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デスゲーム参加者達

「そう言うマワル君は何を選んだや? プレースタイル的に【黄金回転】か【第三の目】辺りが似合いそうやけど……」

「言う訳無いじゃないか。バリアン君は多分【超人体質(ハイペリオン)】か【韋駄天(イダテン)】だろ?」


 鬼良 バリアンと小金井 廻は互いにドス黒い笑みを貼り付かせて睨み合っている。


「チッ、下らん。こんな盤外戦術でインターハイ・デスゲームを勝ち上がれるとでも? サッカーが上手い奴が優勝する。それだけだ」


 そんな中、黒髪で片目を隠している最後のU-18日本代表で千葉船山高校の司馬(シバ) (アキラ)がクールな声で言った。


「相変わらずアキラちゃんはつれへんなぁ。今はデスゲーム特有の緊張感を楽しむ時間やのに……」


 バリアンは自慢の巨体をゆらゆらさせながら司馬に近付き、おちゃらけた態度で司馬の肩に長い手を回して体重を乗せた。


「ふんっ。今は代表戦じゃないんだ、バリアン。お前と(から)むつもりはない。自己顕示欲(じこけんじよく)の塊め。

 ええい、寄りかかってくるな。お前は無駄に重いんだよ」


 そう言うと司馬は片手でバリアンの巨体を邪魔だと言わんばかりに払いのけ、バリアンはおっとっとと歌舞伎(かぶき)を演じてるかのように大げさによろめいた。


「しゃーないやん。わいは身長202cm、体重95kgやからな。それがわいの武器なんや。これでもまだまだ伸び盛りなんやで」


(バリアンのスペックヤバッ。もうバスケやれよ。

 いや、それより司馬 彰……コイツ今力を入れてないとは言え95kgもあるバリアンの体を片手で軽く押しのけたぞ。俺と同じ体格で175cmくらいなのになんて力の持ち主だ……)


「ところで君達は何も喋らなくて良いのかい? 愛媛古田高校の飯山(イイヤマ) 理音(リオン)君。石川日稜(にちりょう)高校の井田(イダ) 天斗(テント)君。広島瀬戸外(せとがい)高校の蛇噛(ジャガミ) 翔悟(ショウゴ)君」


 バリアンに本性(ほんしょう)をバラされてもう取り繕わなくても良くなったのか、小金井はずっと黙っていた残りの3人を(あお)るように言った。


(なにッ! 去年のインターハイと選手権を優勝した超大物の青森山本のエース小金井は俺ですら良く知らない選手の事を知っているのか……)


「「「……」」」


 そんな小金井の挑発を受けて、ワタルみたいに情報を抜かれる事を恐れているのか3人とも警戒した様子で黙っている。


「何で君達みたいな無名選手を知っているのかって? インターハイに出場する高校の選手くらい覚えてるさ。情報は命だよ。優勝する為に()()()()()の努力は当たり前さ」


 小金井は3人を見回して舌を舐めずりながら言った。


(嘘だろ! インターハイに出場する高校は50校以上、1校に付き登録可能選手は20人……

 つまりベンチも合わせて約1000人、まさか全員覚えているとでもゆうのか!?)


 なるほど。U-18に選ばれる奴らはスキルをもらう前から別格だ。サッカーをしなくても今のやり取りでそれが分かった。

 つまり元からバケモノのこいつらは更にチートスキルを貰って強くなり、そいつらを倒してインターハイで優勝しないと【ラプラスの魔眼】は正式に自分の物にならないと言う訳か……

 U-18代表の小金井君がメッシのドリブルをして来たり、2mあるバリアン君が40km/hのスピードでもう突進して来たりするインターハイ・デスゲームか……想像したくないなぁ……


 どうやらこのデスゲームは難易度がかなり高いようだ。自分の置かれてる立場を理解したワタルは(くちびる)を強く噛み締めた。


『これこれ若造達よ、神様のワシを差し置いて勝手に盛り上がるんじゃあない』


 緊張間に包まれる白い空間を神様の気の抜けた(しゃが)れ声が冷ました。


『次はルール説明を始めるぞい』

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