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第52話(遺跡内の罠)

 魔法遺跡内部の森のような場所を無事通り過ぎる事が出来た。

 その先は再び大きな回廊になっているようだった。

 そういえばこの魔法遺跡は、確かに古びた感じはあるものの、相当年月が経ってそこそこ人が通っていたというのに、その割には補修などされなくても綺麗なままだ。


 特にこの床なんてところどころかけているとはいえ、四角く微かに光を反射して輝いている。

 定期的に磨かれているかのように見える。

 もしかしたならこの形を保つために魔法的な何かがあって常に掃除をしているのかもしれない。


 でもダンジョンも崩落といった話をあまり聞かず、内部の変化がない地図があったり、内部で攻撃系の魔法を使っても大丈夫であったりするあたり、ある程度自己保存の魔法というか効果が付与されているのかもしれない。

 ダンジョンとこの魔法遺跡は性質が似ているのも考えると、この遺跡にも同様の魔法が使われているのかもしれない。

 魔法自体は大気中に漂っている物や、魔力の天然の吹き出し口等、他にも魔力合成を出来る所があるとか何とかであるらしいと聞いたことがある。


 そういったことを思い出しながら周りを見回すも、あの“猫のような怪物”はどこにも見当たらない。

 すでにこの辺りからは逃げだした後なのだろう。だが、


「セリア、まだ追跡はできているか?」

『もちろんですよ~、この先三つ目の右の道です。ただ……』

「ここ周辺に罠が敷かれているって話か?」

『そうですね~、人間には見分けるのは大変かと思って、全員浮かせて運びますか?』

「いや……ここにある罠関係が分からない人は素直に手をあげてくれ」


 そこで俺は振り返りそう聞くと、レーニアだけがおずおずと手をあげる。

 それを見ると一人だけなら俺が抱き上げて連れて行ってしまっても構わなそうではある。


「じゃあ、レーニアは俺が抱き上げるかして連れていくか?」

「ええ!」


 そこで顔を真っ赤にしてレーニアが声を上げる。

 焦った様子に、そういえば俺、女の子に何か恥ずかしいことを言った気がした。

 しまったと俺は思いなおして、


「だ、だったらセリアに運んでもらおうか」

「そ、そうですね……何かと両手がふさがっていると攻撃に対してよけたり反撃したりするのに手間がかかってしまうでしょうし」


 といったレーニアの言葉を聞いて、じゃあセリアに頼もうかと俺が思っているとそこでミカが、


「私も頼もうかしら。罠って引っかかると致命的だから……“見えれば”避けるのは簡単だけれど、感覚で感じ取らないといけないのが嫌だわ」

「あ、それだ」


 ぼやくようなつぶやきを聞いていた俺は、それが大きなヒントになっていると気づいた。

 そういえばゲームなどでも、こういって罠のある場所は完全に見えない、ということはなく……床が光ったりといった何らかの兆候が見て取れていた。

 それを魔力の動きや感知と言い換えればいいといえるが、そう言った感覚的なものではなく、もっと定性的にその罠を見極められたならば危険が少ない。


 だからまずは、セリアの言っていた場所までの道を空間的なものも含めて特殊能力チートを使って“解析アナライズ”を開始する。

 そしてすぐに、その魔力変動……通常では起こりえないような微弱な変化を読み取って後は……それらを剣といして光に変換するものに俺の特殊能力チートである“情報操作コード・リライト”を使い組み替える。

 それらはほんの数秒ですべてが完了し、


「「「「え?」」」」


 一斉に驚きの声が聞こえた。

 目の前の四角く切られて重ねられた廊下の石が、それぞれ薄く赤い光を帯びる。

 危険性を感じる色がいいだろうと考えて、今回は赤い色を付けてみたが、


「そこら中が罠だらけ。これまでの道はここまでではなかったが……あの植物がある場所といい、危険すぎるな。まるで人を寄せ付けないように設定しているように感じる」

「本当だ。でもこれで気軽に移動はできるかも?」


 ミカが感心したように言って、そこでラグドが、


「罠関係もこういって視覚で表示出来るのか。この能力は魅力的だな、ミシャ」

「ええ、そのうちぜひうちのパーティに来てもらいたわ」


 と二人に言われて俺は、そのうちよろしくお願いします、と返す。

 そして俺達は早速その罠を避けながら歩きだしたが、最後にレーニアが恐る恐る一歩足を踏み出すと、罠である赤い光の表示が消える。


「え? あれ?」


 レーニアも予想外だったらしく周りを見回すも、レーニアの周囲一メートルくらいが円状に罠の機能が停止している。

 レーニアもどうしてだか分からないようだったが、そこで俺は思い出す。


「ひょっとしてあの青い石を持っているから排除する認識ではなくなっているんじゃないのか?」

「あ、なるほど……これ、本当に一体どんなものなんでしょう? さらに不安になってきたのですが」

「それの確認もあるから今日は来ているんだ。行くぞ」

「あ、はい」


 不安がって進めなそうなレーニアに、そう声を俺はかけたのだった。


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