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僕らの革命 【改訂版】  作者: 片山 碧
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怒り



その日は携帯の番号とアドレスを交換して別れた。



帰り道思い返す。


僕が友田くんに そう言った時、笑ったんだよ。心底嬉しそうにさ。

きっと仲間ができて嬉しかったんだよ。

僕も嬉しかった。



僕にとってはやるべき事が出来たのも嬉しかったんだよ。


家に帰ってからはどうやって復讐してやろうかと考えたよ。

気付いたら顔がニヤケてるんだ。

武田や伊東や田頭が本気で反省して、僕にしてきた事を悔やむ様にするにはどうしたらいいか。

でも、今まで僕がされてきた事をあいつらにそのまましてもダメだ。


もっとキツい事をしてもらわないと。


夕食を食べても風呂に入ってもずっと考えてた。

でもさ、夜中になるとちょっと冷静な自分が出てきたんだ。

『相手を虐めて潰したら、僕はあいつらと同レベルだぞ』って。

『高尚で立派な理由なんていらないけど、単に虐め返しただけじゃ意味ないだろ』って。


…やっぱり復讐なんてしちゃいけないのかな… そんな気持ちも出てきた。

単に消えるんなら誰にも迷惑かけないだろうし…。



でもその気持ちはすぐに払拭された。


サイトに今日の画像がアップされてたから。

いつもみたいに細い目線は入ってるけど頭から緑色の水を被ってなさけない格好で力無くカメラを見ている自分。


その自分の画像を保存した。

階下から聞こえる両親の喧嘩の声も追い討ちをかける。





そう。気持ちが萎え掛かったら画像を見たらいいんだ。


怒りの力は強い。

僕はその怒りの力で奴らに鉄槌を下すんだ。




深夜友田からメールが来た。


《色々考えてるよ。なかなかいい手段がなくて…と言うかありすぎて(笑)》


やはり同じように考えてるんだなと思った。


僕はメールを返したんだ。


《もっと仲間が欲しい》って。


そう。僕は思い付いたんだ。

何をしたらいいのかを。


どうせ消えるなら大きな事をして一花咲かせてやろうってさ。


《仲間って俺たちみたいに虐められてる人だよね?

俺、サイトでイジメの被害者サークルに入ってるんだよ。

何人か思いあたる人がいるからそれとなく誘ってみるよ》



そう。同じ痛みを受けてきて傷つき、心から血を流してるのにどうにもできない思いをしてる仲間が欲しい。

その気持ちを怒りの力に変えたいんだ。


《頼むよ》


そう送信した。


僕はノートを出して計画を立て始めた。


舞台は決まってたんだ。




学校だよ。




 

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