第43話(この世界の魔族は)
それからミカが沸かしたお湯でお茶を入れると言い出したのでそちらをお任せして皿洗いをする。
レーニア達も手伝ってくれた。
だがそれらはミカは気に入らなかったらしく、後程、本物の侍従の力を見せてくれるらしい。
普通にメイドのコスプレだけしていてくれればそれでもいいよな~、と俺は思ったが本人のやる気を前にして俺は、その言葉を言えなかった。
そんなこんなでそれぞれの部屋に戻り……ミカがやはり何かが出てきそう打のなんだのと幽霊を警戒しているようだったので、レーニアに頼んで一緒に寝てもらうことになった。
ちなみにこの時精霊のセリアが、
「……ここは、ちょっと見た目を改造して、ホラー物のような幽霊の姿で脅かす?」
「……そういえば前に会った時は、ミカが殴ったんじゃなかったか?」
「そうですね~、怖がらせたら殴られて、ちょっと痛かったです。やっぱり大丈夫とはいえ痛いのは嫌なので諦めましょう」
との事で、レーニア達の部屋で普通に漂っていることになった。
なんだか楽しそうでいいなと俺は思いつつ、今日はあまり眠れていないのを思い出す。
道理で早めの時間なのに眠いはずだ。
「他にも色々あったしな。はあ。面倒ごとは早めにかたずけて、悠々自適なスローライフでも目指すか」
そう俺は小さく呟いて……やり残したことを思い出した。
本日倒した“魔族”の核のようなものを回収しておいたのだ。
それを軽く特殊能力で解析を行い、
「ふむふむ、ここがこうなってこうなって魔力を吸収して、再生するのか。……形としては、“精霊”にどことなく似ているな。……だが面倒なことは確かだし、魔力との“結合”をする場所を、こうしてこうしてこうして“不活性”にしておいて……これで再復活できないだろう」
そう適当にいじっておく。
俺の知っている物では“魔族”全てがこういった再度復活するようなものではなかったので、変わったものを見た気がする。
だがこれで彼らは再度復活はしないだろう。だが、
「“精霊”に似ているなら“精霊側”に改造はできるかもしれないな。そのうち調べて対処しよう。……出来る範囲で」
そう俺は一人呟き、そろそろ寝るかと思ってベッドに入り込んだのだった。
ぐっすり眠った次の日。
早くに起きた俺は朝食の準備をして、ミカをがっかりさせた。
それから食事をとり、昼食は何があるか分からないので用意していくことに。
今回はパンに燻製肉などを挟み込んだサンドイッチだ。
それらは俺が作ることにして侍従をやりたいとミカが騒ぐのを聞きながら、掃除だけをお願いする。が、
「きゃあああ」
そんな悲鳴と共にバケツが転がりもっぷと雑巾が宙を飛び、といったような惨状を繰り返すこと三回。
「もう止めたらどうだ?」
「も、もう一回だけ……きゃあああ」
そこでさらに箒に足を引っかけたミカが俺の方に倒れ込んでくる。
とりあえずはミカを抱き留めながら俺は、
「怪我をしても危ないから、掃除はやめてくれ」
「う、うう……分かったわ。でもこれって“ドジっ娘メイド”というものかしら?」
などとミカが言い出したのを聞いて俺は、一体どこの誰がこの世界にそんな言葉まで持ち込んだんだと思った。
だがそれ以上聞くとさらに聞きたくない俺たちの世界の事情が聞けそうな気がして、代わりに遺跡に向かう準備をしてくれと伝えたのだった。
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