第59話(戦闘は終了しました)
ミカに渡した伝説の杖は、とても火力があり一瞬で、猫のような魔物以外全員倒されてしまった。
せっかく俺がうさ晴らしで倒そうと思っていたのに、と俺が思っているとそこで猫のような魔物が震えた。
「う……うぅ……お前達……人間の癖に、許さない……」
「だったらどうなんだ?」
そこで俺が問いかけると、小さく猫のような魔物が震えてからすぐに、
「だが、お前たちは勘違いしているようだ。この私が叫べば、異常があったと思ってここにきている魔族が他にもやってくるぞ?」
「そうなのか」
「……お前、本当に人間かと聞きたくなる答えだが……先ほどの者たちよりももっと強い魔族がまだここにいるのだ!」
「……せっかくだからここに丸っと呼び寄せてくれ。全員処理をするから」
俺は先ほどの怒りが収まらないのもあって、新たな魔族を呼ぶように言うと、その魔族は小さく震えてから、
「……覚えていろ、後悔させてやる!」
そう呟くと同時に叫んだ!
ぎぎゃああああああああ
耳をふさぎたくなるような音で、そこら中に響いていくように感じる。
と、その声とともに誰かがこちらに走ってくる音がして、
「は~い、どちら様か、呼んだ~? ってあれ、リク、来てたの?」
などと言いながら、別方向の出口からソニアが走ってきた。
それを見て猫のような魔物が、
「な、何者だ、お前は。そ、そもそもあちらの方には仲間が……」
「ん? 全員倒しちゃったわよ」
「え?」
「話を聞き出すのが面倒だったけれど、一応幾つか聞いたし……いや~、本当に私って影薄かったらしくて、全然、誰も私が“誰か”って気づいてくれなかったわ~。悲しいわ~、本当に悲しいわ~」
ソニアが悲しい悲しい連呼しているが、おれから見ると全然悲しそうには見えなかった。
そうしているとそこで猫のような魔物が、
「お、お前、お前はいったい何者だ!」
「女神の妹です」
「……え?」
「だから女神の妹~です」
そう言いながら変なポーズをとっている。
ソニアはそういう人間? なので放っておくとして……そこまでの話を聞いていた猫のような魔物が、
「おのれ、おのれ、おのれぇえええええ」
そういった怨嗟の声をあげながらその場所で膨れ上がる。
きづけば数メートルもの高さに顔があるような、大きな……骨が張り出した不気味な怪物に変化する。
ドロリと肌が零れ落ちそうになっているが、それよりも先ほどの数倍近い魔力を持っているようだった。
ただ、実の所この程度ならば、先ほどここにいた魔族の一人には及ばず、強めの魔物一匹といった風である。
手ごたえがないが、とりあえずは……と思っていると俺達のすぐ近くで光の魔法のようなものが紡がれて、その猫のような魔物の巨大化したものが捕らえられる。
見るとミシャが魔法を使っていた。
そして、俺のすぐ横からラグドが飛び出していって、高く飛び上がったかと思うと一瞬にしてその巨大化した猫のような魔物が倒される。
「ば、馬鹿な……」
そんな声をあげながら、巨大化という最終手段? に出たのに倒されたその魔物はそんな声を上げる。
だが、俺としては、
「……八つ当たりしようと思っていたのに、取られた」
そう、小さく悲しくなりながら呟いたのだった。




