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17 ヘンリーの告白②

「貴方は誤解されやすいですけど、本来は真面目な人間でしょう?」


 そう言った私に彼は困ったような顔をしている。


「からかうふりをしていつも後輩達のこと気にしているし、他の隊員の弱点も見抜いてトレーニングメニューもこっそり個別に変えてあげている。戦場では自ら最前線に立つ勇気もあるし、実際に恐ろしい魔物を倒して無傷なくらい強い」


「なんで、君がトレーニングのこととか知ってるの」


 彼は秘密にしていたことが見つかって照れているようだ。そんことは毎日訓練の様子をみている私にはすぐにわかることだ。


「なぜこんなに素晴らしい力を持ったヘンリーさんが色々と諦めないといけないの?みんなが貴方の良さを知らないのも勿体ないわ」


「いや、いいんだ。俺なんかどうしようもない男だし」


「何を言ってるんですか。見返しましょうよ!ヘンリーさんがご家族に負けている要素などひとつもありません。貴方には既に才能も力もあるんですから、あとは気の持ちようです」


 彼は私が熱弁するのを聞き、驚いて固まっている。


「まずは、訓練遅刻しちゃだめですよ。ヘンリーさんちゃんと起きてるのにわざとだらだらしてるの知ってますから!あと後輩へのアドバイスは揶揄ったりせず、素直にしてあげてください。今度、騎士隊長の試験も受けましょう」


「え、俺が隊長試験受けるの?」


「あとはやっぱり騎士は実績が大事ですから、魔物討伐の時に大物を何匹か倒してきて下さい。今の陛下は気前がいいですから、褒賞もたくさん出るのでお金が貯めれます。ご活躍が続けば爵位もいただける可能性もあります。ご年齢的に今後、第二騎士団の団長も退任されるかもですし、そこのポジションも狙えますよね。そして小さな家を建てて、可愛い奥様と一緒に幸せに暮らすんです」


 ヘンリーさんはまだ黙っている。しかし、私はヘンリーさんに幸せな将来があると伝えたいのだ。


「あと!愛する女性は一人をおすすめします。結婚後に奥様以外の女性を囲うのはお父様の二の舞になりますし、危険です。深く一人を愛することできっと貴方の寂しさはなくなりますよ」


「俺……三男だし後継じゃないから一生独身かなと思って、女の子達と遊んでたんだけど」


 私はその意外な答えに首を傾げて逆にヘンリーさんに聞き返す。


「え!結婚しないんですか。頑張ってたくさん稼いで出世したら結婚できますよね。しましょうよ」


 あはっ、あはははは


 ヘンリーさんは急にお腹を抱えて大声で笑い出した。

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