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第7話 謁見の後とこれからのこと

その後は、あまり関係のない話が進み、ヴァレンティンの、

「四人とも下がるがよい」

という一言によって、貴明たちは謁見の間を後にしたのであった。

「で、僕はアルに預けられて一体何をすることになるんですか?」

歩きながら貴明が尋ねる。

アルは、「一言で言うと、実行可能な、この国の改革案を出せってことさ。やれやれ、おまえさんも貧乏くじ引いちまったなぁ」

と、ため息混じりに答えられる。

「どうして貧乏くじなんです?」

貴明は尋ねる。

「まあ、その理由は後々説明してくけど、簡単に言うと障壁(かべ)がいっぱいってことさ。」

との、アルの答えに貴明は、

「既得権益とか予算とか社会構造とかですか?」

と答える。

「なんだ、大体分かってるんじゃねえか。さ・す・が魔法技術(ぎじゅつ)の高い国で高等教育を受けただけのことはありますなぁ?」

「やめてくださいよぉ。あれはちょっと腹が立って口走っただけですよぉ。ってかアルさん、さっきから魔法技術、魔法技術って言ってますけど、僕は魔法なんて使えませんよ」

との答えに、アルは、

「またまたぁ、ご謙遜を。あんな乗り物操ったり、あんな魔法具(カメラ)操作できるんだからさぁ」

と、ややくだけた感じで返す。それに対し、貴明は、

「これらは全て科学技術によるものですよ。さっきの電気自動車は機械工学、構造力学、流体力学、電磁気学、電気工学、冶金学、化学。カメラの方は、光学、電子工学、情報学、化学、材料工学と、僕が知っているだけでこれぐらいの学問が使われているんですよ。もちろん操作法さえ理解できれば誰でも同じように使うことができる、れっきとした工業製品ですよ」

「「工業製品?」」

モニカとアルが同時に聞き返す。

「工業製品ってのは、そうですね、ろうそくとか鍋釜みたいな物で、つまり、一点物(ワンオフ)と違って、同じ形、材質、厚さ、耐久性、品質が揃っているものですね。で、それだけを作る専用の場所を、工場って言うんです」

そう貴明は返した。

「ちなみに、この国ではろうそくってどうやって作られていますか?」

との貴明の問に、二人は、

「ろうそくって蜜蝋から作るんでしょ?」

と、モニカ、

「はちみつ作っている奴らが作ってるんじゃないか、それぞれの家庭で」

と、アル。

「ってことは、工場は存在していないってことですか?」

との、問には二人共頷いた。

「じゃあ武器も鍛冶屋の職人が一個一個手作りで作る感じですか?」

との問にも二人は肯定の意を示した。

まずは、機械化等よる全体的な底上げからかぁ、と思う貴明であった。

謁見も終わり日も暮れはじめ、家に帰ろうとする貴明、

そんな貴明についていくアルとモニカ、

家のベッドでDVDでも見ながら寝たい貴明、

それを阻止して話を聞き出したい二人。

そんな中ジャンヌが放った一言で事態は進む。

そして・・・

次回、第8話 魔術(物理)の巻

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