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94 お母様からの教え

「うふふふふふふ。ミシェル、貴方ダニエルに初夜のことを聞いたそうね。あんなに焦ったダニエル初めて見たわ……ああ、面白い」


 私はあのやりとりの後、すぐにお母様に呼び出された。


「ごめんなさい……男性の意見を聞きたくて」


「奥様、お嬢様にどのような教育をなさっているのですか?もうお嬢様も立派な大人ですからきちんとお話なさってください!ってそりゃあもう怒られたわよ……ふふ」


 お父様が私を溺愛するあまり夜のことなど考えさせたくもないと拒否するので、そういう教育はあえて避けていたそうなのだ。お母様から悪かったわね、と謝られた。

 その後お母様に男女の色々なことを聞いたが、結局私はキャパオーバーで頭が追いつけなかった。恥ずかしすぎる……こんなことみんな本当にしてるの?


「心配しなくても大丈夫よ。デーヴィド様に全て任せなさい。不安は愛が解決してくれるわ」


「そういうものですか?」


「ふふ、それが全てよ。愛があればなんとでもなるわ」


 お母様は私の髪をゆっくり撫でてくれた。


♢♢♢


 翌日、ユリアにもお説教を受ける。


「お嬢様、そういう話は二人きりの時に私にお聞きください」


「だって……恥ずかしかったんだもの」


「ダニエル様に聞く方がよっぽどはしたないです」


「そういえば、最近ダニエルを見ないけど?直接謝りたいわ」


「……いつも通りお仕事をされていますよ。お嬢様、避けられているのでは?」


「ええっ!そんなの嫌よ」


 私は扉を勢いよく開け「ダニエルーっ!」と大きな声で家中を探す。彼はリビングで朝食の準備をしているところだった。


「お嬢様?朝から大きな声でどうなさいましたか」


 私はダニエルに走り寄りガバッと抱きつく。


「お嬢様?何を……お離しくださいっ」


「この前はごめんなさい。私、ダニエルのこととっても大事よ。本当の家族と思ってる!だから私を避けたりしないで」


「お、お待ちください……執事である私が、お嬢様を避けるなどあり得ません」


「じゃあ、許してくれるのね!」


 その時、タイミング悪くお父様が部屋に入ってきて私とダニエルを見て驚き固まっている。


「ダ……ダニエル、お前!ミシェルに何してるんだっ!今すぐ離れろっ!!」


 へっ?なんかお父様が怒ってる?なんで?


「旦那様!誤解でございます。私がお嬢様に何かあるはずがございません」


 ダニエルは急いでぐいっと私の体を離し、お父様に頭を下げた。


「お前もしかしてずっとダニエルが好きだったのか?大事とか言ってたな……」


「へ?もちろんダニエルのことは大好きよ」


 それを聞いてお父様はギッとダニエルを睨みつけ「認めない」と言い放つ。


「いつからだ?お前の気持ちは大事にしたいが……ダニエルは執事だ。お前とは認められない!そもそもデーヴィドとの結婚はどうするんだ?」


「え?もちろん結婚しますけど」


 私は何を言ってるんだ?という表情でお父様をみる。大好きなデーヴィ様とやっと婚約したのだ……結婚するに決まっている。


「お前は他の男を好きなまま結婚して、幸せになれるのか?」


「……?あの……お父様、なんの話ですか」


「だから、お前とダニエルが恋仲ということだろう。朝から抱きあうなど」


「ふふふ、ミシェルはこの間からおもしろいことばかりするわね」


 その時、お母様がリビングに入り「あなた、ダニエルがミシェルと恋仲などありえませんわ」と笑った。


 そして、お父様の誤解をなんとか解き「ミシェル、お父様は君が心配だ。簡単に男に抱きつくな」と呆れられてしまった。

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