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51 陛下の生誕祭

 今日は国王陛下の生誕祭である。貴族は全員参加の華やかな舞踏会に向けて私は支度をしている。


「お嬢様、とてもお美しいです。全身デーヴィド様色に染まってますけど」


 うふふとユリアは悪戯っぽく笑いながら、嬉しそうに私に化粧をしてくれている。


 今回デーヴィド様がパートナーになってくださることになり、彼の瞳と同じエメラルドグリーンのドレスと宝石をプレゼントしていただいた。


 二日前に想いが通じた私達は、もともとはパートナーになる予定ではなかった。彼は「本当はオートクチュールで作りたいが、流石に間に合わない」と嘆いていらっしゃったが、届いたドレスは今王都で予約の取れない一番人気のデザイナーの物であった。

 どれだけの費用と力を使ってこの二日で素敵なドレスを手に入れたのか、聞くのが恐ろしい。


 昨日届いた手紙で、一週間後に正式に婚約をすると連絡があった。あまりに早くて驚いたがデーヴィド様が待ちきれないから一日でも早くしたいと書いてあり、私は嬉しかった。


♢♢♢


「ミシェル……なんて美しいんだ」


 迎えに来てくださったデーヴィド様は、うっとりとした目で私を眺めている。


「デーヴィド様も……格好良いです」


 私は照れながら正直な気持ちを伝える。正装の彼は本当にとても素敵だから。普段と違って髪の毛をかき上げているところも好きである。


「ありがとう」


 デーヴィド様は口元を手で覆い、照れを隠している。


「さあ、行こうか」


 エスコートを受け馬車に乗り込み、王宮へ向かう。


「ミシェルが私の色を身につけてくれてるの……やっぱり嬉しいな」


 そんなことを言う彼も、ちゃっかり私の瞳の色であるブルーのタイとチーフをつけてくれている。


「本当にそのドレス似合ってる。とっても綺麗だよ」


 ちゅっと頬にキスをしてくれる。「本当は唇にしたいけどルージュが取れるから我慢する」と耳元で言われて、私は真っ赤になる。その様子を見て彼は「ああ、なんて可愛いんだ」と抱きしめてくる。


「今日は私から離れないでね」


「わかりました」


 ガタン


「着いたね、では行こう」


 私はデーヴィド様の婚約者になるのだから、隣に堂々と立っていたい。気合を入れて会場に入った。



 ざわざわ


 会場中の視線が私たちの方を向いている。デーヴィド様が私を連れているのを見て、落胆した令嬢方のため息が聞こえる。羨望と嫉妬が入り混じった目が辛い。


 (そうよね、こんなに格好良いんですもの。みんな好きになるわよね……でも私はもう他の人には譲らないと決めたんです)


 私は負けないように、デーヴィド様の腕をさらにぎゅっと握った。彼は私の緊張に気が付いたのか、フッと微笑んでくれた。


 しばらくすると、主役の国王陛下と王妃様が華やかに現れ会場内では割れんばかり拍手が鳴っている。


 その後、二人で陛下へのご挨拶に行った。そして今はデーヴィド様と初めてダンスをしている。


 かなり体が密着するので、とてもドキドキするが彼は完璧なエスコートをしてくれるので楽しく踊れている。


「ミシェルはダンスも上手だね、一緒に踊れて嬉しいよ」


「デーヴィド様こそ素晴らしいエスコートです。私も……嬉しいです」


 お互い見つめ合い微笑みながらダンスを終え、とても幸せな時間であった。

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