斎藤勢力
勢力って言い方を少し臭いですけど
要するに仲のいいグループです
[入学式から一ヶ月後]
それから、俺と弥生による足速くなろうプロジェクトが始まった。
弥生は陸上で忙しいので、オフの日か土日の午後に見てもらっていた。
なんで、陸上で忙しいだろうにこんな俺に付き合ってくれるのかは分からない。
俺は、それ以外の日は基本 学校の図書館で自習をしている。
今度の中間で学年一位を取るためだ。
今日は遅くまで図書館に詰めていると、急にあたりから人がいなくなる。
「なんだ、急に?」
答えはすぐにわかった。
「あーぁ、つかーれーたー。やっぱここ暖房効いてて気持ちいいわ。おいメガネお前もそう思うでしょ?」
「うるさい。僕は今本を読んでいるんだ。」
ギャルと七三分けメガネという対照的な二人が入ってくる。
「あ?何見てんのお前」
なんだなんだと俺も後ろをむく
「お前だよ!お前しかいねぇだろ」
「柚木ちゃん、そんな乱暴な口聞いちゃダメだよ勉強している人に」
「その名で呼ぶな!弱っぽい感じ出るだろうが」
俺は少々この二人に圧倒されながらも声をかける。
「あ、あのー、ここ図書館なので少し静かにしませんか?」
「…あ?てめぇ誰に口聞いてんの?」
「いや、誰って…校章見る感じ同じ学年だし、別に…」
「お前もツマラネーことでウルセェよ、な?メガネもそう思うだろ?」
「彼の意見は的を得ているが、彼もまた図書館で勉強をしている本を読んでいるわけではなく、それもまた施設によってはルール違反だ。もっとも、自習をしているという時点で無能だが。」
「なんだよ、お前。別に勉強していいだろ?いい成績取りたいんだから。」
「ふん!勉強なんぞ才能だ。どんだけやろうが馬鹿は馬鹿。もっとも、僕は優秀な部類だけど」
「とりあえずガリ勉メガネの前で、勉強語らない方がいいぜ?コイツ その話なるとシツコイからな」
「いや普通に、話してるだけだろうが。」
その時急に首根っこを掴まれ奥の図書館の扉まで引っ張られる。
そのまま外へ。
「だ、だれ?」
「急にごめんね。私の名前は久里山 かれん。この図書館の図書委員長を務めてます」
「あ、どうも。急にどうしたんですか?」
「あの人達に喧嘩売らない方がいいですよ?」
「な、なんで?」
「あの有名な斎藤陸勢力の一員ですから」
「なんだよ、それ?」
「斎藤陸勢力に楯突いた人は、決闘を申し込まれ負けたら無条件でイジメを受けてしまいます。もしくは決闘の負けた場合の自主退学を迫られますよ」
「は?そんなこと学校でしていいのかよ?」
「あの斎藤陸自身この学校の会長の息子ですし、勢力にそういった関係の人も多く…だから、楯突かない方がいいかと」
「くっだらね!」
なんか無性に腹が立った。
俺が見返そうとしている存在の大きさに対してなのか、そのような横暴がまかり通ってることへのかは分からない
俺は図書館に引き返した。
「おいギャルとメガネ!」
「あ?」「君にメガネ呼ばわりは心外だ。」
「決闘しようぜ?俺が負けたら退学、俺が勝ったらこの図書館に二度とくるな。」
「なぜそのような勝負を?」
「この時間なるとみんなが消えるのはお前らに迷惑してる証拠だ。だから、俺がお前らを追い出す。」
「くだらない。大方お前が有利なゲームだろう?我々が乗る価値などない。」
「だったら、ガリ勉くん」
「言い方を統一しろ。」とメガネ君
「今回の中間テスト 合計点を争わないか?」
「お前言ったな?」
メガネ君が初めて俺の目を見る。
「いいだろう。その決闘乗った。決闘のルールに則り斎藤勢力から一人選出する。もっとも私だがな」
「ふん、勢力とかくだらねぇ。俺も一人選ぶよ。
もっーとも、俺だが?」
十分小馬鹿にしたように真似をしてメガネをクイっとやる動作をする。
メガネ君のこめかみに血管が走る
「覚えとけ」
ギャルを連れ図書館へと出て言った。
「あ、あの本当によかったの?」
さっきの図書館の子が俺の元に近寄る。
「あのさー、かれんさん お願いがあるんだけどね。」
「は、はい!」
「俺に頭いい人紹介してくんない?」
「へ?」
「俺…頭悪いんだ…。」