

僕の食べた食器を片付けながら母親が言った。


「清、学校頑張ってね」


「うん」

何だか寂しくなった。

正直中止しようかと思った。


勿論止めるわけにはいかない



「そうそう。母さん、今日から釣りのサークルに入るんだ。友達のお兄さんが車で荷物を運ぶのを手伝ってくれるんだよ。」

そう言って古い釣り竿バックとダンボールを玄関先に運び出す。

中はもう一丁の散弾銃と弾薬だ。


運び出す僕の姿を見て嬉しそうな顔をしてる母親…部屋に閉じこもってばかりいるより外出する事を喜んでくれてる…。


イジメの前なら『そんな時間はあなたにはないでしょ!』と怒られたはずなんだけど。


怒られてた頃の方が幸せとか…なんか変だよな。





予定時間通りに僕が外に出るとヨシのセダンが家の前に停まった。

武器や弾をトランクに積み込む。

母親が玄関先まで出てきてヨシに頭を下げた。


ヨシも笑って頭を下げてから車を出す。


母親は車が動きはじめると家に入って行った。


助手席の窓から振り返って遠くなる家を見てた。



もう戻らない…戻れない…



信号待ちでヨシが後ろの座席の足元に置いてあったバックを取り出した。


「見てみなよ。」


竿バックのチャックを少し開くと銃身と銃床を切ってコンパクトになった散弾銃が入っていた。


「これで本物の武器…ショットガンになったんだ。

この前、山ん中まで行って試射もして来た。

散弾、かなり広がるから扱いは気をつけろよ。」


「…撃てて良かったよ」

暴発とかしたらどうしようかと内心ビクついてたんだ。


「少し油切れで渋い動きだったけど手入れしたら絶好調。これは詰めた分だけ軽いからガモが使ってくれ」


「じゃあヨシは僕が持ってきたのを。

手入れしてない…と言うか手入れの仕方が解らないから頼む」「ああ。あとで手入れするよ。

それからこの前の話し合いで決まった俺の用意する分はトランクのダンボールに入ってる。」


「ありがとう。」


「ああ」


ヨシはそう言って笑った。


僕は車内で制服の上を脱いでポロシャツに着替える。

さすがに制服で街をうろつく訳にはいかない。

その後は二人は何も話しないで隣町の駅前まで向かった。


車窓から見る景色は何時もの街並みのはずなのに何だか初めて来た街みたいに見えたよ。

デジャヴの逆みたいな…


なんだか明るくて楽しそうに見えたんだ。




隣町の駅前でクーを拾う。


黒いパーカーに迷彩のショートパンツ。黒い帽子を目深に被って大きなバックを肩に掛けてる。


「おはよ」


クールに言って車に乗り込む。


「クー、頼むな」


「ああ。あたしは裏切らないって言ったろ?」

そう言ってタバコに火を点けた。


次に更に隣町の私鉄の駅に行ってまーくを拾う。


地味めな黒っぽいシャツの色がそう見せるのか、疲れてるのか色白の顔色が更に悪く見えた。

多分体調も良くなかったんだと思う。



まーくはダンボールを一箱持っていた。

割り当ての物が入っているのだろう。


4人は近くの24時間営業のスーパーに寄って食料を調達した。



ペットボトルの飲み物や日持ちする食べ物を買う。



買い物の後、スーパーの駐車場の車内でヨシから散弾銃の使い方のレクチャーを受けた。

ヨシは自分が使う銃の手入れを簡単にした。


「ミロク製作所…こっちの方がモノはいいよ」

そう言ってヨシは笑った。


車内で散弾の違いについて説明を受けた。




隣接したファミリーレストランに行く。


予定時間が来るまでは打ち合わせを兼ねてそこで時間を潰すんだ。


席に付いてみんなを見渡すと、みな落ち着かない様子だ。


僕は欲しくは無かったけど、敢えてみんなの意見も聞かずにいきなりハンバーグを注文した。


みんな目を丸くして、そして笑った。

「朝からイクねぇ」とヨシは言った。

ヨシは笑いながら「じゃあ俺も」と言ってカレーを注文。

まーくとクーはサンドイッチを頼んだ。



少し笑った事でみんな落ち着いたみたいだった。


良かった。


神経質になりすぎてたら上手くできる事も出来なくなる。


勿論僕も。


イライラしたりするのも仕方ないんだ。

だって社会と普通に接点を持てるのはここまでだから…。



味の無いハンバーグを食べた。

みんなが食べ終えわるのを確認してから、最終的な打ち合わせをする為に学校の見取り図を広げる。





「じゃ、最終的に確認するよ…」





僕は話し始めた。





遂に始まるんだ。




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