第46話(遺跡内部にて)
こうして俺達は、先の文明の遺産、“蒼天を撃つ鏡の迷宮”に俺達は辿り着いた。
町から三十分も歩かない場所にその遺跡はあった。
しかも途中までは大きな街道沿いの道を歩いていたがために、荷馬車や歩いて移動する行商人達とも遭遇した。
その中でとある冒険者らしき人たちが、
「そういえば聞いたか? “魔王討伐”に向かった勇者パーティが苦戦して、逃げ出したパーティメンバーを探しているって」
「聞いた聞いた。依頼も解除されているが、“この俺をこんな目に合わせやがって! それも全部あいつが仕事を投げ出したからだ! 無償で働かせてやる”って叫んで、勇者様が探し回っているとか」
「ひどい話だな。それに、その勇者様だけでどうにもならないって……その勇者様、“弱い”んじゃないのか?」
「というか逃げ出して正解だが……逃げ出したその人物が勇者をやっていた方がいいんじゃないのか?」
「そうだな」
といった話を聞いてしまった。
俺は何も聞かなかったと心の中で数回呟いて、歩いているとミカが、
「今の話ひょっとして……」
「俺は何も聞こえなかった」
そう返して話を終わらせる。
そして途中の分岐点から森の方に行く細い道を歩いていき、崖の中に埋め込まれた大きな扉の前に俺達はやってきた。
模様が彫られた大きな石の扉が開放的に開かれている。
周りを見回したが“魔族”やソニアの気配はない。
すでに来ているのか、まだ来ていないのか、それともここは用無しになったか。
用無しだといいなと俺は思いながら扉を見上げる。
高さは、俺が二人くらいいればいいような大きな扉で、内部は少し広い場所が作られてから、内部はその扉よりも高い場所の天井が存在している。
外からは想像もつかないような広大な空間が内部に広がっているらしい。つまり、
「“空間拡張”の魔法がかかっているのか。魔力で大雑把に内部の広さを見てみても、かなりの広さがありそうだ」
「そうなんですよ。ここってこの辺一帯では一番大きな魔法遺跡なのです」
レーニアが目を輝かせながらそう言っているのを聞きながら俺は思い出す。
「そういえばレーニアは財宝探究者だったな。今回は案内も含めてお願いしてもいいか?」
「任せてください! それにこれだけの戦闘力があれば、今まで行けなかったあのエリアとかあのエリアにも行っても大丈夫かもしれません」
「……危険な場所に自分から飛び込むのはあまりよくないと思うが。それに、今日は中を見て回るくらいでも俺は良かったし」
「でもでも、これだけの人たちが集まっているわけですし……」
などと言いながら俺達や、ラグドの方をレーニアがちらちら見ている。
だが俺としてはそこまで危険な場所に行くのは、と言おうとしたらラグドが、
「あまりにも危険そうな場所であればこちらで止めるから、君は好きに行っていい。実の所こういった魔法文明の遺跡はそこまで詳しくないから、財宝探究者の人物の案内があるのはとても興味がある」
「! は、はい、頑張ります!」
そうレーニアが言っているのを聞きながら俺は大丈夫かな? と思う。
そこでセリアがレーニアから体を出して、
『私が周辺を“探査”して、危険そうなら防御も行いますのでそこまで心配されなくていいですよ~。今回はこの服(魔法)の力もみたいですし』
「“絶対防御”……それを使うために危険の見逃しはしたりしないでくれ」
『……は~い』
そこでちょっと残念そうにセリアが答える。
俺が言わなかったら挑戦するきだったのかと聞きたがったが、そこでラグドと一緒にいたミシャが、
「せ、精霊……」
「ああ、今仮契約中の精霊、セリアだ。レーニアの体が住み心地がいいので、彼女にとりついてもらっている。レーニアにも食住を提供して、その条件をお願いしているんだ。それにセリアがいる限りはほかの精霊も寄ってこれないようだし、そういった理由もあって」
「そ、そうなの」
ミシャが、あり得ないわというかのように顔が引きつって見えるが、俺は気のせいだろうとかたずける。
“精霊使い”は希少なのと、人にとりついたりといったこの状況は確かに奇異に見えるかもしれないが……成り行きでこうなったのだから仕方がない。
だからそれ以上俺が何も言わないでいるとレーニアが、
「さ、早速ですがこちらの方に行きたいです!」
そう言って、四つある道の一つを指さしたのだった。
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