友達の影響力は凄いです
「で、この男装女どうすんだ?数年前化け物騒ぎ引き起こした奴なんだろ。」
「そうそう、知らないうちに消えたから清々としていたのにまさか、私の学校に潜伏していたなんて飛んだ大惨事だわ!」
いつからこの女の学校になったの?!
「まあまあ、あまり虐めないでくれよ?まだ、この後僕の宿題をやってもらわないと困るんだからさ。」
「今日は皆んなで魔法練習って言ったじゃねえか?!まずはそっちが先だろ?」
「そうよ!丁度いい鴨がいるって知ったんじゃない!これぞ化け物退治!腕がなるわ!」
そう言いながら、連中が杖なりなんなり向けて攻撃してくる。もうどう見てもサンドバック扱い…化け物には生きる権利さえないみたい。
意識が朦朧としていく中で、辛うじての声を上げる。
「アカネさ…ん…コウヘ…イ君…助…けて…」
この2人は今、僕の目の前にいる。アカネさんとは数年、コウヘイ君とは1年以上の付き合いである。きっと助けてくれる、はず。
「馬鹿じゃねえの?!この状況でまだこいつら信じてんだな!ハハハ。」
「どういう…」
「あんたみたいな化け物に誰がつくと思ってるの?馬鹿じゃないの?あ、所詮は勉強しか頭がない馬鹿だったわ!馬鹿が写るから話さないでくれる?」
こいつらは一体なんなの?!アカネさんも、コウヘイ君も目の前にいるじゃないか!きっと、助けてくれるはず。お願い、助けて…。
「別に僕は助けようとは思わないよ?」
え?
「今日の予定はミズハと魔法の練習、その後ミズハに勉強を教えてもらう予定だし。ただ、偶々マコトとアヤとアカネと一緒になってそのことを話したら一緒に来ただけさ。」
「話を聞くところじゃ、学校じゃ一歩抜き出てる奴じゃねえか。調子こいている奴は一発ヤンねえと気が済まねえからな!」
がはっ!話しながらも攻撃してくるこいつら…。
「偶々、人数が増えたから一緒に宿題をやろうって決まったんだ。魔法練習は実際に打ったほうがわかりやすいよね?だからこうやって打ってるんだよ?」
い、意味がわからない…なんでそれで標的が僕なの?
「あんたって本当に馬鹿よね!本当にただの頭でっかち。こうなった状況を全く理解できないなんて馬鹿よ!」
どうして?これだけの情報でどうしてサンドバックなの?僕は本当にダメ人間なの?どんなに勉強してもこんな現象は理解できない!
「あんたがあんただからこうなっただけよ?化け物は退治すべき。そんなこともわからないなんて常識いかれてるんじゃないかしら?あ、人外に人間の常識教えても無駄ね。悪かったわ。」
どうして?もういいよ、人間じゃないことぐらい僕だってわかってるんだ…じゃあ、なんでそれでこうなるの?学校変えてから僕は僕の能力を隠して、性別まで変えたのにどうしてバレてるの?!
「痛…い…助け…て…。」
「どうして君を助ける必要があるんだい?君は僕のために物を教えていればいいし、それだけさ。第一、アカネも大変だよね。よく、長年こんなのと付き合っていたよ。」
コウヘイ君がアカネさんの方を見ながらそんなことを言っている。アカネが大変だったって…僕は何かしたのだろうか?
「聞いたよ。アカネは君からの愚痴にうんざりしていたってさ。第一、入学早々から男子と女子が仲良く話しているなんてなんかあると思ったよ。
しかも、会話しているはずなのに殆ど、アカネは喋っていなかったし。アカネは可愛いこともあったから虐められているんだって思ったんだよ。」
ち、違う…アカネさんが元々口数が少ないだけ。それが普通なのになんで虐めになっているの?