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第21話(一緒に寝ましょう)

 ミカが、今日は一緒に寝ていいか俺に聞いてきた。

 だが待って欲しい。

 こう見えても年齢的な意味でそこそこアレな男女が一つのベッドなのはさすがにどうかと思ったが、


「だ、だって、このセリア以外に“本物”の“幽霊”が出たら怖いじゃない」

『え~、ミカ、“幽霊”が怖いのですか?』

「だ、だって、“幽霊”がいないのは分かっているけれど、こ、怖いし」

『……“幽霊”、いますよ』

「え?」

『“幽霊”は実在します』


 そこで真顔でセリアがミカに言った。

 ミカの顔が目に見えて真っ青になる。

 だが待って欲しい。


 今の言葉には、どこにいるかは全くなかったのではないだろうか?

 けれどそれだけでミカは俺の服の端を握りしめて、


「一緒に寝ていいわよね?」

「……お互い端の方で寝る形でいいでしょうか」

「いいわ」


 といった話になる。

 けれど俺のベッドはそこまで大きくなかったために、背中合わせで眠ることに。

 すぐそばに可愛い女の子がいて、背中が接していて……体温が服越しに感じられてしまうこの状況。


 変に胸がどきどきとして、これでは寝られそうにない。

 やはり、ここは心を鬼にして……。


「やっぱり、リクは優しいのね。ゆっくり眠れそう」

「……そうですか」


 などとミカに言われてしまい、部屋に戻っていただけませんでしょうか、といった若干、下でに出たお願いをし損ねてしまう。

 そんな俺達を面白そうにセリアが見ているのにこの時俺は全く気付かなかったのだった。









 結果、一晩眠ることの出来なかった俺は、よくよく考えたらセリアに一緒にいてもらえばよかったのではと俺は思った。

 “精霊”は眠るときもあるが、今回の場合は一緒にいればいいだけなので……このような機会が次に回ってきたならそちらにお願いしようと思う。

 そう俺は心に決めてから、ベッドから降りた。


 ミカがメイドなどと言っているが、何分、“お姫様”である。

 そういった料理人の指導を受けたりするタイプのお姫様もいると聞くが、以前、料理に自信があるというメシマズと遭遇した事があった。

 俺個人にされたわけではないというか、彼女の彼氏が、自分だけが被害を被るのが嫌であったらしいその人物の策略に俺ははめられてしまったのだ。


 女の子の手料理、という言葉に誘われるようにして口にしたあの時の名状しがたい、暗黒の記憶はすでに俺の中に湧き上がっている。

 あそこまでのものはそうそうないと思うが、一度思い出せば恐ろしさに体が震える。

 そう思いながら手軽なパンケーキとベーコンと卵に千切りキャベツの朝食を作ることに。


 この町周辺の気温はそこまで熱くないので、スープを作って数日にわたって作っておいてもいいかもしれない。

 定住するなら、大き目の冷蔵庫のようなものも購入してもいいかもしれない。

 現在は箱の中に冷却の魔法を軽くかけてそこに食材を保存している。


 もともとここに置いてあったものだが、やがりこれくらいの大きさだと鍋を丸ごと入れるには心もとない。

 それにこれ以外には箱はなかったのだ。

 だからさらに箱を増やすならば……とも考えていた。


 そう俺がこれからどうするかを考えて材料を使い始める。

 そんな俺の料理の様子が気になるらしく、どこからともなくセリアものぞきに来ていて、


「セリアも朝食を食べるか? 卵で作ったオムレツとベーコン、パンケーキの簡単な食事だが」

「ぜひいただきたいです。シンプルイジベスト(素材の味を楽しむのが一番)!」


 といった話を作って三人前の朝食を作り終えた頃に、ミカが起きて絶望したように俺の顔を見たのだった。

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