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第26話(そうだ、森へ行こう)

 こうして俺たちはようやく依頼を受けて出発することに。

 そして、とりつかれたレーニアはというと、


「肩が重い気がする」

『気のせいよ。私は体重をかけていないし』

「信用できない……」

『本当の重さというものを見せてしんぜよう』

「うごっ、お、重い、重いです」


 といったように震えるレーニアとセリアは置いておくとして。

 そこでミカが依頼された紙をじっと見つめている。


「どうしたんだ?」

「依頼を受けた“どらどら草”はいいのだけれど、“ジラスの果実”は今の時期だったかなと思って、“ロラのキノコ”はまだとれたと思ったけれど……」

「木さえ見つかれば後はちょっと手を加えてやれば果実は実るだろう」

「……なるほど」

「もっとも天然物が手に入るに越したことはない。余分に手に入ったら本日のデザートだぞ」


 といった話をするとミカはやる気を出したようだった。

 とそこでレーニアが、


「でもそんな簡単そうな依頼でいいんですか? SSSランクなんですよね?」

「俺は、スローライフがしたいんだ」

「……」

「俗世から離れ、穏やかに季節の恵みを受けつつ、争いに巻き込まれることもなく、心に苦痛を覚えることなく平穏に何かを作ったりして暮らしていきたいんだ!」


 俺がそう熱弁すると、引きつったような顔にレーニアがなりつつ、


「そ、そうですか。えっとそれで、“どらどら草”、“ジラスの果実”、“ロラのキノコ”ですね、他に何か欲しいものがありますか?」

「そうだな、今の時期に食せそうな、草やキノコや果実などがあれば、湯職はそれらを使った料理でもしようかと」

「……自然の恵みですか。私もよく、お金がないときは山に入って食事をしていましたね……」


 そう言って遠い目をするレーニア。

 だが俺としては、


「もちろん山の幸だけで食事にはしないぞ? 普通に帰りに野菜などをさらに買い足したりするし」

「ですよね! ……とはいえ、市販の野菜に勝るような美味しいものもいくらかはありますのでそれを探しましょう。……ただいつも探しているそれらは、見つけるのが大変なんですよね……」


 そう言って現実的な意味で自然の幸を見つけるのは大変だと呟いたレーニアだがそこで、


『あら、欲しいものがありましたら、言ってくれればいいですよ? 風の上級精霊たる私が、どんなものでも見つけてきましょう』

「なんですと! そ、そんなことが……は! で、でもとりつかれているので魔力というか養分を、魔法で探す度に吸われてしまうのでは」

『いやですよ~、そんな勝手にすいませんよ~。魔力はそこの仮契約ご主人様から時折もらっていますから大丈夫です』


 とセリアは言う。

 だがそれを聞いて俺は、


「そういえば時々セリアが俺に触れていたな。なんだか魔力が変な感じがしたが」

『その程度ですむのですか、さすがはご主人様であるSSSランク冒険者のリク。魔力がけた違いに多いので全く問題になっていませんね……』


 などとセリアが呻くように言う。

 そういえば魔力も他の異世界人よりも比較的俺は多かったなと思った。

 それがこんな風になるのかと思い筒村はずれまでやってきた俺はレーニアに、


「それでどこの森を目指した方がいい? できれば依頼と今晩のおかずが楽しめるような場所がいい」

「そうですね、それらで今の時期ですと……“プロパの森”がいいと思います。こっちです!」


 そう答えてレーニアは駆け出したのだった。

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