表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

3/5

3 学校へ行こう1

「ユウくんも今日入学式じゃない。


一緒にいこっ!」


姉はどこかわくわくした様子でそんなことを言ってくる。


僕はすばやく洗い物を済ませ、


部屋に戻り、


鍵をかける。


ガチャッ!


「って、ユウくんっ!?


なんで鍵かけるのっ!?」


今日は行く予定の日じゃないからですよっ!


行ってもただ暇なだけでしょう?


「お姉ちゃんが着替え手伝ってあげようと思ったのにっ!」


・・・そっちですか・・・


僕は額に手を当てる。


「早く開けてっ!


急がないと遅刻しちゃうっ!」


ガチャガチャガチャッ!


僕は椅子に戻り、


イアホンを耳につけ、


勉強を始める。


・・・こういう時は無視に限ります。



それから、10分ほど経ち、


音が立たなくなった。



さて、もういなくなりましたか?


と、鍵穴を覗くと、


「ふえ・・・ふええぇぇぇんん~・・・開けてくれないっ!


きっとお姉ちゃんのこと嫌いになっちゃったんだ~っ!」


泣いていた。


えっ・・・なんでこの人泣いてるんですか・・・?


僕が鍵を開けようとしたとき、


「きっとお姉ちゃんと同じ洗濯物にしちゃいやとかいうんだ~うわ~ん。」


・・・言いませんよ・・・別に・・・。


・・・というか、一緒に洗っていたんですか・・・?


むしろそのことの方が驚きなんですが・・・。


ガチャッ!


「姉さん、


泣かないで下さいよ。


別に嫌いになったとかじゃないですから。」


「そ、そうなの?」


彼女はへたりと座り込んだまま僕に聞く。


「前にも言ったでしょう?


僕は学校には最低限しか通わないって・・・。」


「うん、知ってる。」


若干、涙ぐみつつ答える。


「なら・・「でも今日は行きたいんだもんっ!いっぱい写真撮るのっ!」・・・。」


・・・はあ・・・。


「それに今日は委員会なんかも多分決めるよ。


私も去年そうだったから。」


・・・へっ?


「私の学校はそうなの。


入学式が終わった後すぐに・・「姉さん、ありがとうございます。」・・・えっ?」


「姉さんが姉でよかったです。」


僕はすぐに支度を済ませ、


外で待っていた姉さんに声をかける。


「姉さん?」


「ふえ?な、なにかな?」


姉さんは僕の方を振り向く。


「姉さん、なんでそんなににやけ・・「さあ、行こう!遅れちゃうからねっ!」・・・はあ・・・?」


僕は姉さんに手を引かれ、家を出ていく。



・・・それにしても・・・


・・・姉さんはなんであんなににやけていたんでしょう・・・?


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ