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第2話(襲われた怪物は倒した)

 俺には一つの特殊能力チートがある。

 異世界に飛ばされると発現されるものであるらしい。

 そう、この世界を作ったと自称する“神様”とやらが俺たちの“集団”に説明していた。


 なんでも俺たちは“選ばれた”人間げあるらしく、強力な特殊能力チートが発現するらしい。

 ちなみに、最終目標の“魔王”を倒すことで俺たちは元の世界に戻れるそうだ。

 といった、どこからどこまで本当なのか分からない設定を俺は聞かされた。


 そもそもこの俺達を呼んだ人物は“神様”を自称しているが、俺は知っている。

 この人、多分この世界のただの召喚士だと。

 だがそのことに気づかれてしまえば、気づいてしまったな……といった展開になり俺のこの世界での生活が危うい。


 それにまだ状況が分からない中で、下手に発言をして面倒なことになっても困る。

 といった俺の判断から様子を見て……現在に至るんだよな、と俺は思い出しながらため息をつきそうになった。

 だが俺がため息をついている間も、先ほどの美少女を襲っていた蜘蛛のような巨大な怪物は歩みを止めてくれない。


 そこでその蜘蛛のような怪物の口の部分から、白い糸が大量に吐き出される。

 どういう効果があるのかは分からないが、とりあえず俺は“燃やす”事にした。


ごうううっ


 轟音とともに大きな火柱が上がる。

 赤い炎が一気に燃え上がるのと同時に、白い糸が掻き消えるようにして空間内に散らばっていく。

 消えていくそれを見ながら、次は魔物の本体をに狙いを定める。


 近づいて攻撃するのが手軽だし、この程度の魔物ならば接近戦でもいいだろう。

 俺はそう判断して、再び特殊能力チートを使う。


「……とりあえず炎系だと“アカダの剣”でいいか」


 そう呟いて呼び出した炎をまとった大剣の柄を握る。

 周囲の状況から、そこまで強力な力をまとわない程度に“再現”をしている。

 でなければ一振りでここ周囲数キロは焼け野原だ。


 だから“劣化コピー”を意図的に起こして、質を下げている。

 それにその方が使い勝手もいいからだ。

 なんでも強力であればいい、というわけではない。


 必要な場所に必要なものがあればいい。

 そう思いながら俺は地面をける。

 諸事情により俺は、魔法の使い方もある程度知っている。

 

 そのおかげでこうやって高く敵に向かって飛び越える事もできたりする。

 だがこう言った戦闘能力を俺はできる限り使いたくない。

 もう戦闘はこりごりなんだ、そう俺は心の中でため息をついた。


 その間も落下の力を剣にかけて、俺はその蜘蛛のような魔物を切り裂く。

 それで終わりだった。

 魔物が断末魔のような悲鳴を上げて、ぼろぼろに崩れ去っていく。


 どうやら上手くいったようだ、そう俺が思っていると先ほど助けた美少女が、


「す、すごい、それにその剣は伝説の……」

「模造品だよ。俺の特殊能力チートで再現したものだ」

「ものを作り出す能力なの?」

「いや? まあ、そんなようなものだ」


 そう俺は返しつつ心の中で、空間内の情報を読み込んで“書き換え”を、時間的、空間的に行う能力なんだよな、と思ったのだった。

 

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