9020列車 原野かけるHET
道の駅びふかで多少食べ物を買ってから道の駅びふかを出発。
道の駅びふか→北海道旅客鉄道宗谷本線音威子府駅
「そろそろ今日のホテル決めんと行かんなぁ・・・。」
考えてみれば、狂はずっとそのこと考えてなかったなぁ・・・。幌加内を出た後幌加内駅跡、第三雨竜川橋梁、添牛内駅跡、朱鞠内駅跡、朱鞠内湖と寄り道ばっかりしていたからなぁ・・・。僕も寄り道によって出来たロスタイムをいかに取り戻す歌詞か考えていなかったから、そんなところにまで考えはまわらなかったなぁ・・・。
「じゃあ電話してみるか。」
天塩中川の近くに止まるところはキャンプ地か今治が予約しようとしていたホテルくらいだろうからなぁ・・・。
「とりあえず、そのホテルにでも電話してみれば、ダメ元で。」
「えっ、でも空いてるかな。」
「キャンセルとかでてるかもしれないでしょ。キャンセル出てなかったら諦めればいいさ。」
そのホテルはポンピラ・・・なんとかという。高槻がそこに電話をかけてみると・・・。
「えっと、今日そちらに泊まりたいんですが。3人分部屋って空いてますか。」
すると・・・、
「はい、あっ。そうですか。泊まれますか。ではお願いします。」
と言うことだった。僕たちはキャンプ地から勝ち口に変わったのである。いやぁ、いいことだ。もちろんいいことはこれだけじゃなかった。
「あっ。」
今治が声を上げる。左を見ると宗谷本線を走るキハ261系が見えた。稚内行きの「宗谷」は既に行ったため「サロベツ」か。
「もしかして、音威子府で先回りできるんじゃない。」
それを思ったのか、どうなのか。今治運転のレンタカーも少しばかりスピードを速めた気がする。
しかし、宗谷本線と国道40号線はすぐに離れてしまい、宗谷本線は見えなくなった。次に宗谷本線が近づいてきたときには「サロベツ」の姿を見ることは出来なかった。
「ああ。先に行かれたかな。」
(あっちが外れたから、こっちが先に来かもな・・・。ここは120キロで飛ばすわけじゃないし・・・。)
僕はスマホで「サロベツ」の時間を調べてみた。特急「サロベツ号」の音威子府到着は15時22分だ。
「今治、音威子府の到着何時になってる。」
「んっ。15時18分。」
「いけるぞ。4分差で先着できる。」
音威子府村に入ってからすぐにお蕎麦屋さんが目に入った。「あれ播州さんの動画で取り上げられたお蕎麦屋さんだな。」と思いながらその店を眺めていたが、右半分のシャッターが閉まっているし、張り紙もしている辺り今日は営業していなさそうだった。
音威子府駅の駐車場にレンタカーを止めて、来るであろう「サロベツ」を待つ。時間は15時19分。3分差で間に合った。
15時22分発の「サロベツ」を見て、音威子府駅の駅舎に入る。駅舎内にあるお蕎麦屋さんはやっている人が体調不良で長期休業中。まぁ、どうせ営業していたとしても15時に閉まるから今はやっていないんだけどねぇ・・・。それと天北銭の資料館がある。天北銭も廃止になった路線であり、音威子府から稚内の一つ手前南稚内までを浜頓別、鬼志別経由で結んでいた。つまりは、オホーツク海側の方を通っていたのだ。
「・・・こんな方にも鉄道って通ってたんだな。」
高槻が路線図を眺めながら言う。
「あすこにさぁ、飛行場前得きってあるじゃん。」
「飛行場前・・・。ああ。あれか。」
「あれ、飛行場なんて無かったんだぜ。」
「・・・湖畔にない湖畔駅と同じだな・・・。飛行場がないのに飛行場前名乗るとか気がくるってんなぁ・・・。」
当然の反応かな。