第30話(草を手に入れた)
そうして歩き出した俺だがそこでミカが、
「そうなると、リクみたいな異世界人が今は呼びたい放題なのかしら? この機会を見逃さないべき?」
『やめた方がいいですよ~、女神さまの特権でもあるので、召喚の“委託”を受けた場合ならば別ですが、戻ってきたときに何をされるか……そういった所は“厳しい”ですからね』
「そっか。う~ん、リクみたいな人物をうちも召喚を出来ないかと思ったけれど……そうね。女神さまがいないから普通の人間の人も召喚できるようになっているけれど、それがいつまでも続くとは限らないものね」
そう言って俺の方をミカがじっと見た。
何故ここで俺を見るのか、そう俺が思っているとミカが、
「……なるほど」
「何がなるほどなんだ?」
「いえ、なんでもないわ。次は“どらどら草”だったかしら。それを集めてからどうするの? 更に食材を探す? そ、そろそろ食事の時間でもいいんじゃないかしら」
「確かにずっと歩いてきたし、太陽の高さから見るとそろそろ昼時だな。とりあえず“どらどら草”を依頼分だな」
そんな話をしながら森の中をセリアに案内されて歩いていくと、やがてその“どらどら草”の群生に辿り着く。
薄水色のカップをしたに向けたような小さな花が幾つもついていて、風に揺れるたびに微かに“どらどら”となっているように見える。
その花畑だけでも見ている分には圧巻だった。
しかもいい匂いがする。
香りのよい花であるらしい。
ミカが言うにはよく城でもいい顔委がするからと飾られていたそうだ。
そんな花だがこれだけ沢山あれば十分は程回収できると思いつつ俺はそれらに近づいて、
「そういえば、これは何に使えるんだ? 特殊能力をつかってっと……気付け薬のようなものか。精霊にも効くらしい。……特殊な用途になりそうだが、うちには精霊もいるし少し余分にとっておいて部屋干ししておくか」
そう俺は内容を確認して以来の分よりもさらに余分にいくらか集めておく。
これだけあればなんとかなるだろうといった量を手に入れてから俺は、この森の状況に一番詳しいレーニアに、
「レーニア、食事をするのによさそうな場所を知らないか?」
「そうですね……確か少し道に沿ってですが載ったところで丘のような場所があり、町が一望出来た記憶があります。でもどう歩いてきたのかがよくわからないので結構時間がかかるのかな?」
『あ~、全員私の加護で、藪に入っても服や皮膚がきられたりしないよう、大丈夫なようになっていますので直線距離で移動してもらっていいですよ?』
そこでセリアがそう言いだした。
確かに言われてみれば、俺も含めてレーニアは……レーニアも財宝探究者というわりには軽装である。
ゲームっぽいファンタジーの服装だが……セリアの件やミカのメイド服について考えると、俺は何か変な気持ちになる。
確かにこの服は可愛いが、うん、可愛いということでその話は終わりだ。
そうこれ以上考えても仕方のなさそうな話を俺は脳内から追い出して、食事をするのにちょうどいい丘へと歩き出したのだった。
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