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魔界の大きな木の下で  作者: 日井薫之介
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プロローグ

本作品は物語の舞台設定上、

幼児教育や発達段階の言及、しつけや病気、家庭環境等の描写が登場予定です。

現実世界に起こりうることや実際の事例、時代の変化により、作品内描写として現実では望ましくない展開となることもございます。

また、ファンタジー要素を含む架空の世界での描写となるため、不適切と思われる描写も登場するかもしれませんがご容赦ください。


それらを踏まえた上で、本作品を楽しんでいただければと思います。



――薄暗い部屋の中



「ねぇ、今日はわたしと寝ましょ?」

「だめニャ!今日はウチと寝るのニャ!」


俺の手を引っ張り、取り合いをしているのは

妖艶な女性魔族サキュバスと天真爛漫な猫型獣人のワーキャット



の子どもだ。



ここは魔界に住む様々な種族の子どもたちを預かり、幼児教育と保育を行う施設


 「キノスク魔界こども園」


その遊戯室である。



今は子どもたちのお昼寝の時間。

先ほどのやり取りは、寝るまで傍に付いていて欲しいという園児による先生の取り合いだ。

遊戯室には大量の子ども用布団が並べられ、

遮光カーテンが閉じられ、部屋を薄暗くしお昼寝のための環境作りが整っている。


「は~い、みなさん自分のおふとんに入りましょうね~。」

おっとりした女性の先生の声掛けに促され、

子どもたちは各々自分の布団に移動する。


「先生、からだポンポンして?」

「ウチも!ウチも!」

先ほどの子どもたちにせがまれる。

「順番にしてあげるから、静かに目を瞑って待っててね。」

呼ばれた子の場所へ行き、胸のあたりを優しく一定のリズムでポンポンとたたいてあげる。

次第に子どもたちは寝息をたて、眠りに落ちていく。

「先生、先に休憩してください。ここは私が見てますので。」

「わかりました。少しの間お願いします。」

女性の先生に促され、遊戯室を後にする。



ぐっと背伸びをして軽く息を吐く。

ここに来て約1カ月、ここでの生活や職場にもだいぶ慣れてきたが、

まだまだ戸惑うことの方が多い。

仕事の忙しさで考えてる余裕があまりないというのが現実だが、

一息つけるタイミングで必ず考えてしまうことがある。


自分はこの世界の住人ではないということ、

「魔界に召喚された」ということを思い出すのである。

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