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第19話 決断

お久しぶりでございます。

「とにかく、情報が少ないんだ。この病気であるということを確定するにはしなければならない検査がいくつもある。しかし、その検査をする機械もなければ、技能もない。まさか、確定もせずに治療して、"実は違ってました。てへっ"なんてことが通用する立場の方じゃないだろう?エリカ様は」

「そりゃあそうだけれど、ここまで来て何も出来ませんでしたってのも君の立場が悪くなるよ。だって唯でさえ身体の弱いエリカ様を連れ出したんだ、これが原因でもし体調を崩されてもしものことなんかあれば・・・俺だって・・・」

貴明とアルは二人して頭を抱えた。

「せめて、超音波(エコー)があればなぁ・・・」

「なんだい?そのエコーってのは?」

「簡単に言うと、超音波を対象物に当ててその反射を画像化する検査機器なんですけど、それを使って血流を見たり、解剖学的な位置を見たりすることで・・・」

「えっ?超音波?当てる?反射?画像化?解剖?」

「あぁ、詳しいことはこれから説明しますんで、まあそんなものかと思っておいて下さい。」

「解剖って君は人体の解剖をしたことがあるのかね?ああ、なんて恐ろしい・・・」

「ありますよ。必修でした。それは置いといてっと、エコー画像ってのはこんな感じになります」

と貴明はノートPCを開き、国試過去問集に付属しているエコー画像をアルに見せた。

「この赤くなっている部分が機械に向かってくる血流。それで、青くなっている部分が機械から離れていく血流。」

「じゃあ、この赤でも青でもない色の部分は?」

「それはモザイクと言って血流が乱れている所だよ。」

っと言ったところで貴明があることに気付いた。

「これネット繋がってるじゃん。」

「ネット?」

「インターネットと言う、僕のいた世界での世界規模のネットワークで、いわゆる情報網みたいなやつですかね。簡単に言うと。」

と、貴明が苦しそうに答えた。まさか異世界人にネットとは何かということを自分でもよく理解していない者が完璧に答えられる訳もなかった。

「そういえばポータブルのエコーが100万ぐらいで売ってるって話聞いたことがあるな。ちょっと検索してみよう」

と言って、貴明は検索サイトで検索を開始すると、一、二分で目当てのサイトに辿り着いた。

「これだこれだ」

大手通販サイトに表示された情報では

・電源入れて1分で起動

・カラードプラ対応

・ポケットに入るお手軽サイズ

ということが分かった。

貴明は、ついいつもの癖で購入ボタンをクリックしてしまった。

「あっ」

時すでに遅しであった。どうせ異世界になんて配達されるはずもなく、ましてや代引きで注文してしまったものの、代金を賄うほどの現金が無かったのである。ましてや異世界である。コンビニもなければATMもない。もしあったとしても貴明の口座の残高はそこまでは無い。

次の瞬間、インターホンが鳴った。

玄関に行きドアを開けた。そこに居たのは身の丈2mはあろう大男であった。しかも服装はカーキのローブであった。

貴明が口を開く前に、男が口を開いた。

「金貨五枚」

「ん?」

「金貨五枚だ」

持ち合わせのない貴明はアルを呼んでみた。

「金貨五枚持ってます?」

「あるけど、それがどうしたんだ?」

「この人がね・・・」

と、事のいきさつを説明する。と言っても二、三言なのだが。

「ほらよ、金貨五枚だ。」

アルが男に金貨を手渡した。

すると男は箱をアルに渡し、走り去っていった。

「ちょっと」

貴明は追いかけようとしたが、アルが制した。

「まあ、いいさ。金貨五枚で命を買ったと思えば安いものさ。それよりこの箱はなんだろう。木ではないみたいだが・・・」

アルが受け取っていたのは段ボール箱であった。

「開けてみますか。」

貴明が言った。

「そうするか」

アルが答えた。

ガムテープをカッターナイフで切り、箱を開けると、先程見ていたページのポータブルエコーと付属品とエコー用ジェルが入っていた。

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