第53話(回廊を進む)
こうして罠の道を俺達は無事通過することができた。
視覚で罠の位置や他にも空中に仕込まれた“罠”関係も全部資格で確認で得来たのは良かったように思う。
そして、この回廊の部分だけに大量の罠が敷かれていただけであってその先の曲がった道にはそれらのような“罠”は敷かれていなかった。
ただこうやって移動したものの、レーニアがついうっかり拾ったらしい魔石の一つを転がしてしまい、罠の一つが発動したことがあったが、
「ひいいいいっ」
目の前で大きな炎が一瞬にして上がり、魔石がとろけて分解し、消えてしまった。
かなり高温で強力な炎の魔法であるらしい。
常人ではひとたまりもないだろう。
ただ、先ほどの森のような場所にいた魔物について考えると、あれを乗り越えられるような人間ならばこの程度の罠は避けられるかもしれない。
危険なものをいくつか設定して、そのレベルに達しない人物たちを排除しているのか、それとも訓練的な意味合いがあるのか……ただ単に目的の場所に近づけたくないのか。
もしも近づけたくないのだとしたら、一体どんなものなのだろう?
この古代魔法文明関連の技術が素晴らしいことは分かるが、それの……普通は近づけたくない技術とはどんなものであるのか?
そのあたりに俺は不安を覚える。
ただ、それらのカギはレーニアが握っている。
偽物も用意したし、レーニアにはセリアがついているし、大丈夫ではあると思う。
そう思いながら更に進んでいく。
今現在移動している範囲では、周りの光景はそれほど変化はないものの魔物が出てくる気配はなく、特に戦闘をすることはなかった。
だがそれは逆に、その場所に魔物をいさせたくない……何らかの形でも攻撃のようなものがあると困る、そう言った意図があったのではないかと俺は考えていた。
だからここから先にあるものは一体何なのだろうという不安がある。
そしてこの先に逃げたような“猫のような怪物”という魔族もいるが……。
「セリア、この先に魔族が四人はいるな」
『みたいですね。風で探ると丁度四体です。さっきの“猫のような怪物”もいますね。どうしますか?』
「そうだな……とりあえずは、様子を見た方がいいか」
俺はそこで走るのを止めて歩き出し、他の三人に向かって、
「もうすぐ魔族と接触する。これから様子を見ながら、突入するか決めるが……準備はいいか?」
その俺の問いかけに皆が頷く。
それを確認してら俺達は、ゆっくりと足を進めていく。
少し歩くと明るい出口のような場所があり、ここからではその場所の様子は見えない。
さらに歩くとそこは広いドーム状の場所になっているのが分かる。
魔族の強い気配はするが、今の俺たちの位置からはよく見えない。
もう少し、もう少し。
明るいこの道の先に向かって俺達は様子を見る。
まだその気配はたどることはできるが姿は見えない。
あと少し、あと少し。
だがまだ姿は見えない。
そう思って俺達は通路の出口付近までやってくると、突然魔族のうちの一つの気配がこちらにやってきた。
こちらも気配を消したりしているのであちらも気づいていないのかもしれない。
そして普通に近づいてきたらしいあの“猫のような怪物”が俺たちの前に現れて、
「ぎゃあああああ」
突然そこに何か怪物が現れたかのような悲鳴を“怪物”は上げて後ずさり、すぐに、
「さ、さっき追いかけてきた人間がここに現れました!」
そう、仲間に向かって叫んだのだった。
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