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第28話(果実の依頼、完了)

 こうしてまずは“ロラのキノコ”の依頼をクリアした。

 そして近くにあった別の食用キノコも俺は確保した。

 思えば、魔王パーティとして組まされて移動したあの時も、森で野宿をしたからと言って山に食材をとりに行って川で魚を釣ってこいと、自称・勇者である貴族の……いや、よそう、もう終わった話だ。


 俺はそう心の中で呟いて、それ以上は考えないようにした。

 ただそこまで考えて、レーニアに俺は、


「そういえばこの森は小川や池があったりするのか? もしそうなら魚を釣ったりもできるが」

「う~ん、ありますがここからだと少し離れた場所ですね」

「となるとそちらの方にはいかないか。じゃあ普通に、依頼の物を探しがてら、おすすめの植物でも教えてくれ」

「で、では……」


 そこで食べられそうな草類をレーニアから聞いて、ここから近い“ジラスの果実”が実っている場所までの道中で、探してもらう。

 寄り道をしながら、おすすめの草を集めていき、


「ふむふむ、こういった傾向のある草なのか。それでこっちは野菜……味は、ナスに似ているのか」


 といったように、それらの見知らぬ食材の情報を俺は読み取っていく。

 そのたびにミカたちの視線が何か変な気がしたが、俺は考えないことにした。

 そんなこんなで俺たちは、それぞれの持つ食材などを入れて億袋が半分近く埋まってしまった頃に、果樹の実る気にたどり着く。

 

 それを見上げながらミカが、


「この時期に実が生っているんだ……」

「そういえば今年は温かくなるのが早かったですからそれで今も果実がなっているのかも。でもこれだけあれば依頼は果たせますね」


 レーニアがそういった所でセリアが、


『では、ここでも私の出番ですね。風を吹かせて、一気に落としちゃいましょう!』

「落とすのはいいが、地面に落ちると傷がつくから、空中で止めてくれよ?」


 そう俺がセリアに付け加えると、セリアがぼそりと、


『……そういった細かい作業は面倒くさいのですが』

「依頼の関係でそうなっているんだから仕方がないだろう? それとも……できないのか?」

『よろしい、その挑発には乗って差し上げましょう、ご主人様』


 どうやらセリアの煽り耐性はとても低いらしい。

 だがそういった挑発も一見面白がっているようなので……楽しんでいるのかもしれない。

 そして、大量に果実が落ちてきて、とりあえずは地面に落ちる前に幾つか袋に入れる。


 だがその心配はなかったようだ。

 このセリアはやるといえばやる子であったらしい。

 落ちてきたすべての果実が、空中で止まっている。


 ただ一つ問題が発生した。


「意外に量が多くて、全部は入らないな。仕方がない、部屋と空間をつなげよう」

「「「え?」」」


 そこで俺の一言で、三人がそんな声を上げた。

 実はやろうと思えばそういったことができると話していなかった気がする。 “空間内の情報”を書き換えて、別の場所につなげる。


 実の所この世界に“神様”がいたら怒って出てきそうな“世界改変”の一種になるのであまり使いたくはない。

 そのためいつも必要最低限にしている。

 ちなみに今の所一度も、怒って出てきたことがないので大丈夫だと思う。


 というわけで空間を一部俺は接続して、


「諸事情によりこの魔法はあり使いたくないが、今回はちょっと問題があるのでちょっとだけ、な。」

「そうなの。じゃあ、とりあえず、そこにどんどん放り込んでいくわ」


 そこで考えることを放棄したらしいミカがそう言って、宙に浮いている果実を部屋に放り込んでいく。

 そうしてせっせと回収してすべてが終わったころに俺はミカ達に、


「そういえばこの世界の神様はどんな人なんだ? 細かい話を俺はきいていないんだよな」


 そう聞いたのだった。

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