生徒会編 4 羅生門
{お前うざいなぁ!!}
張本陽河は叫んでいた。
自分が管理下に置く西館の監視カメラを次々と停止させられているからだ。
そしてその元凶をモニター越しで見る。
そこに写っているのは天才 羅生ヒラキ
{だけど、お前じゃ俺に勝てない。}
張本は薄暗い部屋の中で席を立ち
後ろへ歩いていく、するとどんどん熱気が向こうから伝わってくる。
なぜか?そこには大量の大型演算機があった。
{たとえ、お前がどれだけ天才でも。俺にはこの機材により何十倍にも俺のセキュリティは強くなりウイルスは凶悪になる。お前のノーパソ一つじゃ不可能だよ。}
張本は不敵に笑う
{これが!!!生徒会の力だ!!大山高校の最高権力の前に潰されろぉ!!!}
馬鹿みたいだな。
羅生ヒラキはつくづく思う。
彼のノーパソは処理落ちをしており
冷静でいられる状況ではなかった。
なのに彼は冷静だった。
「おい聞こえてるか?張本。お前はなんも分かっちゃいない。俺は、天才だ。一方面での戦いしか目がないお前はやはり凡才だ。」
{なんだ?なんだ?最期の負け惜しみか?そろそろセキュリティも復活する。そうすれば、そこらじゅうの非常扉を動かして 電波も切って連絡手段も切ればお前らは何もできなくなるんだよ!?}
「ふん、やっぱ馬鹿だな。」
そういって羅生ヒラキは停止した監視カメラの方へと歩いていく。
{くそっ見えなくなった!}
張本は内心驚いていた。
たかが一つのノーパソに俺ほどの人間とこれだけの機材がありながら序盤押されたという事実に。
しかし、メインとなるpcの異常を知らせるアイコンが一つまた一つと治っていく。
そして、最後の停止されていた一つの監視カメラが作動し
モニターに映される。
{ん?これって羅生ヒラキか??}
そのモニターには、なにかのレバーを持つ羅生ヒラキがカメラに向かってピースをしていた。
{何してやがる!?}
「これでも分からねぇのかよ!?」
{いいから答えろ。何してる?}
幼い声でありながら、張本はマジギレをしていた
「俺が停止した監視カメラは全てここへといく道の道中にあるやつだ。何個かブラフで止めたがな。そーして他の色々は全部時間稼ぎ。君は俺様お手製ウイルス 羅生門にずっと付きっ切りで対処してくれたからね。簡単にここに来れたよ。」
{……?……!?…おまえまさか!}
「そうこれはブレーカー。さよなら会計くん!君の負けだ!君の位置も特定してるしすぐそちらへいくよ」
{おい待て!!これ勝ち負けが決まるか?あぁ!?}
「見苦しいぞ。俺とお前の勝負誰がどう見たって俺の勝ちだ。観念しろ」
そしてブレーカーが落とされた。
薄暗い部屋で、張本は自我を失いかけていた。
ずっとライバルと思っていた。
でもあいつの足元にも及んでいなかったのだ。
後ろの扉が開く音がする。
「やぁ、引導を渡しに来たぞ?」
{…好きにしろ。}
張本は言われなくともわかると電話番号の紙を渡す。
「お前はうちの仲間を傷つけた。この悔しさお前にも少し理解してもらおうか。」
そして、羅生ヒラキは張本の耳元で努力をした人間に言ってはならないことを言う。
「これが天才だよ。凡才くん。バーカ」
{…}
張本陽河は生まれて初めて悔し涙を流した。