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day of the necromancy!!  作者: SOTOKU
状態:死霊術師の弟子
19/25

鏡の中の国王会議

 セリナが研究塔に足を踏み入れると、メイドのフレシアが恭しくあいさつした。

本来ならこの後、セリナはフレシアに先導され、ノワールの研究室に向かう。だが、セリナは毎日この塔に通う内に少しづづ塔の構造を理解しつつあった。

故に、今日は自分の足で研究室を見つけ出してみよう。と、セリナはフレシアの前に歩き出した。しかし、いつもなら必ず上るはずの螺旋階段をフレシアが通過し、地下への螺旋階段を下り始めたことから、セリナは今日はノワールが研究室にはおらず、フレシアが別の部屋に案内しようとしていることを察し、慌ててフレシアの後ろについた。


 案内されたその部屋は、小さな劇場のような部屋だった。座席は一つしかなく、壇上には巨大な四角い鏡が浮遊している。

セリナがその部屋に足を踏み入れると、フレシアが外から扉を閉じた。すると、部屋は先ほどに比べ格段に暗くなったが、壇上に浮遊する鏡が発光しているため、視界に不自由することはなかった。

セリナが光っている鏡をよく見てみると、そこには映像が写されていることに気付いた。もっとよく見てみようと部屋に歩を進めると、中央に置かれた座席越しにノワールの艶やかな黒髪が見えた。


「もっと近くにいらっしゃい。面白いものが見れるわよ」


座席の向こうからノワールがそう言うので、セリナはその隣に立って、鏡を注視した。


 そこには7人の、絢爛けんらんな服を纏ったいかにも高貴な人々が、豪勢な装飾がなされた長テーブルを囲んで何かを話し合っている様が映し出されていた。

セリナはその不思議な光景に興味を持ち、鏡に注視したままノワールに尋ねた。


「ノワール様。これは?」


「連合の七王達の会議よ」


セリナは、ほんの少し、絶対にノワールに感づかれない程度の、呼吸とも判別がつかない小さなため息をついた。聞きたかったことはそういうことではない。なぜ鏡に映像が映っているのかを聞いたのだ。それなのに、ノワールは映されているのが何かを答えた。だが、彼女は賢明にもノワールに再度聞き直すようなことはしなかった。ノワールは映像を見ているのだ。水を差せば機嫌を損ねる。そんなことをせずとも、後で聞き直せばいいのだ。今でなくてもよい。


 セリナは思考を切り替え、鏡に映されている映像に集中した。

連合の七王達の会議、セリナには馴染みのない言葉だったが、単語から内容は推察できる。今、鏡に映っているのは聖アストラ―ナ連合王国の七国の王達なのだ。


 会議はどうやら長い時間進行しているらしく、部屋の窓からは夜空が見えていた。映像の視点は高く、どうやら梁の上から王達を見下ろしているらしい。これには、セリナに思い当たる魔法があった。動物の死体を使役し、その目玉をガラス玉に差し替え、それを手元の液体に反映させる神力魔法だ。主に占い師等が水晶玉を占う時等に使用される。街中に忍び込ませた動物の死体、いわゆる使い魔からの視覚情報をもとに、客の探し物を見つけたり、人間関係を暴いたりする。もちろん、たくさんある占いの方法のうちの一つだが。


 王達は例外なく疲れた果て表情をしていた。そして、一人が独り言の様に議題に対する意見を呟き、それに誰かが独り言のように反駁はんばくする。そんな光景が延々続き、セリナにはそれがノワールが言うように、面白いもののようには感じられなかった。

しかし、その代り映えのない光景の中で、悪い意味での例外として、上座に座る巨漢の王だけは、一切の意見を口にせず、また、意見に対する考えを出すように促されても唸るだけであり、他の王達の中で浮いた印象を醸し出していた。


 そんな彼の態度にしびれを切らし、一人の若い王が机を叩いて立ち上がり、上座の王を指さして叫んだ。


「なぜ神王は発言しない!お前の意見で決まるのだ!その玉座にただふんぞり返っているだけの置物であれば、そんなものは王ではない!」


 そうだ。そうだ。と王達が口々に同意した。全員が上座を睨み、発言を待っている。それでも、神王は立派な白髭をさすりながら唸るだけであった。

いつまで待っても神王とやらが優柔不断であるということ以上の情報がつかめなかったので、セリナはそれとなくノワールに尋ねた。


「ノワール様、王達は何の話し合いをしているんですか?」


「見ればわかるでしょう?」


見てもわからないから聞いたんです。と、セリナは口にはしなかった。仕方なく、またこの、一向に進まない会議に目を戻す。


 しかし、もはや会議は先ほどのように冷えきっていはいなかった。長テーブルの左右に座るそれぞれの王達が、上座の王に向けていた怒りを、互いにぶつけ始めたのである。

神王と呼ばれた巨漢の王から見て左手前に座る、この中で唯一の女王が立ち上がり、毅然とした態度で発言した。


「良いですか。まず、これだけははっきりさせていただきます。事実がどうであれ、戦争という選択肢だけはあり得ません。」


左側に座る残りの二人の王達が賛成を表して机を叩いた。だが、右に座る三人の王達は白けた顔でぶつぶつと文句をこぼしている。女王が座ると、向かいの、先ほど神王の優柔不断を糾弾した若い王が彼女を睨みつけた。


「ダリア女王・・・この期に及んでまだそんな甘ったれたことを言っているのか」


ダリアと呼ばれた女王はすました顔で「発言があるならお立ちになって」と言った。若い王が王が立ち上がる。


「これは帝国の挑発なのだ!このまま押し黙っていれば、また村が焼かれるのだぞ!あの──」


セリナはそれを聞いて、背筋が凍るような感覚を覚えた。嫌な予感がし、その先を聞きたくないと思った。咄嗟に耳をふさぎたいような衝動にかられたが、そんな暇はなかった。


「──マレスの様にな!」


マレス。


今は亡き、故郷。

セリナの脳裏に血なまぐさい記憶が呼び出された。セリナはここで死霊術を学び、自分に暇を与えず、頭に猶予を与えないことによって、その事実を過去の螺旋に葬り去ろうとしていた。

セリナにとってあの悪夢は過去になりつつあったが、王達にとっては今、目の前にある問題なのだ。


 若い王の発言に右側の王達が机を叩く。セリナはこの時、神王を挟んで左側が反戦派、右側が賛戦派となっていて、どちらも3人ずつで意見が割れているということを察した。つまり、これはマレス村の報復として、帝国に宣戦するか否かという会議なのだと、セリナは推察した。しかし、その次の瞬間にはセリナの脳は思考を止めた。それよりもずっと衝撃的な事実に、思考の空白ができたのである。


「帝国がマレスを・・・?」


セリナは最初、全身から血の気が引いていくような感覚を覚えた。そして次に、地面から足の裏を通じてマグマを吸いだしたように、頭に血が上るのを感じた。


 かたき


 仇だ。


 帝国が私の故郷を滅ぼしたのだ。怒りでグツグツと血が煮える。無意識に拳に力が入り、自らの意思で緩めることができない。

セリナは怒りに身を任せて絶叫したくなった。しかし、ノワールがすぐ近くで静かに鏡の映像を鑑賞しているのだ。邪魔をしてはいけないというほんの小さな理性から、血が出るのではないかというほど強く歯噛みして怒りを押し殺していた。


 その時、鏡の中でダリア女王の隣に座っていた反戦派の王が立ち上がり、発言した。


「帝国が犯人だという証拠がどこにある!もし宣戦した後にそれが間違いだとわかれば、我々は証拠もなしに帝国に宣戦した愚王として歴史に名を残すことになるのだぞ!」


これを聞いた瞬間、セリナの全身から一気に力が抜けた。王達は帝国が犯人であると確信できる証拠を持ってはいなかったのだ。ただの疑惑。

それに気づくと、今度はセリナをひどい脱力感が襲った。


セリナとは対照的に、賛戦派の王達は次第に苛立ち始めていた。


「証拠など出るものか!これだけ探しても誰が犯人がわからないのだから!これ以上無駄な調査を兵に行わせる必要はない!」


賛戦派の王達が机を叩く。


ダリア女王が立ち上がった。


「だから帝国を犯人に仕立て上げるというのですか?証拠もなしに、ただの疑惑で民を戦火に導くのですか!」


反戦派の王達が机を叩く。


「民がそれを望んでいるのだ!今やデモはアイゼン全体を巻き込んでいる!ほとんどの民が参加しているのだぞ!大商人や、貴族でさえも!」


さっきまで白けていた会議は一気に熱を帯び、バンバンとやかましく机を叩く音が会場に響き渡っている。


 若い王が席を離れ、神王に迫った。


「これを水掛け論というのだ!神王!決めろ!今ここで答えを出せ!」


ダリア女王も席を立ち、神王にすがるように主張した。


「アイゼン王は冷静ではありません!神王たる貴方は冷静にあるよう努めるべきです。帝国はこれまで不可侵条約並びにその他のどんな小さな約束でさえ破ったことがないのです。本当に彼らが犯人だとお思いですか?」


アイゼン王と呼ばれた彼が女王を指さし叫ぶ。


「見ろ!ダリア女王は帝国を擁護している!裏で繋がっている恐れがあるぞ!」


ダリア女王は心底呆れたという風にため息をついた。


「アイゼン王。貴方はどこまで愚かなのでしょう。証拠もなしに帝国を犯人に仕立て上げ、今度は私を帝国のスパイというのですか!」


「ああ!きっとな!ダリア女王、待っていろ。今度訪ねていくぞ。私の優秀な軍団と共にな!」


そのとき、神王が口を開いた。


「・・・もうよい」


たちまち王達は水を打ったように静まり返る。誰から見てもそうなるのは必然だ。これまでただ唸るだけの神王が発言したのだ、これは大きな進展だった。


 凍ったような会場の中で、神王はゆっくり、堂々と言った。


「犯人が分からぬ以上、疑惑だけで帝国に宣戦するわけにはいかぬ」


アイゼン王が叫ぶ。


「民はそれで納得しない!これ以上不満を押しとどめておけば、反乱が起こるぞ!」


神王は頬杖をついて、しばし目を瞑り何か考えこんだ。三丈ほどもある白髭しろひげや、深々と刻まれたしわ(・・)を持つ顔と、巨体を押し込めるように玉座に腰掛けるその様は、まるで威厳のある彫像のようである。そして、唐突に目を開くと、静寂に包まれた会議室に言を放った。


「直接聞いてみようではないか。帝国の長にな。」


王達がどよめく。ノワールは嬉しそうに「まぁ!」と手を合わせた。


ダリア女王が困惑の表情をうかべた。


「それは・・・国書を帝国に送るということですか?それこそ、我々が帝国を挑発していると捉えられる恐れがあります」


神王は首を横に振り「いや、ここに直接呼んだらよかろう」と言った。さきほどよりも大きなどよめきが上がる。


アイゼン王が眉間にしわを寄せた。


「あの高慢で小さな皇帝をここに呼ぶと?はんっ!来るはずがない」


神王が言う。


「後ろめたいことがないのなら、来るはずだ」


「だが・・・」


アイゼン王は何か言いかけてやめた。そして、少し考えた後、小さくうなずいて「仮に来なかったら?そのときはどうするつもりだ」と何かを含ませたように言った。そして、神王はその意味を察していた。


「我の召喚を無碍にしたのだ。その時は、致し方あるまい」


 神王は玉座から立ち上がり、出席している王達一人一人の目を見て個別に異議がないか確認していった。立ち上がった神王は、セリナが想像していた以上に大きかった。その場にいる王達のおよそ二倍の背丈ほどもあり、見下ろされた王達は萎縮が表情に出ていた。


「ダリア女王、異議はないか?アイゼン王はどうだ?マルゼンブルグ王は?──」


どの王も無言だ。納得はしていないが、反論はないということらしい。全員に確認し、誰も意見する者がいないことを確認すると、神王は大きくうなずいて「──よし、では、神王の名において皇帝を招待しようではないか」と宣言した。


机がバタバタとまばらに叩かれる。満場一致で、議は決した。



 そこで映像の視点が移動し始めた。梁を移動し、そして、天窓から夜空に飛びたった。次第に鏡は透明になっていき、最後には鏡は本来の役割になおり、足を組んだノワールと傍らに立つセリナの姿を映し出した。

ノワールは満足そうに「素晴らしい見世物だったわね。あなたはどう思う?」とセリナに尋ねた。


「くだらないことです。帝国と戦争なんて」


セリナは素っ気なく答えた。彼女はこの話題についてはあまり興味がない風を装い、すぐにでも話題を変えられることを祈った。自分の暗い過去を思い出したくないのだ。


「あら、興味がないのかしら?貴方がこの問題の当事者なのではなくて?」


ノワールがいたずらっぽくクスクス笑った。いつもセリナをからかう時のように。だが、セリナは今回は屈しまいとしていた。なんとでも言えばいい。私にとって、それは過去の事だ。と。


「当事者?まさか。連合の王達と帝国の皇帝が何人死なせようと、私にはどうでもいいことです」


それを聞くと、ノワールはさらに笑った。セリナは怪訝な面持ちでノワールの動向を観察した。


「気になって気になって仕方がないのねぇ?帝国がマレスを焼いたと聞いた時には、あんなにいい表情かおをしていたくせに。」


セリナは小さく舌打ちし、目を伏せた。ノワールを挑発するようなことはまずいとは思いつつも、ほぼ無意識の行動であったためにそれを自分で止めることはできなかった。

だが、ノワールはそれさえも愉快だという風にうっとりとセリナを見つめた。


「貴方の私情なんて今は重要じゃないの。連合と帝国がやりあうなら。これは私達にとってチャンスよ」


「チャンス?いや・・・憶測だけで復讐をするつもりはありません。」


「誰もあんたの身の上話なんてしてないわよ。私たちはいったい何?戦争は私たちにとって一体何?」


セリナはノワールが何を言っているのかわからなかった。戦争が自分たちにとって何か?そんなこと、考えたこともない。いや、考える者など殆どいない。

戦争なんて言うものは、参加しない者から見れば実在するかもわからない。非現実的なファンタジーだ。セリナにとってもそうである。何万という兵士が一同に互いを傷つけあう様など、想像もできない。


「戦争が・・・私にとって何かって・・・」


そのとき、セリナは自分の視野が非常に狭くなっていることに気付いた。マレスという単語を聞いた時から、彼女の思考は全てマレスに引き戻されてしまっていたのだ。

ノワールの質問の意味は、冷静に少し考えればわかることだと気づいた。


「死体が増える・・・」


「そうよ。これは私にとってチャンスよ。是非とも彼らには総力戦を演じていただきたいものだわ」


「なら・・・どうするっていうんですか?」


ノワールはしばらく薄い笑みを浮かべたままセリナを目隠し越しに見つめた後「どうもしないわ」と言い、セリナを手で払って部屋から出ていくように促した。






 部屋から出て、通路の窓から夜空を見上げると、月が高く上がっていた。

セリナは月の中に、今頃どこかで疲れ果てた顔で寝支度を整える王達の顔をみた。


 ふと、今マレスはどうなっているのだろうか、と、セリナは考えた。あの時焼けたままなのだろうか。もう、跡形もないのだろうか。と、夜空を見ながら、どこかにあるはずの自分の故郷について思案していると、フレシアに声をかけられた。

「何か用?」と尋ねると、フレシアは両手に抱えていた一つの木箱を差し出した。


 「ラシィーン様より、商品のお届けです」


 セリナはラシィーンに魂石を注文していた事をすっかり失念していた。木箱を受け取り、近くの飾り棚から華美なナイフを取って、蓋と箱の隙間に差し込んでテコで開ける。

中には緩衝藁がいっぱいに詰め込まれていた。セリナが手を突っ込んで漁ると、固いものがいくつか手に当たった。取り出してみると奇麗な紫色の魂石が姿を現した。もちろん魂は入っていない。


「あとは魂ね・・・」


彼女にとって一番の課題はここだった。どうやってこの魂石を満たすか。セリナはまだそのすべを考えていなかった。


 すると、背後から声が聞こえた。


「あら、へそくりでも貯めてたのかしら?それとも身体で丸め込んだ?」


セリナがふりかえる。言わずもがなノワールだ。いつの間にかセリナの後ろから彼女の手元を覗き込み、魂石の出所を疑っている。


「そんなんじゃありません。魔道具屋のラシィーンから、エイズの件のお礼だそうです。私みたいなちんちくりんじゃ誰も相手にしてくれませんよ」


「あら、そうかしら」


「思い当たる人でもいるんですか?」


ノワールは答えず、クスクス笑った。


 ひとしきりセリナを馬鹿にすると、ノワールは機嫌がよくなったようで、セリナに都合がいい講義、すなわち魂石に人の魂を入れる方法について教えてくれると言った。

しかし、セリナは内心心が凍るような恐怖心に襲われた。実のところ、セリナには人の魂を代償にするつもりは毛頭なかった。


 彼女は他の「価値あるもの」を代償にするつもりでいた。だが、ノワールはセリナが人の魂が欲しくて魂石を手に入れたと思っている。しかし、講義を断るわけにはいかない。そんなことをすれば逆鱗に触れるだろう。もしくは、セリナを見下し、失望して破門するかもしれない。


 この状況に、セリナは冷静に対処した。教えてもらうだけならタダなのだ。単に実行しなければいいだけの話。この場合、とりあえずお利口に講義を受けるのがベストだ。と。


「うれしいですわ。ノワール様」


思ってもいない感謝の言葉を聞かせる。


 ノワールはセリナのリップサービスにますます機嫌をよくしたようで、微笑みながらセリナの頭を撫で、後で地下の儀式室に来るように言った。場所がわからなければフレシアが案内する。と。


さきず、ジュリーとオスカーを連れ出さなければ。と、セリナは考えた。彼女はノワールに小さくカテ―シーをして、屍人達が眠る霊安室に向かった。






 セリナが階段を下っていくと、ノワールは優し気な微笑みをやめ、見下すような冷たい無表情に帰った。


「相変わらず嘘が下手ね」


自分が嘘をつくのはいいが、弟子に嘘をつかれるのは気に入らない。嘘をアクセサリーにするにはセリナはまだ若すぎる。


ノワールはその場から立ち去る際、通り過ぎざまに、魂石の空箱を片付けているフレシアに言った。


「儀式室に魂縛の準備をしておきなさい。もちろん、獲物もね」


「かしこまりました」


(ああ、私ってなんて弟子思いの師匠なのかしら)


塔の中にノワールの軽やかなヒールの音が響いた。



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