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第18話 診断に至る過程

お久しぶりです。

色々有りまして、遅くなりました。


 貴明は、参考書と教科書を参考に、この収縮期逆流性雑音をきたす疾患を考えていた。


「心室中隔欠損症の可能性って書いてあってもなあ・・・超音波(エコー)なんて無いから確定できんしなぁ…」


 ”心室中隔欠損症とは、先天性心疾患の代表的な一つである。右心室と左心室の間の筋肉(心室中隔)に穴が開いており、血液が左右で交通してしまう病態である。約0.3%の割合で発生し、その半分は生後一年以内で自然閉鎖するものの、自然に閉鎖しない場合には治療が必要となる疾患である。症状は穴の大きさによって様々である。   民明書店「循環器学」より抜粋”


「まあ少なくとも心臓が悪いってことには変わらんかぁ…。しかし、こんなん治せるんかな」

 貴明の一番の悩みはそこであった。

いくらイメージが重要とはいえ、実際に内部のイメージがないままで治すというのはなかなかに困難なものである。実際、心臓カテーテルを使った治療や検査は、X線透視下に、造影剤を入れながら、血管の形状などを評価しながら行われる。しかし今回は、そんなことお構いなしにやらなければならず、そしておそらく、成功させなければならない。この治療に問題があれば、エリカはおそらく死ぬ。そうでなかったとしても重篤な後遺症を残しかねないというわけであった。


 まあ、孔を塞ぐイメージをしつつ、心筋をイメージすればいけるんだろうな

と思っていると、後ろから声をかけられた。

「で、どうなんだい?エリカ様の病気ってのは?」

 貴明は、アルに、今のところ考えられたこの疾患について簡単に説明した。

一つ、心臓に穴が空いている事

二つ、この歳では、穴は勝手に塞がらないこと

三つ、放っておくと手遅れになること

と、難しいことは置いておいた。

「そうか。で、治せるのかい?」

と聞かれた貴明は、難しそうな顔をしながら言った。

「やったことがないからわからないね。」

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