生徒会編3 そこを開けろ
大山高校の西館は複雑な作りをしている。
一回上がるごとに廊下を端まで行かなければ次の階段がないシステムなのだ。
逆に生徒会はそれを利用しこの西館に本拠地を建てたという話もある。
俺と九鬼先輩とかれんさんはその二階の廊下を走っていた。
「おい待て。そこのイカした男!」
「ん?」と九鬼先輩
「お前じゃねぇよ!?そこのお前だよ、大河原みのる!」
「なんだ?」
俺たちは足を止め、廊下に面した教室で扉がぽっかり開いた教室に入る。そこはボクシングリングだった。
「ここは昔あったボクシング部のリングだ!今じゃ俺の秘密基地だがな!」
「なんでもいいから、俺らを止めた理由はなんだよ!」
「ん?あぁ、遡ること数ヶ月前だ。」
急に語り出した男に苛立ちを感じつつも話を聞くことにした。
「女子体育会系と男子体育会系が手を組み一大勢力を築こうとしていた。それを止めたのが生徒会だ。両者多くの被害を出す戦いとなり。結果俺ともう一人の女は体育会系チームから勝負によりこちらに移った者だ。ゆーえーに!!決して俺は雑務などという担当が似合うというわけではない!」
「「「……」」」
「その上で、雑務 神無月 仁道だ!!!」
「あいつが、勝負で交換された理由わかるわ」
「九鬼先輩、奇遇ながら俺もです。」
「まぁ、取り敢えず俺は相撲大会で2位を取った大河原みのる お前とボクシング勝負をしたい!」
「おい待て。俺は三位だが、てめぇに舐められる玉じゃねぇ。俺とまずやれ」
「ほーう?図体だけのヤンキー風情が、格闘技もしてないくせに街中でイキリちらしよって成敗してくれるわ」
「やってみろ。」と九鬼先輩
勝負の相手が決まったことを確認し
俺はかれんさんの手を引き教室を出る。
「九鬼先輩!!ここは任せました!!」
「おう!!!」
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西館 三階
また俺たちは廊下を走っていた。
そしてまた、一つ開いている教室があることに気づく。
そして何も言われるまでもなく入っていく。
「ふーん、やっぱ俺勝つっすねぇ。ん?おお!君らが大河原勢力っすか!俺書記の郡山 紫電っす!
勝負っすよね?やりましょう!やりましょう!
もちろんブラックジャックで!」
郡山紫電は中央の机にトランプを置く。
中央に机に向かいあって二つ席が置かれている。
「よし、受けて立つ。」
俺は腕まくりをしながら席に座る。
「待ってください!」
「かれんさん?」
「いつもいつも、私は隅で見ているだけでした!今日は私が巻き込んだ話なんです!私にも戦わせてください!」
かれんさんはいつになく真剣な目で俺を見ていた。
「かれんさん。分かりました!頼みます!」
俺は感激とともにかれんさんに席を譲る。
「僕は誰でもいいっすけど。」
「私もやる時はやりますよ〜」
「じゃぁ、僕4階まで行ってみんなの結果待ってます!!」
「うん!行ってらっしゃい!」
俺は教室を飛び出た。
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[西館一階]
天才 羅生ヒラキ vs 会計 張本陽河
{ほーん、結構やるなぁ。さすが天才。}
「お前が大したことないんだよ。バーカ。」
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[西館 裏]
エース 新田弥生 vs 副会長 七夕飛鳥
「私は投球を五回します!それを一つでもホームラン級取れればあなたの勝ちです!」
「…なんであんた泣いてるの?」
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[西館二階]
大鬼 九鬼慶文 vs 雑務 神無月 仁道
「俺はありとあらゆる打撃格闘技に精通している!」
「…一撃で沈める。」
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[西館三階]
図書委員長 久里山かれん vs 書記 郡山紫電
「僕は 強運の紫電 と呼ばれる男!君じゃ役不足っす」
「そ、それは、わからないよ〜」
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[西館4階 生徒会室前]
リーダー 大河原みのる
生徒会室前は、パスワードが必要な硬い扉がしており
その前には机や椅子などでバリケードがされていた。
俺はバリケードを壊しながら叫ぶ。
「ここを、、開けろぉぉおおおおおおおおお!!!」
大河原みのるのその叫びが
西館各地にいる全員の戦闘開始を告げた。
固く閉ざされた生徒会室の中で、生徒会長 綺羅星 瑞波が笑う
「ふっ、生徒会を甘く見るなよ。」