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只今混沌の淵にて  作者: サイカ
第一章:ファンファーレ
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第7話 アッシーちゃん、ゲット!

◆◆◆


 下を見下ろすと、一面に広がった緑のマット───上から見る草原───と白い綿あめのような雲とそのバックの青々とした空が見える。

「うわぁ~。高いですね」

 アスターは身を乗り出し、下の景色を眺めている。

「どうかの、乗り心地は?」

「…最高」

「揺れないんだな」

 ヌエル───それは種族名で名前はスペクターと言うらしい。ペクちゃんとか、リリスは呼んでいた。〈エア・キック〉というスキルで、空気を足場にして駆けているらしい。

「風がちょうどいい感じに吹いてて気持ちいいなぁ」

「風もアスターさんが張ってくださった結界で弱まっておりますからね」

 イキシアはマップを表示し、現在地を確認する。

「このままだと30分後に着くみたいだ。」

「もうシアン! って今度のはまだフラグまでは行ってないかな。シアンに学習能力、あったんだ‼」

「リリス様の前での若様は、そこまでぐうたらされているのですか?」

「あー、お兄ちゃんは基本的にゲームしかしない、引・き・こも・りだよ」

 リリスとベリーはわちゃわちゃと会話を楽しんでおり、アスターも何気に耳を傾けて混ざっている。


「聞かないのですか?」

 しかし、突然ベリーは話を切り上げ、この場に似合わない真剣そうな声を出す。その顔は俯きがちで、はっきりとは見えないが、暗い顔をしているのだろう。

「まぁ興味はあるが、別に今じゃなくともいいと思うぞ。それに呪いについては面白い。こちらも大いに興味があるから、大歓迎だな。」

 おそらく、ペクが言っていた聖女の話だろう。もともと、おかしいとは思っていた。子どもなのに、経験豊富で役者。それに、普通のNPCにはあり得ない、頭のキレ───つまり搭載されているAIの性能が高すぎること。

「そうそう。誰しも、秘密の1つ、2つ、3つくらいは持ってるって」

「1つ、2つ、3つって……。でも、そんなに重く考えても気分が落ち込むだけだしね」

「自虐みたいになってしまいますが、私も記憶がないから、ベリーさんよりもよっぽど信用できない訳で……それに、イキシアさんだったら、別にそんなこと気にしないと思います。」

「えっ? シアン、記憶喪失の少女、攫ってきたの?」

「犯罪だな」

「本当に犯罪の匂いしかしないじゃん。えっと、あれだよね。乙女ゲーで箱入り娘をそそのかす……」

「イケメンクソ野郎だ」

「うわ~。アスタちゃん大丈夫?」

───それにしても、俺をディスって、雰囲気を和ませるってどういうことだ。やめないか?

「ふふふ。ありがとうございます」

 ベリーは吹っ切れたのか、それまで緊張でしていた怖い顔をいつもの柔和な笑みに変えた。

───まぁ何であれ。気持ちが楽になったらしく、何よりだ。


「とりあえず、皆のステータスを共有しておこう。お互いに何ができるのかは知っておいた方がいいだろう。」

「まず、俺からしよう」


【ステータス】

《プレイヤーネーム》イキシア

《種族》人造人間ホムンクルス

《レベル》1(174)

 HP17/40 MP23/40 EP146


【ボックス】

〈アイテムエリア〉《所持金》金貨50枚

         《アイテム》毒斧、短剣、サーベル

〈スキルエリア〉《特殊スキル》効率エフィシェンシーLv.2

        《耐性》毒Lv.5

        《スキル》「念力Lv.3」「詠唱Lv.1」「想像Lv.4」「幻想Lv.0」

            「類縁Lv5」

        《魔法》「大風Lv.10」「回復Lv.4」「青嵐Lv0」「泡沫Lv.0」

        《称号》効率厨 超奇抜


「効率厨……確かにお兄ちゃんらしい」

「超奇抜」

「ふふっ、超獣の中に入って体、破壊し尽くしておりましたからね。」

「EPが結構余っているのは、スキルのレベルが10にカンストしたら、解禁される魔法が増え、取得できる魔法が増えるからだ」

「だよね。欲張って手広く浅くやって中途半端になるよりも、解禁された時に効果が強い魔法をとれるように貯金しておくほうがいいってことでしょ?」

「ただその場合、地獄だぞ。」

「まあそうだな。序盤をその軟弱な数少ない魔法で乗り切らなければいけない。」

「さっきも言ったけど、〈類縁〉のおかげでフレンドチャットのようなものができるようになった。つまり、空中移動ができるようになった。」

「くー。妾はせっかくのぐうたら生か───ゴホン。この草原で生活しようと思っておったのに」

「俺たちもいつでもこっちにいるわけじゃない。1週間に2日は休めるだろう」

「〈効率〉のおかげで魔法は、ある程度融通が利くし、特殊スキルや魔法のレベルが上がるとMPの消費量も減るという仕組みだ。それと知っての通り、俺は近接戦闘もできなくはないが、魔法の方を伸ばすつもりだ。ただ、このメンバーだと前衛職がいないから、しばらくは俺が前衛の役割をこなそう。」

「了解」

「ラジャー!」



「じゃあ、次は私かな」


【ステータス】

《プレイヤーネーム》アマリリス

《種族》樹人族エルフ

《レベル》2(256)

 HP28/45 MP45/45 EP143


【ボックス】

〈アイテムエリア〉《所持金》金貨20枚

         《アイテム》弓

〈スキルエリア〉《特殊スキル》万能オールマイティLv.3

        《スキル》「遠視Lv10」「射手Lv10」「ターゲットLv0」

            「ピアスLv0」


「〈万能〉っていうのは、アイテムの制限を1つどれでも失くして使えるらしいよ。これはインターネットで調べたんだけど、結構レアらしいんだ。」

「なるほど、かなり高性能ですね」

「えへへ。あと、解禁されたスキルはカタカナなのかもね。遠距離攻撃が得意だから、後衛職になるのかな。サポートお願いね」



「次は僕だ」


【ステータス】

《プレイヤーネーム》ローダンセ

《種族》精霊スピリッツ

《レベル》2(213)

 HP23/30 MP12/60 EP193


【ボックス】

〈アイテムエリア〉《所持金》金貨15枚

         《アイテム》短剣

〈スキルエリア〉《特殊スキル》暗躍コバートLv.1

        《スキル》「念力Lv.2」「詠唱Lv.2」「想像Lv.3」

        《魔法》「火気Lv10」「回復Lv2」「狼煙Lv1」


「〈暗躍〉はインターネットで調べたが、良くわからない。実感もないな。」

「たぶん、俺と同じで見つけられてないんだろう。」

 心の中ではやさぐれているはずだが、それをあらかじめ知っているイキシアにしか分からないくらいの上手い隠し方だ。リアルに訳アリな影野にピッタリだ。それにしても、この特殊スキルというのは本当に正確すぎて気持ち悪いくらいだ。確実に数々の地雷を踏みぬいているに違いない。

「僕は魔法特化だから近接戦闘は苦手だ。」



「次は私?ですか」


【ステータス】

《プレイヤーネーム》アスター

《種族》突然変異人形レアマリオネット

《レベル》64(11)

 HP634/640 MP165/640 EP11


【ボックス】

〈アイテムエリア〉《所持金》金貨50枚

         《アイテム》サーベル

〈スキルエリア〉《特殊スキル》特別スペシャルLv.47

        《称号》エラー


「すみません。特殊スキルはローさんと同じで効果は分かりません」

「自分が使える技は全部思い出せるのか?」

「今すぐには思い出せませんが、その状況に面してみると使い方をぱっと思い出します。例えば、先ほどの大技も今はその使い方は分かりません。」

「そっかぁ。一応、プレイヤーネームって表示されてるけど、完全にプレイヤーって訳じゃないってこと? ログアウトとかも知らないんでしょ?」

「はい。ログアウトというのは見当たりませんでしたし、私も知りません。」



「では、最後はわたくしが」


【ステータス】

《キャラクターネーム》ジューンベリー

《種族》狐族フォックス

《レベル》5

 HP78/120 MP60/60


【ボックス】

〈荷物〉《所持金》金貨100枚

〈スキルエリア〉《種族スキル》狐姫フォックス・プリンセス

        《スキル》「王族Lv10」「姫Lv0」「???Lv0」


「まさか、私たちよりもステータスが高かったとは思わなかったよ~。」

「やはり、このゲームは無理ゲーだ。」

「小学校入るよりも前なのに、俺たちよりもレベル高いのか。現地人は相当強いらしいな。それで、ベリーはスキルを自分で取得できるのか?」

「いえ。ステータスは見えますが、操作することはできません。おそらく、その生き方によって反映されていくものかと」

 アイテムエリアがなく、荷物として服に入れて、持っているため、アイテムエリアも使えないようだ。

「へぇー。そういう意味ではアスタちゃんはNPCに近いのかな? いやでも、アイテムエリアないよね。」

「……」

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