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第27話(森の中でキノコを採る)

 “プロパの森”。

 レーニアおすすめのこの森は、緑が生い茂って入るものの完全に暗い森、というわけではなく、木漏れ日が美しいハイキングにはもってこいのような場所だった。

 ただ今回は依頼の物を探すのが先である。


 それらを探してから、本日の夕食を決めてもいいと俺は思った。

 というわけで早速セリアに、


「それでは俺の契約精霊の初仕事だ。本日の依頼のものを、探してきてくれ」

『は~い。では、我が契約者様の~以下略で、探してきま~す』


 そこでセリアが、おそらく精霊相手に命令された時にいう堅苦しそうなセリフだろう、それをサラッと省略、もとい略式で終わらせると同時にセリアの周囲で風が吹いた。

 風にはかすかな魔力がのせられて短時間の周囲の状況を見て回り、“保存”を行うようにされる魔法の“プログラム”も見て取れる。

 それらが刹那に俺たちの横を駆け抜けて広がっていき……数秒後、戻ってきた。


『はいはい、なるほど。では……依頼の本数をお聞きしていいですか?』

「“どらどら草”は、半径二センチの束が二つ分、“ジラスの果実”は手に入った果実の個数が五個、“ロラのキノコ”は小さめの物なら五本、大き目……傘が10センチくらいの物なら二つだそうだ」

『意外に量が少ないですね』

「それほど高くない依頼だからな。それでも今日一日分の生活費にはなるぞ」

『……時期でないものも含まれている割には安い気がしますがご主人様がそういった、マゾい依頼がお好きならそれはそうだと受け入れましょう』

「今俺に変なレッテルを張ったのは置いておくとして。そのご主人様はやめてくれ。変な感じがする」

『ではリクとお呼びしますね~。それではまず近くにキノコの群生地がありますね。ちなみにこのキノコは食用なので、大目にとっていって帰って調理してもいいかもです。新鮮なキノコは美味しいですしね……』


 などと幸せそうにセリアは言っている。

 この精霊は食い意地が張っている、そう思いもいながら俺たちはセリアにナビゲートされながら森の道からそれた場所に入っていく。

 それでも木漏れ日の綺麗なこの森は、そこまでうっそうとした草が茂っているわけではなく歩きやすい。


 そんな場所を入っていくと大きな木が一本生えている場所にたどり着く。

 樹齢何千年と言えそうな巨木で、何か精霊か何かが宿っていそうだなと俺が思っているとセリアが、


『久しぶりに来たから挨拶をしてこようかと思ったけれど、気持ちよさそうに眠っているからあまり起こさない方がいいわね。起こると怖いし』

「そうなのですか」

『そうそう、それで、そこにあるのが目的の“ロラのキノコ”。赤と黒の縦じまの物よ』


 と言ってセリアが指さすそれ。

 俺にはどこからどう見ても毒キノコの大群にしか見えなかったが、


「わ~、こんなにたくさんある。天然モノって特に美味しいのよね」

「ですね。これは干して保存食にしてもいいですし出汁をとっても美味しいです」


 と、ミカとレーニアがとっていく。

 触るのを躊躇していた俺だが、この二人に任せておいて大丈夫そうだ。

 そう思って周りを見てみると、茶色い普通のように見えるキノコが見て取れた。

 とりあえずこの世界のものに関しては異世界人である俺は不慣れなので、


特殊能力チートで解析、と」


 ここで目の前にあるキノコに特殊能力チートを使って解析し、その“情報”から俺が理解しやすいものと合わせた説明に変換する。

 それを空間に立体映像ホログラフィとして表示させて、


「……“ママエノキノコ”、異世界のマイタケのようなもの、食べられるキノコです、か。じゃあこれは回収しておこう」


 といったように俺は回収しているとそこで、ミカ達が俺の方を見ているのに気付く。

 どうしたのだろうと思ってそちらの方を俺が見返すと、


「まったく分かっていないようね。これだから異世界人は、平気でとんでもない魔法を使うわ」

「本当ですね……でもあのキノコも美味しいので今日は色々楽しめそうですね」


 そう、ミカとレーニアが俺と俺の見つけたキノコに対してそんなことを言ったのだった。

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