新たな戦いが動き出す。
今まで勢いで書き過ぎたので。
これからゆっくり話を進めていきたいと思います。よろしくお願いします。
俺は多分ビビってる。
色々な意味で。
屋上に続く階段を歩き
その先にある扉を開く。
「おや、やっと来たか。みのる君」
斎藤陸、めぐりの件について決着つける時だ。
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「話って、なんだ?」
「そう睨まずにさ?話っていうのは、めぐりちゃんのことに関してだけど。」
斎藤陸は俺に近づく。
「あれ悔しかった?」
ムカついた俺は斎藤陸の襟首を掴む。
「なんて言って欲しいんだよ?ナルシストが」
「そう怒るなって。でももう怒ってる時点で僕の目標は達成されたと言えるよ?」
「は?」
斎藤陸は俺の手を乱暴に振り払い、話を続ける。
「僕はさ?すごいじゃん?背が高くてイケメン スタイル良し文武両道 家柄も文句なし。勝ち組の将来を約束されている。そんな僕の目標はアジアで最高の男になることさ。どんな女性も俺の一言でコロッと落ちてしまう。そんなおとぎ話の王子様のような男にね。」
「くだらない。他人より優れていると思い込んだ自分に酔ってるだけじゃないか。」
「事実周りは評価してくれてるよ。その人が周りより優秀かどうかは見る人によって判断は変わってくるだろう。でも普遍的ないい男というモノに僕は当てはまる。だから思い込んででなどいないさ」
でも、と斎藤陸は区切る。
「君の彼女は違ったんだよ。あの当時僕は人の彼女を取るのが趣味だった。そんな時目をつけたのが君のカップルだよ。めぐりちゃんは君にはもったいないぐらいに可愛い。」
「そうだな。俺には有り余る存在だよ。」
「そう。だからアプローチしてやったんだ。でもめぐりちゃんは靡かなかった。なぜ?ってなったさ。君より僕の方が優秀なのに!ってさ」
「だからなんなんだよ。真相を早く言え。」
「色々と君の彼女に教えたんだよ。僕みたいな権力者がみのる君に目を付けたらどうなると思うって?」
俺はもう一度斎藤陸の襟首を掴む。
「てめぇ…!」
「脅しでもなんでも、それを含めて俺の凄さだよ。」
「めぐりは同じクラスだろ?何もしてないだろうな!?」
「めぐりちゃんは学校きてないよ。でも君に接触しないよう監視しているが。」
間髪入れず俺は斎藤陸を殴る。
斎藤陸は殴られた箇所をさすりながら立ち上がる。
「何でこんなことを言うか分かるかい?君は魅力的な人間だからさ。あんだけ可愛いめぐりちゃんを彼女にしてしまう。今でも只の高一年生が大山高校の一大勢力のリーダーとなる器。僕にはないものだ、それは。」
「だから、俺を潰すってか?」
「そうだよ。俺より1分野においてでも、優秀な男はこの世にいらないんだよ。」
「斎藤陸。」
「なんだい?」
「俺と勝負しろ。俺が負けたら俺は二度と姿を現さない。勝ったら、めぐりを返せ。」
「いいねぇ。じゃあ、条件だ。今の君とやったって何も楽しくない。何の名誉にもならない。」
「だから、全ての勢力をまとめて俺の袂まで来い。俺が勝てばお前の全ての権利を譲れ。それで俺は大山高校始まって以来の全制覇の偉業を成せる。それが出来なかった場合。俺はお前の勝負なぞ受けない。それぐらいビックにならなきゃ俺と勝負なんて釣り合わないからな。もちろん、めぐりちゃんとの仲は認めてもらうよ?」
「…いいよ。そう意味では今勝負が始まったな」
「たしかに。」
「俺は、こんな勢力争いなんてしょーもないこと全部お前もろとも吹き飛ばしてやるよ。」
「面白いねぇ。そういうところにみんな惹かれるのかな?」
斎藤陸はあくまで余裕の表情で屋上の出口へ向かう。
「まぁいいや、僕にはない君の魅力に僕は嫉妬しているんだ。それは光栄にでも思ってくれ。まあお前が負けるのなんて目に見えてるけどな」
そういって斎藤陸は屋上から姿を消した。
「めぐり、疑ってごめんな…。」
別れの話をしたあの日の夜を思い出す。
俺は散々めぐりを罵った。
めぐりは泣きながら俺に謝り続けていた。
「でも、今お前に会いにいっちゃ、ダメだと思う。全部真っ白にして、お前のところに行くよ。」
俺は静かにそう誓う。
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[図書室]
「だーかーらー!!何なのよ!あんた達は!?」
「さっきから言っているだろう生徒会のものだ。」
「その生徒会が何だ?ここ俺たちの場所だぞ?」と九鬼
「ん?久里山、お前何も話していないのか?」
そこに立つ生徒会の男はチラッと久里山先輩を見る。
下を向く久里山先輩
「まあいい、ここで話そう。久里山は今日から我が生徒会のメンバーだ。よって図書室はこれから我らの管轄内。早々に退去願う。」
「え?かれんちゃんどーゆーこと?」
久里山先輩は、カーディガンの裾をギュッと握りながら下を向いて呟いた。
「…ごめんなさい。」