第一章7 『生意気な勇者とロリ』
「王様。勇者が謁見を希望しております。通してもよろしいでしょうか?」
わしはこの街の王である。この街は、冒険者も多く立ち寄り、何より名産品を輸出していることにより、しっかり経済が回っている。だから、税金くらい、少し高くかけても、民の不満は小さい。だから、金は掃いて捨てるほどある。故に、わしは偉い。
といっても、最近は暇だ。なぜなら、最近上質なロリと遊べていないからである。
正直、勇者とやらには全く興味がないが、門前払いにしてしまうと、色々と面倒な噂が立つだろう。
それに、勇者に頼めば盗まれた家宝を取り返してきてくれるかもしれない。もっといえば、勇者をわしのせがれに嫁がせて、好きに勇者を動かせるようにしておくのも良い。
「通せ」
部下はハッと返事をして、すぐに扉の奥から二人組を連れてきた。
「こんにちは」
勇者と思われるやつが言った。その後ろに頭ひとつ分低いローブを被った奴もいる。
「よく来た。楽にして良いぞ」
面倒臭いが、最初の印象というのは大事だ。出来るだけ愛想良く接してやる。王たる者、演技もしっかりできなくては務まらない。
「いきなりすみません。この街に着いたので、ご報告と言いますか、挨拶をしておこうと思いまして」
土産の一つやひとつやふたつ持ってくると思ったのだが、ないようだ。面白くない上に、使えない。こんなのが魔王など討伐できるのか不安になってくる。
一応、世界の期待を背負っている輩だから、もう少し良くしてやろるか。
「もう少しこっちに来い」
「はい」
勇者の顔がはっきりと見えるようになった。ローブを被っているやつの顔も見たいが、なかなか見えない。
2人は自分が座っているところの前の段差のところで止まった。ローブのやつの顔が見たい。見え隠れする髪は女の子のもののように見える。もしかしたら掘り出し物やもしれない。
「こっちまで来い」
そう自分が言うと2人はこちらに歩いてくる。しかし、ローブを被ったやつが段差に躓いた。それによって頭のローブが外れ、顔が見えるようになった。
やつは顔を上げて言う。
「す、すみません」
めちゃくちゃ可愛い。これまでみてきた中で一番好みに合っている。どうしようか。
いい土産を持ってきているじゃないか。
今夜にでも自室に連れ込んでお遊びをしようか。
その子は隣の勇者に支えられながら立ち上がって、こちらまできた。
その子の顔をまじまじとみてしまう。このままだといけない。近くに寄れせたからには、勇者に何か言葉をくれてやらない。
だからわしは勇者とその子の肩に手を置いて言う。
「勇者と、その仲間よ。君たちは世界の期待を背負っている」
自分の欲望を抑えきれなくなり、肩に置いた手をだんだんと下ろして、その子の尻を触る。勇者の方は、仕方なく手を握って自然な形に。
「必ずや、魔王を倒して見せるのだぞ。みんながお前らを応援している」
ローブを着ているので、あまりこの子の肌の柔らかさなどが伝わってこないのが残念だ。
「もちろん、私もその1人としてな」
やはり、今夜はこの子と遊ぼう。ここにきたというのは、わしと遊ぶ運命だったのだろう。
「はい。必ずや、倒して参ります」
そう勇者は言ったがそんなの全く興味がない。
「よし。下がっていいぞ」
そういうと、2人は下がり始めた。なので、思い出したというふうにその子を引き留める。
「ああ、君」
手がお尻から離れる前に振り向いて戻ってきた。その時に、少し勇者もこちらを向いたが、段差の先まで下がっていった。
その子が元いたところまで戻って来たので変わらずお尻は触って、もう片方の手はその子の頭に乗せる。
「大変な旅になるとは思うが、しっかり勇者を支えてやるんだぞ」
念の為に本題に入る前に思ってもいないことを言う。一応、その延長線として誘うんだ。
「ところで、今日の夜。私と遊ばないかい?」
くらいついてくるだろうか。こなかったら金でもなんでもやろう。
「国家予算、3年分を請求します」
「は?」
それは、遊ぶなら金をくれという意味だろうか?足元を見おって。というか足元どころか、頭の上を見られているようだ。国家予算3年分なんて簡単に出せる額ではない。
一旦冗談ということにして、もし、遊ぶなら欲しいものをあげるとでも言おうか。多分乗ってくるはずだ。
「……冗談だ」
「そうですか。でも、私は対価なしに勝手にお尻を触らせるわけにもいきませんので」
なんなんだ。一旦このロリから手を離す。
「代わりに、お命でお支払いしても構いませんよ?」
このロリ、可愛いが少し難ありだ。そして、このようなことをニコリともせずにいう。正直言って怖い。
しかし、初めてロリが表情を動かして、ニコリとした。
「どちらがよろしいですか?」
その瞬間鳥肌が立つ。顔が引き攣っているのが自分でもわかった。身を貫かれるほどの殺意を感じる。
そして、そのロリの皮を被った化物は言う。
「じょーだんです」
それだけ言い残して勇者のところまで下がってしまった。
せっかく良い子を見つけたと思ったのに、なんなのだこいつは。無性に腹が立ってきて、何かさせてやらないと気が済まない。
「お前らに頼みたいことがあるのだが、いいかな?」
「私たちの出来うる範囲であれば」
よし。愚かにも乗りやがった。このお願いを受けて生きて帰ってきたものはいない。どうせなら死んでもらって、このような輩を派遣した奴らに恥をかかせてやろう。
「少し前に、魔物たちに家宝が盗まれてな。それを取り返してきて欲しいんだ。大体場所は分かっているんだが、お願いしたい」
「分かりました。報酬は」
報酬?何故そんなものを求める。私はお前らにお願いをしていると言うのに。
そして、ロリが言った。
「国家予算3年分ほど出していただければ、頑張れますけど」
可愛さに乗じて、うーん。そうだよね。と言ってしまいそうになる。
勇者なんかは下を向いてわしと目すら合わせていない。なんと生意気な……。
「国家予算は流石に無理だ。代わりに何か欲しいものがあるとかなら、好きなものを与えるが」
こいつらが動けばこいつらは死ぬか、家宝が手に戻ってくる。必ずわしが得できるのだ。そのためになんとかこいつらを動かしたい。
「そうだなマイは何かある?」
いつのまにかこちらを向いていた勇者は賢者の方を向いた。賢者は考え込んでいるそぶりを見せる。
「魔道具が欲しいですね。あと、」
マイと呼ばれたロリはそう言って勇者のズボンのポケットを漁り、一枚の紙切れを取り出した。しかし、その紙切れが何かわからないので持ってこさせる。
「これを払っていただきたいです」
その紙切れに書いてあったのは装備の錬金の代金。庶民からすればまあまあの大金だが、王である自分にとっては別に大した金額ではない。しかし、少し揺さぶりをかけてみる。
「どちらか一方ならいいぞ」
どのような反応をするか。
「家宝ってどれくらいの価値があるんですか?やっぱり、宝石とかたくさんついていたり?」
女の子なだけあり、そういうのには興味があるのだろう。
少し話が逸れているが、このまま自慢話をしてもいい。
「もちろん。絵の部分にはおっきいルビーが付いてるぞ。それに」
「では、売ればその錬金代と、魔道具代を合わせても、釣りが出そうですね」
口を挟んだかと思えば、そういうことか。家宝の価値を聞き出して、それを……。こんな奴らが勇者一行とはどういうことだ。
「まさか、死んでこいと言っているわけではありませんよね?」
ずっと口を開かなかった勇者が言った。
「失礼ながらも、国王様が私になされたことを、裁判にかけても良いのですよ?もちろん何のことかわかりますよね?国家予算3年分を賠償金として請求するやもしれませんねー」
このクソロリが。喋らせたら調子に乗りおって。しかし、私の悪行が世に出るのもまずい。
「わ、わかった。それは払ってやろう。魔道具も買ってやる」
「錬金代はもう支払い済みなんで、大丈夫ですよ」
勇者が言いやがった。
「すみません。ちょっとから買っちゃいました」
ロリ。今更可愛こぶっても……。
ロリの目に射抜かれる。
許してあげよう。
じゃない!
こんなにもコケにされたのは初めてだ。
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